↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
珠巡り  作者: 桜咲 雫紅
一章 兄妹
PR
27/108

風の記憶

美優の過去です。小さい頃からお茶が好きだったんですね~。美優ちゃんを書いてるとなんだか作者(わたし)まで穏やかな気持ちになれます。


(改)と表示されてますが、全て誤字脱字の修正などです。内容は変わってません。


では二十六話をお楽しみください。

風が吹いた


鮮やかに色づく季節を告げる、温かい風が・・・








――――出会いは、美しい夕日が差し込む桜吹雪の中だった。



「ねぇ、そのお茶美味しいの?」


初めて彼女と出会ったのは庭の桜の木の下だった。丁度桜吹雪が綺麗だったので一夜とお花見を兼ねてお茶を飲んでいると、突然上から声が降ってきた。上を見上げると紅玉色の瞳がじっとこっちを見ていた。天空家特有の紅い瞳。でも、今まで見た中で一番澄んでいて、綺麗だったのを覚えている。


「おいしいですよ。あなたものむ?」


「んー、もらう!」


ひょいと屋根から下りてきたのは自分と同い年ぐらいの少女だった。着地と同時に下に舞い落ちていた桜がふわ、と浮き上がる。桜に包まれた少女は髪に桜の花びらをつけながらこちらへ歩いてくる。


見た目は活発的な女の子。少女は初対面の美優に対し屈託(くったく)のない笑顔を見せた。それは美優が初めて見た同年代の子供の笑顔だった。


「あなた、菊地家のひとでしょ。ひとみが翠(みどり)だし。となりのこも、ね。あたり?」


お茶を飲みつつそう言われ、美優は穏やかな笑みで答える。


「はい。わたしは菊地 美優といいます。よんさいです。どうぞよしなに」


「ぼッぼくは・・・菊地 一夜といいます・・・。よっよよよろしくおねっ・・・おねがいします」


妙にどもりながらも自己紹介をする気弱そうな少年、一夜。少女は不思議そうな顔をしながら湯飲みを美優に返し、名乗る。


「わたしは天空 桜。よろしく。ともだちになろうよ。おないどしのともだちすくないんだ、わたし」


「もちろん。わたしでよければ」


「う・・・うん」


二人の返事を聞いた少女は花が咲くように笑う。その時塀の向こう、道路の方から彼女を呼ぶ声が聞こえ、少女は慌てて自分の身長の倍はあるであろう塀をよじ登る。結構身軽だ。


「あえてよかった。またお茶のみにくるね、みゆうちゃん、いちやくん」


最後ににこっと微笑み塀の向こう側に消える。塀の向こうで桜が「紅兄~、龍兄~、ここだよ~」と叫んでいる声が遠くなっていく。


「おもしろい子だったね」


「そっ、そうだね・・・」


桜吹雪の中突然現れた少女。その少女が自分の運命を変えてくれたのだ。そしてその前に一人の少年が自分の世界に色をつけてくれた。


「菊地 みゆうさんですか?ぼぐっ、ぼくは菊地 いちっ・・・一夜といいます。よっ、よろしくおねがいします」


初めて会ったのは縁側(えんがわ)でお茶を飲んでいるときだったはず。顔を向けると気弱そうな少年が強張りまくった顔で恐る恐るこちらの反応を窺(うかが)っていた。美優は数回瞬き、なるべく優しい声音で頷く。


「そうです。よろしくおねがいします」


そうしないと目の前の少年が一目散に逃げ出しそうだったから。なんて言うか・・・小動物、みたいな?


微笑を浮かべれば、少年もおずおずと笑みを浮かべてくれた。その後妙に気が合い一日中縁側で話していた。これまで同年代の子と話したことなどなかった美優にとっては嬉しかった。


菊池家はじじば・・・じゃなかったお爺さんやお婆さんが多いのだ。したがって子供も少ない。美優に一番近い年の人は二十六歳の人だ。話せる訳もない。では父、母と話してればよかろう、と普通は思うだろう。


美優の母は体が弱く、子は産めないだろうと言われていた。それでも子がほしいと望んだ美優の母は、なんとか美優を産んだ。だが、そのせいでか体調を崩し、一年前まで寝込んでいた。今は立ち上がれるほどまで回復したが、一日の三分の一以上寝たきりの生活。


父は父で美優の相手をする暇がないのだ。三珠総合病院の院長をしている父には。


美優はずっと一人ぼっちだった。それは幼い少女にとっては苦痛だった。そこに一夜が現れ、話し相手になってくれたのだ。嬉しくない筈がない。そして、桜の登場で美優の世界は更に広がる。


