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矽元湧離・死亡の環(Death Ring)  作者: 無可久雅
第2巻 尋基長途(じんきちょうと)
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第六章 庸俗な社会

「ようこそ、ペステルガン武装公司(ぶそうこうし)がお客様のために最高の護身武器、および戦時に人命の安全を守るための一連の専用道具をお選びいたします。」


身分が正常な二人のお客様を検出すると、二人の足元の床が隆起し、移動プラットホームに変形した。欄干が立ち上がり、半空のドローンも続いて二人のそばに来て、お客様専用の購入タブレットを差し出した。


「ここの特殊ボタンはどういう意味ですか?」夫妻のうちの女性がタブレットを手に、傍らのドローンに尋ねた。


「特殊なニーズをお持ちの方、例えば『義体癖(ぎたいへき)』や『銃性愛(じゅうせいあい)』の方々のためにございます。お二人が特殊ボタンを押していただければ、専用のカスタムルームへご案内いたします。」


「私たちは自衛できる武器だけで十分です。武器販売エリアへ連れて行ってください。」


[ルート調整:販売エリア]


あの夫妻は他の客と同じように、武器が並ぶ棚とショーケースのところへ来た。拳銃からロケットランチャーまで、警備機械体から武装ヘリコプターや飛行艦まで。少なくとも約氏星(やくしせい)においては、ここに何でも揃っており、普通の人間のニーズを十分に満たすことができる。ここの見張りを担当する警備機械体は下で巡回しており、加えて随時飛来する警備飛行体と完全武装の警備員により、ここで武器装備を盗むなどとは、全くの絵空事である。


[会員身分認証成功]


「お二人でご自由にお選びください。我々ペステルガンの防護用品はすべて厳格な検査と試用を経ており、十年間無料修理、そして生涯用品の安全を保障いたします。」


「この銃を買おうか?」


(PG先蓄連射銃(ピージーせんちくれんしゃじゅう)、充電三十秒、稼働五時間。各種充電スタンドと外骨格装甲に適合し、毎秒五十発の蓄能ビームを射撃可能。各ビームは長さ二メートルの鋼塊を貫通するに十分。自鎖システム、補助照準システム完備。肝心な時には大口径蓄能モードに切り替え可能で、能源池内の全エネルギーを一発の凝縮ビームとして射出し、その威力は一発の電磁砲が放つエネルギーに等しい。)


「これは確かにいいが、私はこちらの方が好みだ。」


その男性はX型切割銃(エックスがたカッティングガン)を指さした。これはペステルガンのオリジナル新製品であり、発射する光弾がX字状の長条を呈することから名付けられた。新開発の精密照準システム、自動追跡システムを備え、トリガーを引くたびに一連の高光X弾を射出でき、その威力密度は一棟のビルを貫通するに十分。稼働時間も長く、緊急予備能源池もあり、確かにより適した選択である。


「これにしよう。銃床を交換できるか?」


「この銃は銃床及び関連部品を交換可能です。お二人で交換プラグインをお選びください。後ほど改造済みの銃をお届けいたします。」


この夫妻のように、乱世で生き延びるには自身の生命安全を守らねばならない。金を払って装備を購入し、さらに安定した仕事を持たねばならない。これは戦争中にはほとんど実現不可能である。生き延びるため、人と人の間に基本的な社会道徳と秩序が維持されていれば、それだけで十分完璧と言える。


しかし、戦争で利益を得るため、約国(やくこく)最大の武器供給者であるペステルガンが、黙って見ているはずがあろうか? 数十年の戦争は、彼が巨大な産業チェーンを構築するに十分だった——敵が攻めてくれば、命を守るために自然と武器を買わねばならない。武器だけが、確率的にではあれ、消滅しないことを保証できるのだから。たとえ「民兵」になるとしても、降伏後に捕虜とされるか分からないよりはマシだ。人は人と通じ合えない。たとえ種族が同じでも、外見が似ていても、双方の人の心は依然として相手を敵と見做している。猜疑と算段、不安と抵抗、武器の保障がなければ、切り札を保持することもできない。


(「正直に言えば、この戦争には休戦もあり、双方何度か指導者も変わったが、我々のように隆々と発展する企業は本当に数少ない。しかしペステルガンさん、今年の武器販売量は供給が需要に追いつかず、しかも公司下の株が膨張し、大きな金融危機を引き起こす可能性があります。しかし株を売却すれば、投資者たちが持ち株を引き揚げ、我々の最大の提携先『トンスダ』も武器製造の原料提供を制限するかもしれません。」)


「気にするな。インフレは常に不足経済よりマシだ。膨張を温和な状態に導き、同時に対外的に武器販売の優待活動を発表しろ。ただし、無料交換などの形式の活動は決して許すな。」


人間の本性は悪である。教育を受けた者なら誰でもこの道徳原則を知っている。もし今日「無料」の看板を掲げて活動を行えば、下の大衆は恥知らずにも狂ったように商品を奪い合うだろう。現在完全な警備システムがあっても、武装強盗による強奪は避けられない。逆に、少し優待を与えれば、大衆は自分が少し得をしたと思い込み、依然として利益の出る武器装備を購入する。一方で俗人をなだめ、一方で大もうけ——まさに一石二鳥!


