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矽元湧離・死亡の環(Death Ring)  作者: 無可久雅
第1巻 初めての殺し合い
4/13

第四章 被定義される会議

(約氏星(やくしせい)、首都ロウェイナン)


(数日後)


[中央政府、外星連絡会議庁(がいいちょう)]


「[零之切割(ゼロ・カッティング)]が我々と交渉したいだと?」


「その通りです、大統領。聖石(せいせき)遺跡坑(いせきこう)の件で、十分前にペステルガン武装公司(ぶそうこうし)からこちらへ飛行して参りました。」


「下の議員たちに、彼を接待するよう命じろ。」


「承知しました。」


傍らに立つ氷藍色の長髪秘書が彼に軽くうなずいた。[零之切割(ゼロ・カッティング)]への対応、そして彼の力をどう利用するかが肝要である。


「[零之切割(ゼロ・カッティング)]ならば、軍の高官も会議に参加すべきだ。キンストラン市総軍事基地の総司令官レシミランに招待状を送れ。彼にまだ見ぬ相手を知る機会を与えよ。」


約国(やくこく)の威厳を保つため、この会議にペステルガンのような「仲介者」を招くことは決してない。彼は国内最大の武器供給者ではあるが、約国(やくこく)政府が最も嫌う人物でもあった。かつて武器産業を独占し、戦争に干渉しようとし、さらには約国(やくこく)と帝国の間で利を得て、双方を消耗させながら武器代を稼いだ。彼がこちら側に立っていないという点で、すでに心の底から軽蔑されていた。


現在、零之切割(ゼロ・カッティング)はペステルガン武装公司(ぶそうこうし)に滞在しているが、約国(やくこく)の政治家たちの大半は、彼がペステルガンとは無関係であり、むしろ疎遠であると考えている。零之切割(ゼロ・カッティング)はSEUと時似對銘国(じyいじにんたいめいこく)の人物であり、ペステルガンのような地方の「仲介者」と協力することが良いことだとは決して思わないだろう。SEUは最終的に約国(やくこく)がモティス偽死軍(ぎしぐん)に打ち勝つよう支援するものであり、また零之切割(ゼロ・カッティング)が要求を出すならば、約国(やくこく)にもSEUに正当な要請を行う理由がある。


「星間外交長官は到着したか?」


「シャオファンアル長官は既に会議庁に着席して待機しております。他の議員も既に到着しております。」


「よし。ならば、私も自ら下に降りてあの軍用類人機(ぐんようるいじんき)を待とう。」


二台の有人型機械体が続いて到着し、大統領とその女性秘書はそれぞれ機械体の「門框」に立ち、迅速に大統領室を離れた。


「そうだ、ツライナ。私が署名した政務文書は、きちんと推敲して点検したか?」


「もちろんです。修正後の政務文書は既に各部門に配布され、検閲が行われています。」


「今日のお前はどうしてそんなに我慢強くなったんだ?」大統領は袖を整え、興味ありげに秘書を横目で見た。「だが、私の政務文書を批閲し終えたなら、前みたいな愚痴は言わないでくれよ。」


「そんなこと、ありえませんよ、大統領……」ツライナは責めるような口調で言った。「ただ、今日の業務を早く片付けたいと思っただけです。」


「やっぱり、お前は相変わらずだな。」大統領は両手を広げ、仕方なさそうに首を振った。「しかし、年間業務量に達しなければ、お前は降格されるぞ。」


「どうせあなたが私を引き上げてくれますし、国にとっても大した損失にはなりませんから……」


「全く、お前は母親と性格がそっくりだ。」


二人は廊下を通り抜け、下で働く多数の政務官たちが見渡せる。浮遊装置が二枚の「門框」(有人型機械体)を空中に浮かせたまま前進させ、最寄りのNETA—A通路に停止した。


(「大統領、零之切割(ゼロ・カッティング)が会議庁に到着しました。」)


(「国家宴会庁には寄ったか?」)


(「いいえ、食事には興味がないと申しておりました。」)


「どうやら話しにくい相手のようだ……」


(「着席させろ。」)


(「しかし大統領、零之切割(ゼロ・カッティング)は立ったままを希望しております。」)


(「警戒心が強いのか……」)


「大統領、[零之切割(ゼロ・カッティング)]が会議庁の入り口に到着しました。」


「うむ……」


今は熟考する時間がない。ジョリナ・ヤクシ――この風雅で温和な大統領は、会議庁の扉が開かれた瞬間、いかに動くのか?


