あとがきなど
※単なるあとがきです。無論のことネタバレ満載。
人物ごとにまとめて、裏話や裏設定を紹介したいと思います。
・更科千歳
いつの間にやら天然属性。洒落のように考えた名前でしたが、妙に暗示的になっていました。
ぼんやり淡白な主人公。独特のテンポをもつこともあり、母親と死別してからはあまり人と深いかかわりができていませんでした。
長いこと遠い親類縁者の家を転々としていたため、最初は窈の申し出に対しても「またか」と心のどこかで思っていましたが、色々なことを積み上げる中で能動的に「家族になりたい」と思えるようになっていました。結局ああいう結末になりましたが。
確定を避けることで真偽判定を保留できるため、彼はあまり断定的な口調を使いません。地の文も彼寄りにしてしまったので、曖昧な言い回しが多くなったように思います。
・鬼無里窈
やりすぎると途中でボロが出るかも、でも出ないわけにはいかない、という葛藤の末の影の薄さ。ヒロインなのに。良い子は扱いにくい(待て)。だからこそ予定通りに動いてくれた子でもあるのですが。
コンセプトとしては、成長に伴う犠牲。彼女自身の成長には犠牲を伴わなかった、という意味でも。
内に抱えていた葛藤に対して、穏やかで癖の無い優しさを持つ。そんな《獏》でした。
・リヤン
正体不明の使用人。彼女が紅っぽいのは趣味です。
窈を飴とするなら鞭と位置づけた筈ですが、単なるやりたい放題になっているような。
多分言うまでも無いですが、人外です。千歳《獏》編を書くことになれば、その辺に触れざるを得なくなるのでしょうけれど。
・羽咋零
思考ヒント役その1、あとクールビューティ枠(作者としてはツンデレのつもりはありません)…というだけのはずだったのに、この物語への噛みようは何でしょう。
彼は夕夜を規格外扱いしていますが、彼もスペックは高いです。美形で頭も良くて大体のことはソツなくこなせるって少女漫画のヒーローかよ!と那智にツッコミを入れさせたかった。
第2話の補足などで薄々お気づきかもしれませんが、彼も異能者です。ただ、彼の異能はどちらかといえば戦闘向きのものなので、この物語では出番がありませんでした。ついでに彼のヒロインも出番がありませんでした。
・槐夕夜
思考ヒント役その2。補足でも書きましたが、元々は別の物語の主人公として生まれました。別の話で再登場したらよろしくお願いいたします。
今作のメインとサブは性別を意識して書いているほうが少ないですが、筆頭が彼女。
異能者ではありませんが、特殊な体質です。そのために幼い頃は病弱でよく生死の境を彷徨っていましたが、それを“魔法使い”に救われました。今では割と健康体に近いですが、未だに“魔法使い”たちと交流があります。まともな人生送れない人ではありますが、だからこそこの物語における時間は彼女にとっても平穏だったのだろうと思います。
・支倉那智
初登場は零より早かったのに、ちゃんと名前出るのにだいぶかかりました。第一図書室になかなか行ってくれないんですもの。
感性は普通だけど浮世離れしているクラスメイト二人にも対応できる、という辺り、多分作品中一番器が大きい子。ついでに彼がいると会話内容が少し若返るので、そういう意味でも凄く貴重。
喜雨神社の宮司の息子。しかしホラーやオカルトが苦手。本当は言及したくてしょうがなかったんですが、冬という作中の季節柄出せませんでした悔しい。ちなみに初期設定では彼の登場は考えていませんでした。
・尼崎澪
第1話の“眠り姫”。一切喋ってませんが。
内向的ですぐ溜める→溜め過ぎる→突発的な行動に、という、典型的な『普段大人しい人ほど怖い』タイプ。
ちなみに報酬は彼女のもっていた指輪でしたが、ちょっと怖いことになりかねませんので深読みしないでください。
・仙波いりな
第2話の異能者“ラプラスの悪魔”。その後めでたく再登場。
準ヒロインといえなくもないかもしれません。ちょっとませた感じの、普通に健康的な女の子が書きたかったのです。
多分将来的には千歳の押しかけ助手。
・佐橋当麻
第3話に出て来る《紡屋》の跡取り。珍しい生真面目な大人。
第5話で再登場してもうちょっと話に噛む予定だったのですが、リヤンに喰われて終わりました。このままじゃあんまり不遇なので、機会があればまた出番を、と考えています。
・布引真白/布引緋色
第三話の双子兄妹。
緋色は、気が優しくて控えめだけど、内気というよりは自信が薄いタイプ。真白はそれを勿論の事知っていて、その劣等感を強く刺激しないようにフォローしつつ、けれど追いつかれないようにと日夜頑張っていたわけです。それを思うと、多分これが兄妹にとってはどちらかといえば良い方向性をもった現状打破だったんだろうなあと思います。
第3話は他と比べてタイトル由来が分かりにくかったのではないかと。ラストでもう歪めなくても良い、歪められなくても良い兄妹が、童話『雪の女王』にて最後に悪魔の鏡が目から抜けるカイに対応します。また、彼らが第5話に出て来るという案もあったんですが没になりました。リヤンさん色々喰い過ぎです。
・若狭夏野
第4話に登場する記憶喪失の大学生。
第4話は矛盾や二律背反が裏テーマでした。記憶を消す職人を訪れる記憶喪失者、というわけで彼自身がまず矛盾。
・宗像紗々
第4話に登場する女性。
千歳が恋愛感情を知らないので、彼らの恋愛事情に対してはほとんど口を挟めませんでした。一歩間違えたら昼メロな彼女の行動については賛否両論あるとは思いますが、彼女は彼女なりに苦悩したのです。恋は免罪符にならない、という言葉がそれを示している、つもりです。
・西宮七重
第1話の尼崎澪の友人にして、第4話の依頼人。再登場の意外どころ。
ちょっと強気で神経質な優等生。もう少し書き込んでみたかったです。
タイトルの“ラプンツェル”は、作中その名で呼ばれる紗々でなく、彼女を指します。泣かないけれど、王子様(夏野)を信頼して飛び込むほうを選んだ決意の少女、という意味で。
・更科千月
千歳の母親。故人。柔らかい御伽噺を手放せなかった人。
千歳は彼女について饒舌にならないので、彼女が何を偽っていて何をしたか、ということは、作中では明確には触れていません。
第5話の“鎖”とは千歳の、母に関する罪悪感と窈の隠し事に対する知らないふりの二つの意味を持ちます。ちなみにタイトルはある童話の一節から。