それは、白い雪が溶けて花が咲くように、とても鮮やかに。


「美優ちゃん。美優ちゃんもようちえんいっしょにいこうよ」


美優は“地の珠”の正統継承者として宝物のように扱われ、幼稚園に行かせてはもらえていなかった。桜は一夜と同じ幼稚園に行っていて、それが少し羨(うらや)ましかった。その矢先にこう言われた。


「でも・・・」


「いいから。わたしのとうさんが美優ちゃんのおとうさんにいってくれたの。そしたらいいって」


「ほんとうに・・・」


嬉しかった。そんな美優を見て悪戯(いたずら)っ子のように瞳をきらめかせた桜が小声で付け足す。


「一夜くんもわたしといっしょに美優ちゃんのおとうさんにおねがいしたんだよ。つっかえつっかえだったけどね。カッコよかったよ」


「一夜くんが・・・」


あの気弱な少年が父に掛け合ってくれたのか。弱いながらも真っ直ぐな深緑の瞳を思い出し、思わず笑みが零れた。このときから思ったのだ。自分も彼らの力になりたいと。


「いこう」


手を引っ張られ転びそうになる。初めて行った幼稚園は新鮮だった。なにより、楽しかった。


「あしおそ~。じゃま」


生まれてこのかた外で遊んだことはおろか運動したことすら皆無(かいむ)だった美優に、いじめっ子共は的を絞った。


「なわとびもできねぇのかよ。ダッセ」


大声で笑われ帰りたくなったのは今でも覚えている。それ以上に悲しくて悔しくて涙が零れそうになった。その時だった。


「おい、いまわらったのだれだよ」


聞き覚えのある声が聞こえる。顔を上げると一夜と桜が今大声で笑った奴らを睨みつけていた。


「だれだってきいてんだよ」


いつもは弱々しい深緑の瞳が強い感情を孕(はら)んで揺れ、一夜が低い声で再度問う。こんな彼は見たことない。


もしかして・・・怒ってる?


驚きのあまり美優はおろかいじめっ子共も一瞬気圧され黙る。隣で面白そうに口角を上げていた桜が無言で指を鳴らす。


「はっ、なんだよおまえら。そのダメダメのともだちか?」


ダメダメというのは当時の美優のあだ名だ。二人は同時に答える。


「「ともだちじゃない」」


美優は耳を塞ぎたい気持ちになった。そうか、二人も。その思いが黒雲のように胸中に広がったとき、二人は続ける。


「「しんゆうだ」」


美優ははっと顔を上げる。二人は美優の視線に気付き、振り返ってにこっと笑う。その笑顔が眩しく思えた。


「たとえ美優ちゃんがわたしたちのこといらいになってもはなれていっても」「ずっとぼくたちは美優ちゃんのしんゆうでいるから」



風が吹いた


鮮やかに色づく季節を告げる、温かい風が・・・


冷たい凍土を溶かしてくれる、包み込むような日差しと共に



――――あの言葉がどれだけ心の支えになったか、きっと二人は知らないだろう。



「ありがとう」


嬉しさのあまり涙が零れ落ちた。二人は困ったように笑い合い、いじめっ子共を追い払う。


「もうなかないで。ぼくらがいるから」


不器用な手つきで美優の髪を撫でながら一夜が告げる。桜はそんな二人を微笑ましそうに見て、ふと視線を流すと顔の前で手を合わせる。


「ごめん。ちょっと外す」


すぐ戻るから、と言い残して桜が走り去っていく。どうしたのだろうと首を傾げていると、幼稚園の外から桜の声が聞こえてきた。


「邪魔。ぼさっとすんな」


何かを蹴り倒す音も聞こえる。喧嘩らしい。美優と一夜は互いに顔を見合わせて笑いあう。


ここまではよかった。だが後日この事が災いとなり、事件が起きる。


「お前か、おれの弟達を泣かせたのは」


小学校四・五年の男子五人が突然幼稚園の正門を抜けてきた桜達を睨みつける。桜ははぁ、とため息をつき棒読みの口調で長々と続ける。


「だれ?すみませんがわたしはあなたのようなやせーじはしりません。もしかりにあっていたとしても、あんたたちみたいなやせーじをきおくするきはこれっぽっちもありません」


以前天空家の誰かが言っていた台詞を真似て冷たく言い放ち足早に立ち去ろうとする。が、その男子の後ろからこの前美優をいじめた奴と、龍護(りゅうご)を嘲笑(あざわら)っていた奴が顔を覗かせたので厭(あ)きれたように再びため息をつく。