(モティス偽死軍(ぎしぐん)團、後方臨時基地)


「ヤクサレリ市の主要兵力は[零之切割(ゼロ・カッティング)]に掃討されたのか?」


「はい、バクロフさん。」


バクロフは顔を覆った。「特体(とくたい)小隊」だけでは全てをカバーできない。現在、彼らは十分な武装勢力を持ちながらも、[零之切割(ゼロ・カッティング)]、ペステルガン武装公司(ぶそうこうし)、約国(やくこく)軍の三勢力からの圧迫と攻撃に直面している。SEUが介入する前までは勝機があったが、[零之切割(ゼロ・カッティング)]が来てからは状況が一変した。


「特体(とくたい)小隊は、[零之切割(ゼロ・カッティング)]を牽制するために絶対に温存しなければならない。シュンヨウトクさん、この資源問題の解決に協力してほしい。我々の資源供給が断たれている。何とかして各前線陣地に再び資源を送り込む方法を考えねばならない。」


「もちろんです、バクロフさん。現在、敵味方ともに資源が逼迫しています。敵の資源を奪取するのはリスクが高すぎるし、密輸は速度が遅すぎる……安全かつ効果的に資源を供給するには、資源豊富な地域の開発を試みるしかありません。」


「しかし、我々の資源豊富な地域のほとんどは交戦線の近くにある。採掘部隊を送り込めば、頻繁に攻撃を受けるだろう。」


「うむ…………」バクロフ・ランはしばし考え込み、やがて大胆な計画を打ち出した。


「シュンヨウトク、[零之切割(ゼロ・カッティング)]が今日約国(やくこく)の外交会議に参加する動機は何だと思う?」


「既知の情報から分析するに、聖石(せいせき)遺跡坑(いせきこう)の土地を目的としています。」


「その通りだ。ならば、あの場所が我々の領土下にある以上――」バクロフは両手を背負い、ゆっくりと語った。「なぜ我々自身でそれを回収しないのか?」


「つまり――あの土地を事前に移動させるおつもりですか?」


それは全集團を死に追いやる可能性のある決断だった。バクロフが聖石(せいせき)の土地を何らかの形で秘密裏に回収すれば、[零之切割(ゼロ・カッティング)]は決して黙ってはいないだろう――「聖石(せいせき)」というものは、彼らも数百年前からその痕跡を耳にしていた。最も有力な理論は、未知のブラックホールから圧縮されて放出され、最初に約氏星(やくしせい)に落下し、その後外力によって宇宙空間を漂い、最終的に琳懺星(りんざんせい)に落下したというものだ。


「本当にあの地皮を移動させたら、[零之切割(ゼロ・カッティング)]は全力を尽くし、躊躇なく我々を殲滅するかもしれません。バクロフさん、もし彼が『共倒れ』を恐れると賭けられるなら、この方法も決断の一つでしょう。」


「共倒れ」とは、端的に言えば、相手が大事に思うものを命をかけて破壊することだ。[零之切割(ゼロ・カッティング)]が彼らを殲滅しようとすれば、バクロフは聖石(せいせき)遺跡を破壊する。現在の技術なら、地皮一枚を破壊するのは難しくない。そして[零之切割(ゼロ・カッティング)]は明らかにSEUと母国・時似對銘国(じじたいめいこく)のために行動しており、何の結果も顧みない無謀な男ではない。


「シュンヨウトク、私はこの一手に賭ける。そして私の賭けは、『時間』だ。」


「時間?」


「そうだ。人は時を逃せば、全てを取り戻せなくなる。特体(とくたい)小隊が彼を足止めし、彼が聖石(せいせき)遺跡坑(いせきこう)の保管場所を探すのに時間をかける。その間に情報を受け取った私は、十分な時間をかけてあの地皮を破壊できる。」