「覚えておけ、我々こそが上等人間だ。たとえ仲介者でも、下で大言壮語しながら飢え凍える貧民よりははるかにマシだ~昔は資本の良さが分からなかったが、今振り返れば、当時資本に反抗した者が世界最大の武器商人になったとは。あの頃の私は本当に愚かだった。幸いにもチャンスを掴み、助けを求める貧民を蹴り飛ばし、資本の門に駆け込むことができた。」


(「ペステルガンさん、ご返信ありがとうございます。」)


[通話終了]


(「全く、調査局が私に何と言った——公司の製造した武器が平民を傷つけ殺したと。正直に言えば、死んだ平民が私と何の関係がある?」)


ペステルガンは立ち上がると、襟を整え、意気揚々と背後の防核弾超精細窓際へ歩いた。下を向いて遠くの貧民窟——つまり密集した複雑な低層ビルの数々を眺め、思わず笑みを浮かべた。この窓一枚だけで、周囲百里の貧民窟の地皮、そして数万の貧民の全資産に匹敵する。現在の彼は首都外の大統領スイートに立っており、このビル内には数千名の警備員と複数の浮遊車と飛行艦が駐留している。人上人の感覚と、底辺の者を見下す割裂感が、彼を心の底から誇らしくさせた!


(「ふんふん……戦争が止まらなければ、私が宇宙産業に進出する日も遠くない。」)


「射撃!」


([ペステルガン武装公司(ぶそうこうし)]、射撃訓練場)


それらの客は新しく買った各種武器を握り、余剰の弾丸と能源池を発散させ、遠くの鋼製移動標的と模擬人体生体に射ち込んでいた。百発百中の者もいれば、銃銃命を奪う者もおり、すでに戦争に鍛えられて優れた射撃技術を身につけたようである。


[十環!]


「イエス!」


手にしたレーザースナイパーライフルを置き、黄色く染めた髪の青年は隣の補充櫃から軟管のつながった栄養針を引き抜き、それを自分の腹部の食物輸入口に挿入し、親指で食物液を押し込んだ。これで昼食は済んだことになる。


[期限内にお支払いください。さもなければ訓練営から退出していただくしかありません]


「全く、ちょっと金を借りてるだけじゃないか? 支払えばいいんだろ~」


その黄髪の少年はスマホを取り出し、更新システムに入り、最後にその目立つ更新ボタンを押した。


[残高不足]


「何だ、これおかしいだろ?」その青年は飛来するドローンを見上げ、非常に不満そうに言った。「ここはなぜ値上げしたんだ? 以前は一時間千約幣(やくへい)だったのに、今はなぜ二千約幣(やくへい)になった?」


「戦争資源が逼迫しているため、訓練場内の能源池と弾丸の提供は限られており、かつ場の維持コストが増加しています。ご理解いただけないなら、他の訓練場へ行って射撃を楽しんでください。」


「他? 他の訓練場はとっくに潰れてるだろ? お前たちペステルガンの訓練場しかまだ開いてない。」


「失礼ですが、早くお立ち去りください。警備システムは館内でのお客様の安全を保障できません。」


「はいはいはいはい、すぐ出るよ、全く——」


訓練場から追い出された後、その黄髪の少年は腰を曲げて歩道を歩き、周囲の高層ビルが全ての影を彼の上に落としていた。照明システムでも設置していればよかったのだが、現実には彼は暗闇の中を進むしかなく、同時に随時走り来る機械体や他の人々を避けねばならない。


「今日も金が足りない。お袋にもっと生活費をもらっておけばよかった~」


今、金を早く稼ぐ方法は、日雇い傭兵のほかに、臨時雇いの選択がある。しかし後者はより骨が折れ、最も稼ぎが少ない。前者は命を落としやすい。よく考えた末、彼は臨時仕事の念頭も捨てた。


(「もしかして……奥平澤(おうへいたく)で裏仕事をするか?」)


母親が彼に与えるのは養育費だけだ。そのくらい彼も分かっている。社会の親と子は、子が大人になれば分かれる。彼と両親の関係は普通だが、父親が爆死した時、彼はしばらく黙祷を捧げたものだ。


「こんなに遊び惚けていても仕方ない、行くか!」


(奥平澤(おうへいたく))


「何だ? 今日の仕事はもうないのか?!」


「そうだ、『二丁拳銃の少年』。密輸取引と麻薬王の護衛は必要な人員が埋まっている。お前は家に帰って母ちゃんのところへ行け~」


「くそっ! 俺は絶対にバイトを見つけてやる——」


犯罪の地、奥平澤(おうへいたく)。モティス偽死軍(ぎしぐん)集團は戦争でこの地を管理する暇がなく、滋生する犯罪も後を絶たない。数日前、約氏星(やくしせい)最大の麻薬密売集團が[零之切割(ゼロ・カッティング)]に瓦解された後、他の都市に隠れていた麻薬密売人と暴力団がここに集まり、約国(やくこく)の目の下で事を起こそうとしている。


「しかし、他にどこへ行けばいいんだ?」黄髪の少年は肩をすくめてため息をつき、茫然自失としていた。ここに来るのにも数百約幣(やくへい)かかった。無駄足で帰るわけにはいかないだろう?