「またか。じぶんじゃかてないからっておにいちゃんにたよる?」


「うっ、うるさい。兄ちゃん、やっつけて」


「おねがい!」


「任せときな」


男子達が桜を囲み、ニヤニヤ笑う。気持ちの悪い笑みだ。ふぅ、と短い息をついた桜は頭をかいて微苦笑を浮かべる。降参の笑みではない。むしろ、真逆。好戦の笑みだ。


「いいよ。きなよ」


大勢相手の喧嘩は初めてだが、何事も初めはつき物。今までの経験を生かすにはもってこいだ。だてに毎日しごかれているわけではない。


「桜ちゃん?」


「美優ちゃんっ」


「兄ちゃん。こいつらもだ!」


「そうか」


まずはこいつからと思ったのか、または近かったからか知らないが、美優目掛けて持っていた石を振り下ろす。ほぼ同時に飛び出した桜が手を伸ばす。


しかし、この距離じゃ間に合わない。



ガンッ



「なんだ、おまえ」


「一夜くん!」


男子と美優の間に割り込んだ一夜の額から血が流れている。今の一撃で脳震盪(のうしんとう)でもおきたのか、打ち所が悪かったのかはわからないが、美優に覆い被さったままずるずると崩れ落ちていく。美優は口元を押さえながらハンカチで額を押さえる。そのハンカチもみるみる赤く染まっていく。美優の心を恐怖が覆っていく。このままいなくなってしまったらどうしよう。一夜がこのまま目覚めなかったら・・・。


「そんなのいやだよ」


涙で滲んだ視界。嫌だよ、起きてよ。心の中で呼びかけていると、駆け寄ってきた桜が一夜の手首を掴み、これだけは覚えておけと叩き込まれた知識で脈を測ると美優の翠玉(すいぎょく)色の瞳を覗き込む。


「へーきだよ。ねてるだけだから、ね。なかないで?」


おそらく今ので頭が揺れてしまったのだろう。額(ここ)は傷のわりには血が結構出るのだ。それは自ら既に体験済みだ。


「き・み・た・ち、おれらのいもうととそのともだちになにしてくれてんのかな」


顔を向けると前方に紅斗と龍護と真夜(まや)、後方に恭哉が仁王立ちになっていた。いつの間に来たのだろうか。


「あ゛ぁ、なんだてめぇら」


いじめっ子の兄は螢斗達を睨みつける。龍護は彼の後ろにいるいじめっ子を見つけ、あぁと口の形だけで呟く。そして螢斗と真夜に耳打ちしていく。二人の背後に怒気が立ち上る。いったい何を囁いたのか。


「「消えろ」」


「ぎゃ~」


哀れ。いじめっ子の兄は一生忘れられない悪夢を見ることになるだろう。当然の報いだが。




「あの日から守るためなら出来ることをするって決めたの。もうあんな思いをしたくない」


迷いのない言葉と共に棒をしまう。愁いを帯びた瞳がそっと伏せられた。


彼女の覚悟を見届けた緑と芝が音を立てずかき消えた。









何度も鳴り響くぶつかり合う金属の音。唸りを上げて迫ってくるブーメランを力任せにはじき飛ばした真夜はわずかな時間を稼いで紅斗に向かって怒鳴る。


「あんた、自分の妹にむかって何してるのよ!」


「妹?誰のことだ?」


心の底からの紅斗の言葉に走り出した桜の表情が瞬時に凍りつく。兄がいなくなってから彼女を支えていた彼との思い出に亀裂が入る。攻撃を仕掛けようとしていた恭哉と怒鳴った真夜が驚いたように紅斗を見る。


「俺に妹なんか・・・っ」


言葉の途中で頭を押さえる。なんだ?頭が・・・。



――――それが代償だ。



心臓が不自然に拍動し、違和感を訴える。この声、どこかで聞いたことがある。だが、思い出そうとするとそれを禁じるように余計に頭痛が酷くなる。何かが足りない。その正体を知ろうとすればするほど頭痛は酷くなる。得体の知れない違和感を感じながら紅斗は頭を押さえた。