「しかし……SEUが新たに人員を追加したらどうします?」


「その時が来れば、戦略を変える。今のところ最も効果的な方法はこれだ。我々は決して手をこまねいているわけにはいかない!」


「承知しました。あの四人に伝えます。バクロフさんは、彼らを信頼していらっしゃるのですね?」


「もちろん。もし彼らが離脱していたら、我々はとっくに滅ぼされていた。」


特体(とくたい)四人小隊との関係を良好に保つことは、バクロフにとって特に重要だった。彼らが零之切割(ゼロ・カッティング)に敵わないかもしれないとしても、同じく約国(やくこく)に虐げられる側であり、同じ反抗者として、少なくとも互いに誠実である。そして彼らは「式」実験で生み出された特体(とくたい)ではなく、聖石(せいせき)放射に運良く選ばれた個体だった。


「では、まずはそれを実行する。同時に、後で私が自らスコフ将軍に会い、関連事項を準備させる。」


「そうですね。情報通信を使えば計画が露見する恐れがあります。バクロフさん、私は他の部門で残りの問題を解決して参ります。」


「頼んだ。」


バクロフは広々とした防弾コートを羽織り、ゆっくりと閘門から去っていった。今は一分一秒が勝負だ![零之切割(ゼロ・カッティング)]の交渉が成功する前にあの地皮を移動させねばならない。


聖石(せいせき)遺跡坑(いせきこう)は彼らの領土に属するが、現在は戦争のために衝突が絶えない。[零之切割(ゼロ・カッティング)]を避けるため、バクロフは一時そこから駐留軍を撤退させていたが、彼が去った後に再び兵を送り込んで占領した。双方が衝突を起こしたが、約国(やくこく)は当時ヤクサレリ市に大量の兵力を投入していたため、結局は偽死軍(ぎしぐん)側が優勢となり、その土地を奪い返したのである。


「あそこは元々我々の領土だ! この侵略者どもめ、『他国の悪を掃討する』などと美名を掲げながら、侵略戦争を正当化するための口実を探しているだけだ!」


兵士たちの愚痴を聞きながら、リンスランス・AK・オルファキは細長い地下通路をふらついていた。彼の補助式機甲は深刻な損傷のために危険な赤い光を放っており、爆発のリスクを顧みず、無理やり外殻を弾き飛ばすと、中から特工服が露わになった。


地元の中立実体酒場に潜り込んだリンスランスは、腕をカウンターに置き、天井を見上げて言った。


「いつも通り、燃酒を一杯。」


「どんな味にする?」


「怪奇鼠味(かいきそあじ)で~」


「…………」


ポニーテールを結ったその酒場の女性店員は彼を一瞥した後、カウンターの下のボタンを押すと、リンスランスの背後にある閘門が自動的に閉まった。


リンスランスは左腕を上げ、隣の丸椅子に座った。電子タバコを取り出して火をつけようとしたところで、店員がその電子タバコを彼の手から抜き取った。


「おい、またかよ、BV。」


「店内は禁煙だ。AK、お前は査察に来る人間が足りないと思っているのか?」


リンスランスは指を組み、腹の前に置き、落ち着いて言った。


「室外機で外に排出すればいいだろう。今は戦火の真っ最中だ。硝煙に紛れた煙なんて誰が調べるんだ?」


「特工として、その自覚すら持てないとは、バクロフさんがどうしてお前を気に入ったのか分からないな。」


「君の言う通りだ。俺には特に優れた特工能力はない……ならばバクロフさんが俺を気に入ったのは、多分俺がイケメンで、悪人に見えにくいからだろうな~」


「私の目には、お前はチンピラと変わらない。」


「B~V~、そんなこと言われると傷つくなぁ。でも、そう言うってことは、俺の隠れ方が上手いって証拠だろ~」


「厚顔無恥……」


「そうだ、今日手に入れた極秘情報だ。」リンスランスは特工服に貼り付けた不可視の書類袋を取り出し、牛皮紙のような色合いがカウンターの上に現れた。「どうだ、俺も結構役に立つだろ。」


