表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
毎日  作者: 青山えむ
3/4

第3話 パン

ガラス張りの扉からなかを見てみる。

紹介されていた推しパンは二つだけ並んでいた。

私の前のひとたちが買ってしまったらどうしようと思いつつ他のパンも見てみる。


少ししたら私の番が来た。

お目当てのパンは残っていた。

どうやら在庫は後ろにたくさんあるようだ。 なんだ。

チョコの入ったデニッシュパンも注文する。

あとはおいしそうな見た目のパンを注文した。

とりあえずこのくらいにしよう。

おいしかったらまた開店に来よう。


外は寒いけれど私の心はホクホクしていた。

売り切れ必至のパンをゲットできて私の気分は高揚していた。


自慢したくてすぐにSNSに写真をアップした。

話題のパンの写真。

本文は、雨雲が近づいているみたいだと入力した。

パンの写真にパンと書いてもおもしろくない気がしたので違う事象を載せてみた。

ハッシュタグをつけてすぐに投稿する。

話題のパン屋さんなので地元のひとからすぐにイイネがつく。


雨が降ってきた。雨雲レーダーは的中した。


パンは思ったほどおいしくはなかった。

いや、期待値が上がりすぎたのだろうか。

冷静に味わってみても、それほど自分の好みではなかった。


私に残った満足は、SNSにアップした事実だけだった。

私はおいしいとは思わない少し高いパンをただ、むしゃむしゃと食べていた。


なんだかがっかりだった。

これならあの屋台のほうがインパクト、あるかな。

私は先ほど撮ったスマホの写真を開いてみた。


たくさんのお面と鈴。誰も気づいていない風景。

これをSNSに載せようか迷っている。

電柱の看板に住所が記載されていないかチェックする。

位置情報が漏れるのは抵抗がある。


よく見ていたら、ひとが写っていた。

お面の陰になっている。あの男ではないか。

撮ったとき、どうして気づかなかったんだろう。

お面に紛れてしまっていたのか。


私はなにを思ったのか、男の顔を拡大してみる。

口になにかをくわえている。

細長い…指か骨のような。ゾッとした。

いや、チキンの骨だろうか。そうだろう。屋台だし。

チキンの屋台なんて、あったっけ?  いや、屋台じゃないんだ。

落ち着け、自分。

いや、あの建物のなかで調理しているのかもしれない。


じゃああの男は、屋台の関係者だったってこと?

落ち着け、全部推測だ。


ピコンッ。通知音が鳴る。

⚪︎⚪︎さんからメッセージが届きました。

誰だろう。知らない名前だった。

あのパン屋さんの投稿を見てコメントを送信したのだろうか。


写真も送られてきた。見覚えのある風景。さっき見たばかりの風景。

なんだろう、この落ち着かない感じ。

写真をタップして全景を表示する。

先ほど行った屋台だった。そこに、私がいる。

建物を見に行こうとした瞬間だろうか。

一体誰が? いつの間に?


コメントを読んでみる。

「雨が降る地域をコメントするのは危ないですよ。先ほどの雨雲は狭い範囲でしたので居場所が特定されてしまいますよ。あと、怪しいですね。この建物に不法侵入しようとしているように見えますね


なんだろう、これは。

あの男だろうか。雨雲?

雨雲の範囲は特定できたとして、どうして私のSNSが分かるのだ?







評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