「『二丁拳銃の少年』、仕事を受けたいなら、あそこの路地へ行け。」


「うん? あそこ? 誰があんな小巷に飛び込むかよ!」


「隻眼の面具をつけた男が人を募集している。彼がモティス偽死軍(ぎしぐん)集團と連絡を取るのを手伝うんだ。」


「それはちょっと危険すぎるだろ? 受けねえ受けねえ。」


青年は首を振った。少なくとも彼は約国(やくこく)人だ。見ず知らずの者のために国家の敵対勢力を探すのを手伝うなど、危機に満ちているに違いない。


「報酬は十萬時幣(じへい)だと聞いた。」


「たった十萬約——待てよ!」


相手の陰湿な笑みを見て、少年はすぐに興味を抱いた。十萬時幣(じへい)は、約国(やくこく)に換算すると約百萬約幣(やくへい)。これだけの金があれば、引き受けて完遂すれば、數十年の太平を享受できる!


「よし、引き受けた!」彼は机を叩き、そして腰の二丁拳銃を握りしめた。「金になる商売をやらない手はない! その方は路地のどこにいるんだ?」


「お前はなかなか向上心があるな。後果承擔書(こうかしょうたんしょ)に署名すれば、彼の位置を教えてやる。」


「ケチくさい……」


路地内の地点に到着すると、黄髪の少年は客を見かけず、嫌な予感がした。彼は左右の貧民を観察したが、その雇い主に該当する身分情報を持つ者は誰もいなかった。


「お前、戦争は好きか?」


背後からの声を聞いて、彼は二丁拳銃を抜こうとしたが、自分の首筋にすでに鎌が当てられていることに気づいた。


「お前は……」


「二丁拳銃? 俺もその二丁拳銃を使う奴を知っている。だが彼はその両手を使う方が好きだ。」


目の前の突発的な状況を見て、少年は慌てた。汗が額から流れ、彼は少しも動くことができなかった。もし相手の反応能力が自分より高ければ終わりだ!


(「一か八かしかないのか?」)


彼が抵抗しようとした矢先、その鎌は彼の首筋から落ちた。少年はすぐに振り返って二丁拳銃を抜いたが、左手に鎌を握る面具の男は右手も暇ではなく、直接蓄能手銃を構えて彼を照準していた。


「俺は戦争が大好きだ。戦争は俺に大金を稼がせてくれる!」彼はわざと大げさに言った。


(「やはり、この星はすでに病膏肓に入っている。」)


面具の男は身にまとった透明マントを放し、続いて蓄能器を収めた。


「俺がお前の雇い主だ。さっき任務發布者からの情報を受け取った。」


面具の男から送られた情報を受け取ると、黄髪の少年は二丁拳銃を収め、信じられない様子で目の前の男を見た。


「本当ですか? あなたが私の雇い主ですか?」


「名前は明かせないが、その情報で十分に証明されるだろう。俺の任務は簡単だ。モティス偽死軍(ぎしぐん)集團の基地まで送り届けろ。」


「しかし、そこは敵軍の——」


「事が成ったら、さらに五萬時幣(じへい)をやる。」


「まさかあなたはそんなに気前がいいとは、雇い主さん!」黄髪の少年は両膝をついて拝み、面具の男は驚いて後ろに下がった。


「お前は子供か? 外の者に跪くなんて?」


「俺は今年14です。」


「モティス基地がどこか知っているのか? お前の記憶情報を俺に送ることを考えてもいい。お前たちのところは十分に険悪だ。見知らぬタクシーにさえ金を巻き上げられる。」


「もちろんです。ここは善人がいる場所じゃありませんから——あ、もちろんあなたを除いて。」


「俺も善人じゃない。あのタクシーはもう廃車だ。ここの警察はすでに俺をマークしている。」


「では、なぜあなたは俺の情報を買おうとしないのですか?」


「俺には身を隠すのを手伝ってくれる人間が必要だ。俺はかつて外星球からの逃亡者だった。身代わりになってくれる人間が必要だ。」


「安心してください。話術什么的はまだ少し分かります! では、今すぐ出発しましょう!」


「お前の名前は?」


「ブイです、先生。ブイ・ヤクシ。」


その名前を聞いて、面具の男はそれ以上追及しなかった。彼は鎌を背中に掛け直し、そして小巷の出口へ歩いていった。


「君の名前は?」


「㭉(カ)と呼べ。俺がここに来たのは、お前たちの星を変えるためだ。」


「変える?」


「そうだ、変える。中二っぽく聞こえるだろうが、俺には成功するチャンスがある——お前は部外者だ、俺の言葉を気にする必要はない。事が成ったら、お前は自然と報酬を受け取る。」


金を稼ぐため、ブイは長期出行の準備を整えようとした——しかしこの道のりは、決して順風満帆にはいかないだろう。

密かに動き出す二人、基地へ向かう契約、小さな役がどんな化学変化を起こすのか?

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