「その中に手紙が一通入ってるだけじゃないか。本当に機密書類なのか?」


「君へのラブレターさ——」


リンスランスが言い終わる前に、彼は首を横に振ってBVが突き出した折りたたみナイフをかわした。それには湯気が立っており、明らかに彼女が長い間温めていたものだった。


「本当に無情だな、小BV。」その特工は首を振り、深く残念がった。


「ふざけるな……AK、用が済んだら出て行け。」


「ちぇっ、分かったよ~」


リンスランスはゆっくりと立ち上がり、酒杯を手に取り、一気に口に流し込んだ。


「やっぱり、烈酒は一気に飲み干すのがいいな。注射で摂取するよりずっと爽快だ!」


「全く……」


BVはAKが隣の不可視エレベーターに乗り込むのを見送り、手袋を使ってその手紙を開いた。電動ペンで書かれた字は非常に整っていた。だが、あのAK特工の取り柄はせいぜいその程度だ。少なくとも彼女の目にはそう映った。


「ブルルルルル……」


エレベーターが下降し、隠し部屋に到着したリンスランスは足場板の上に立ち、天井から突然現れたカメラの検出と、脇の複数の哨戒機関銃の監視を受けた。瞳孔スキャンと透視検査を経て、それらの銃はゆっくりと持ち上がり、天井内に再び格納された。


[身分認証成功]


「次に偽装する身分は荷役員か?」


リンスランスは独り言をつぶやきながら、武器庫の機械アームが差し出した特工用手拳銃を特製のベルトに差し込んだ。解読カード、特製注射剤――身につけられる小物は全て詰め込んだ。次の任務では、キンストラン市の軍事基地に潜入し、所定の任務を完遂する。


「そう言えば、あの[夏隱子(かいんし)]も隠密型の殺し屋だ。[零之切割(ゼロ・カッティング)]に続いてもう一機軍用類人機(ぐんようるいじんき)を送ってくるとは、SEUは本当に我々を追い詰めるつもりか? だが、俺は金をもらって仕事をしているだけだしな……」


噴霧台の上に立ち、リンスランスは両腕を水平に伸ばした。台上の円形天板が彼の特工服を、まるでスプレー塗装のように隙のないスーツに変えた。この社会では誰もが体裁を気にするため、普通の荷役員でも服装はきちんとしていなければならない。


彼は襟を整え、エレベーターに戻り、酒場に戻ってあの店員とまた口論でもしようと思った。


「これで十分にかっこいいだろ?」彼はエレベーターの扉に近づき、扉の反射で自分の顔を確かめた。リンスランスは手ごたえを感じていた。


(ロウェイナン、政府会議庁)


「…………」


今回の会議に参加する五十余名は、ほとんどが約国(やくこく)の将校と政治家だった。会議は極秘であり、記者や他の関係者は会議庁に入ることができない。また、全ての撮影・監視機器は会議終了まで強制的にオフにされた。


「[零之切割(ゼロ・カッティング)]様、あなたのご要請は詳細に承りました。聖石(せいせき)遺跡坑(いせきこう)地域をSEUの管理下に移転すべきか否かにつきまして、現時点では実行不可能と判断いたします。」


零之切割(ゼロ・カッティング)は長机の最も奥に立っていた。彼の隣に座る政治家たちも沈黙し、多くを語ろうとしない。彼は相手の話を聞き終えても、一切の反応を示さなかった。


「なぜなら、我々政府は聖石(せいせき)遺跡坑(いせきこう)が依然として戦争の影響範囲内にあると判断しております。また、その地域はまだモティス偽死軍(ぎしぐん)から奪還されておらず、通常の解体作業を保証することは困難です。」


「…………」


「さらに、あなたが以前に約氏星(やくしせい)上で70686.5平方キロメートルの土地を破壊したことにより、科学アカデミーの精密な試算によれば、あなたはその地域を完全に移転することはできず、少なくとも十三分の一の残留地を失う可能性があります。」


