3.マンティラ
ここから、康介視点となります。康介の気持ちが直接書かれています。
「さて、行くか。よろしくな、お前ら。」
僕は神戸たちに声をかける。どうして、神戸なのかまた今度マンティラ神に聞いてみよう。
エンジンをかける。さすがは新型車といったところか、キーを挿してエンジンを掛けるのではなく、ボタン式だった。これからは、こういう車が増えていくのだろう。いやしかし、これは老人臭かったか。
「えっと、転移・・・っとあった。マスターどっちに行きますか?」
どっちとは、マンティラと地球か。
「そりゃもちろん、ラルエットの方だな」
「わかりました。」
新神戸が器用に指を使い、”ラルエット”の項目を選ぶ。
すると、車の周りが光りに包まれ、その光が収まると、景色がまた別のガレージに変わっていた。
「へぇ、便利なものね」
パディントンが言う。こんな口調なのね。
そういえば、地球神が倉庫があるって言ってたな。後ろに移動してみた。すると、冷蔵庫のようなものが2つ積んであった。1つ目を開けてみると、どうやらこれは普通の冷蔵庫のようだった。冷気が漂ってくる。
2つ目を開けるとそこには、タブレットが設置されていた。どうやらこれが倉庫の端末らしい。ちょっと見てみると、食料や服、歯ブラシやタブレットなどなど、日本の大型ショッピングセンターで買えるものは大体揃っていた。さらには、銃やC4、防弾チョッキまでもがあった。
「これはすごいな。」
「見たこと無いものがいっぱいあるわね」
「ねぇ、神戸これ何?」
新神戸が手にしているのは、USBハブのようだった。そんなものまであるのか。
量もかなりあるようなので、当分は買い物はいらないと思う。
ふと、自分の服装を見てみると、寝間着だったので、何か服を探してみることにした。なんかかっこいいのが良いなぁ。
スーツなんてどうだろう。こっちの世界にはなさそうだし。
「へぇ、似合ってますよ」
「ありがとう、神戸」
「不思議な服ね。もうちょっとカラフルでもいいと思うんだけど」
「俺の世界じゃ、こんな服のやつらがたくさんいるぞ」
「うわっ、なんか、つまらなさそう」
「いや、カラフルな人もいるから」
なんだか、愉快な仲間たちだな。
と、少しは身を守る道具も必要だよな。
スーツの下に着たシャツの上から、ショルダー式のホルスターをつけて、拳銃としても、小さめのサイズである、ワルサーPPSを入れた。
新神戸たちに渡す武器に関しては、あとで考えることにしよう。
とりあえず、これから何をすれば良いのかを、マンティラ神に訊くことにしよう。
さっき、地球神と話したスマートフォンを取り、連絡先を確かめると、ちゃんとマンティラ神の電話番号が入っていた。
ともかく、話を聞かないといけないので、電話をかけることにする。
何度か、コール音がしてから、マンティラ神は電話に出た
『もしもし、無事についたかね』
「ええ。無事にマンティラへつきましたよ」
『まずは、そこから出てリルという人物を探してくれ。力を貸してくれるはずだ。」
「何者なんです?そのリルって人は」
『いやいや、普通の人間さ。本当にな』
「まあ、いいでしょう。で、どこにいるんです?」
『それは、まあ自分で見つけてくれ。』
「調べられないんですか?」
『悪いが忙しくてね』
「はあ。わかりました。」
『じゃあ、頑張ってくれ』
電話が切れた。
もうちょっと、サポートしてくれてもいいと思うんだけど。まあ、たしかに神戸たちを従者としてくれたので、十分なサポートなのかもしれないな。
「さて、みんな。”リル”という人物を見つけて、協力を仰ぐ事になった。」
「そのリルさんという人の居場所は?」
「マンティラ神が自分で調べろと」
「まったく、適当なやつね」
「とりあえず、このガレージを調べよう」
車から出た。ガレージにはガソリンや予備のタイヤ、スパナなどの工具類がおいてあった。整備できる自身は無いが。
壁際に置かれた、作業机に紙がおいてあった。
《この家は、むかし大介君が使っていた、マンティラ側のセーフハウスだ。これからは君の所有物となる。好きに使え。この家は、特別製で、地球のものとほぼ同じだ。電気はもちろん、水道、ガス、通信なども地球のものとつながっている。
もちろん、この家はほぼ壊れない。魔法耐性も上げてある。
もう一つ、同じものを地球の兵庫県神戸市にも建築してある。大介君は神戸が好きだった。君の従者の名も彼がつけたものだ。あいにく、俺にはネーミングセンスと言うものがなくてね
そちらの方も、同じ装備が施されている。好きに使え》
なるほど。父さんが使ってた家なのか。とりあえず、家に入ろう。
家を調べてみた結果、この家は日本では一般的な家のようだった。クーラーも付いているし、インターネットもつながっている。このマンティラでは重要な拠点となってくれるだろう。
さて、拠点の探索を終えたら、リルという人物を探さなければならない。