「終わったか?」


零之切割(ゼロ・カッティング)は冷静に言った。


「もちろん……もし反論がおありでしたら、会議にはまだ十分な時間がございます。」


「まず、お前が間違っている点を一つ訂正してやる。」


零之切割(ゼロ・カッティング)は左右を見渡し、顔を上げて言い放った。


「俺がいつ、お前たちに何かを『要請』したと言った?」


傲慢な語尾を引きずりながら、零之切割(ゼロ・カッティング)は自らこれらの高官たちを軽蔑し始めた。周囲の衛兵たちはその態度に長銃を構えたが、それが彼に全く効かないことは明白だった。


「銃を下ろせ。我々の言葉遣いが悪かった。」


ジョリナ・ヤクシ大統領が右腕を軽く上げると、武装警備員たちは銃を収め、周囲の各種武装防御システムも床に収納された。[零之切割(ゼロ・カッティング)]は、その一言でいかに他人を見下しているかを思い知らせた。


「実に退屈だ……」零之切割(ゼロ・カッティング)は首を微かに傾げ、その紅い双眸を大統領に固定した。「お前たちの中に、自らの条件を直接俺に告げるだけの能力を持つ者はいない。口先だけで俺を脅そうなど、お前たちに何の資格がある?」


「資格?」


シャオファンアル長官は、濃い茶色のオールバックヘアを揺らし、[零之切割(ゼロ・カッティング)]の威圧に全く動じなかった。机の下で足を組み、その片眼鏡には鋼鉄の巨獣の姿がくっきりと映っていた。今、約国(やくこく)には、この好き放題な怪物と渡り合えるだけの精神的強靭さを持つ人物が必要だった。


「零之切割(ゼロ・カッティング)様、SEUがあなたを追及するかどうかは別として、私たちはあなたにこの星を混乱に陥れてほしくはありません。あなたの行いには、良い面も悪い面も、得も損もあります。我々の条件は、SEUからの直接援助と、ペステルガン武装公司(ぶそうこうし)への圧力です。《星間協力法案》に従えば、SEUと直接的な利益関係にある星文明や国家は、本質的に同盟国間の正当な関係です。我々が求めているのは、あなたというSEU派遣の強者が、相互の利益のもとで立場を確認してくれることです。」


「なるほど……」零之切割(ゼロ・カッティング)は斜めに彼を睨み、ほとんど敵に対する視線をその身に浴びせた。「よく言えたものだ。」


「当然です、[零之切割(ゼロ・カッティング)]様。もしあなたが約氏星(やくしせい)を破壊すれば、あなたにも我々にも何の利益もありません。SEUはあなたを処罰し、同時に我々の文化はこの世から失われます。SEUの主要代表者であり、あなたの上司でもある歅涔(えんしん)様は、あなたの行動を決して見過ごしにはなさいません。」


「お前はもう十分に喋った。」


零之切割(ゼロ・カッティング)が視線を戻すと、シャオファンアルは一瞬固まった。


なぜか、彼は零之切割(ゼロ・カッティング)が首を振ったあの一瞬に、真の殺意が込められているように感じた。


「では、会議は続けられるとしよう。」


数秒後、雰囲気は多少和らいだ。ほんの少しだが。


「[零之切割(ゼロ・カッティング)]様、我々軍は解体工事に協力できます。しかし既に述べた条件をあなたの能力で解決できるとしても、あの四体の[特体(とくたい)]と情報の欠落が深刻な障害となります。」


「あの四体の特体(とくたい)は、俺に敵わない。しかし彼らは時間を稼ぐことができる。その一点において、俺はお前たちと協力する必要がある。」


(「当たりだ……彼の需要を突いた!」)


「要するに、移動作業中に、あなたはあの四体の特体(とくたい)の注意を引く者が必要なのでしょう?」


「その通りだ。俺が不測の事態に費やす時間は貴重だ。一秒たりとも、価値のない奴らに浪費するつもりはない。」


「我々軍にはあの四体の特体(とくたい)を牽制できる力があります。ユリアン将軍が率いる前線部隊は、それだけの資格を持っています。彼女の部隊は幾度となくモティス偽死軍(ぎしぐん)に大打撃を与えてきました。彼女の指揮能力は我々軍でも屈指の天才です。」


「彼女はどこにいる?」


「彼女は前線部隊を指揮しているため、この会議庁には参加しておりません。」


「俺が直接会いに行く。今すぐ軍の通行証権限を用意しろ。もしお前たちが協力する気があるならな。」


「それはもちろんです。」


[零之切割(ゼロ・カッティング)]と話すには、彼の考えを読み違えれば大きな亀裂や衝突を生む。しかし、うまく掴めば、会話は滞りなく進む。


しかし、何か意図的に仕掛けようとしているのか、零之切割(ゼロ・カッティング)には別の考えがあるようだった。彼にとっては、会議を早めに終わらせつつ、約国(やくこく)政府に強い印象を残すために、絶対的な一手を用意している。誰もこの会議の両者が互いに誠実だとは思わない。SEUは結局は中立秩序組織であり、零之切割(ゼロ・カッティング)自身も、いわゆる忠誠心に対して偏執的な感覚を持つことは決してないと自負している。


「[零之切割(ゼロ・カッティング)]様、あなたはペステルガン武装公司(ぶそうこうし)内に頼れる勢力は何もありません。あなたが強者であっても、協力者は必要です。ペステルガンはあなたを孤立させています。しかし我々約国(やくこく)軍に来れば、我々の支援はペステルガンよりも明らかに大きいものになります。」


「断る。」


「断る理由は?」


「お前たちは結局この星の強権国家主義に過ぎず、彼(ペステルガン)はただ資本主義の汚らわしさを付け加えただけだ。皮肉なことに、彼の目障り度はお前たちと大差ない。」


「では、あなたの覇権主義はどうなのですか?」


「俺が誰かに批判されることを気にしたことは一度もない。」零之切割(ゼロ・カッティング)は断固として言い放ち、結晶瞳孔の積層板が微かに下がった。「覇権主義と言われようと、強者の思考・弱肉強食と言われようと、構わない。俺がここに来て何か間違ったことをしたとは決して思わない。お前、シャオファンアルの言うことは、お前の態度であり、俺が認めるかどうかとは無関係だ。」


(「この野郎……本当に傲慢だ。」)


「では、先ほどの話題を続けましょう、[零之切割(ゼロ・カッティング)]様。あなたは協力者を必要としないのは、あなたが強いからです。しかし他の事柄では、協力者が実際に多くを成し遂げられます。」


「お前たちはまた勘違いをしている。」


「お聞かせください。」


「それは、俺がいつ協力者を持たないと言ったのか、ということだ。」零之切割(ゼロ・カッティング)はジョリナ・ヤクシ大統領の隣に立つツライナを見つめ、深く言った。


「[夏隱子(かいんし)]、出て来い。」


すると、大統領の隣に立っていた秘書が一歩前に出ると、全身がまるで別人のように変わり、上から下まで透けるような長髪の女性へと幻化した。


「まさか! ということは——」


「その通りだ。お前たちが気づかぬうちに、俺は[夏隱子(かいんし)]をお前の側に潜ませていたのだ、大統領——」零之切割(ゼロ・カッティング)は再び周囲の突出した武器装置を見渡し、不遜に鼻を鳴らした。「お前の秘書は既に執務室の書棚に閉じ込めてある。今頃、彼女に仕掛けた隐身装置は効力を失っているはずだ。」


夏隱子(かいんし)は音もなく零之切割(ゼロ・カッティング)の傍らに歩み寄った。この約国(やくこく)政府に潜伏していた軍用類人機(ぐんようるいじんき)は、誰一人としてその異変を察知できなかった。これはもはや恐怖ではなく、約国(やくこく)の政治家たちに自らの政府機構への疑念すら抱かせるに至った。彼らはSEUの権威ある人物を過小評価しすぎていた。そして[零之切割(ゼロ・カッティング)]の言うことは全て事実だった。


「会話を続けよう――今のところ、俺はまだこの会議に興味を持っている。」

絶対的な強者と、その傲慢さ。交渉ってやつを教えたのは、一体誰だ?

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