「桜のことだけ、忘れたのか」


「記憶喪失の類なら・・・桜、『再生と死滅』の力試してみな」


黙然(もくぜん)と兄を見つめる桜の瞳が大きく揺れる。



あなたの記憶の中に私がいないのは、それが大切ではなかったからだろうか


いや、それでもいい


そうだったのだとしてもかまわない


たとえ、その心に欠片も私がいなくても――――



「うん」


生きていてくれた。死なないでいてくれた。手の届くところにいてくれた。


今はそれだけでいい。その事実さえあれば、私はまた膝を折らずにいられる。


生きていてさえくれれば、もう一度あなたと笑い合える日が来るという希望が持てる。



自分が覚えている。あなたと過ごした時間も、笑顔も、大切にしてくれた事も、だから――――。



「援護、頼むよ」



そこに自分がいなかったら。最初からやり直せばいい。


いつかもう一度、その目に私を映してくれるまで。



気を静めるように深呼吸をする桜の体を薄桜色のオーラが覆う。それと同時に彼女の顔に苦痛が露になり、脇腹からじわりと血のシミが広がる。今まで無意識に異能で出血量を抑えていたのだろう。


痛みを振り払うように頭をふり、恭哉を見上げる。合う前に目を逸らされ、そんな態度にイラッとして桜は一気に距離を詰め、頬を両手で掴むと強引に自分の方を向かせた。


「あんたのせいで私は死にかけたッ」


鋭く息を呑み、大きく身を震わせたのがわかった。紅い瞳が今にも泣きそうなほど歪(ゆが)む。その顔をさせたのが自分という事実に一瞬怯んだが、気を張って見返す。


以前、思ったことがあった。彼は十分苦しんだのだからこれ以上責める必要はないと。だが、そうではないのだということも桜にはわかっていた。


「亜衣莉(あいり)に操られてやったってことは知ってる」


ろくに血止めもしていない傷口から生暖かい血が滴る。押し寄せてくる激痛に意識が飛びそうになるが口内の肉を噛みちぎって無理矢理引き戻す。今言わないでいつ言うんだ、とふらつく己を叱咤して剣呑(けんのん)に目を細めた。


「だけど、あんたがその手で私を刺した事は事実だ。誰がなんと言おうと、この事実は誰にも変えられないし、変わらないし、変えようとも思わない」


「・・・ッ・・・・・・・」


押し黙る恭哉に桜の感情を読ませない淡々とした言葉がさらに突き刺さる。


「たとえ恭哉の意思じゃないとしてもだ」


恭哉は目を閉じる。


わかっていても、改めて突きつけられた恭哉の罪は彼の胸を深くえぐる。他の誰でもない、自分が刺して殺しかけた桜の言葉は、刃でその身を切り刻まれるより深く、彼の心をこれ以上ないほど打ちのめす。


「私にはおそらく、恭哉を責める権利がある」


意識してゆっくり息をし、恭哉は震える声を振り絞った。


「あぁ、そうだ」


感情全てを押し殺したような声が渇いた唇から出る。まるで他人の声を聞いてるみたいだ。


「俺がお前を殺しかけた。そのことは決して忘れない」


一呼吸置いて続ける。


「赦(ゆる)して欲しいなんて言わない。そんなこと言えるはずがない、わかってる」


語尾が震えた。それに気付き、必死に震えを押し殺す。


言うんだ。今までずっと、言えなかったことを。

向き合えなかった過去と、向き合え。


「それでも、ちゃんと謝らないといけないと、思うんだ。どんなに言葉を並べても、足りないことなんてわかってる。・・・・・それでも・・・俺は・・・・」


ここまできても決定的な言葉が喉の奥で絡(から)まって出てこない。言わなければと思うのにそれだけが音にならない。


他の何を言っても、ダメなんだ。今言わないと、いけないのに。なんで。


「・・・・桜・・・・俺は・・・・・・・俺・・・は・・・」


口元を片手で覆い、恭哉はひくりと息を呑む。不意に頬から桜の手が離れた。恭哉は目を開ける。


紅玉色の瞳が、何の感情も映さずに彼をまっすぐ見つめていた。


それは、初めて会ったときと何一つ変わらない――――


ずっと目を閉じていたから桜がどんな顔をしているかわからなかった。だがそこにはきっと怒りや憎しみがあるだろうと。そう思っていた。だから怖くて目を開けられなかった。


言葉を失う恭哉に、桜は静かに告げた。


「私は恭哉を信じてる」


はっと目を見開く恭哉に桜は全てを赦すようなひどく優しげな笑みとともに緩く首を傾ける。魅せられたようにその笑みを見つめ返す紅い瞳が潤み、眦に熱が溜まる。


「ずっと、信じてるよ。だからね、気にするなとは言わない。背負えとも言わない。償えなんて言わない。ただ、囚われるのはやめて。過去は過去。現在(いま)の私は他でもない、恭哉の前にいる。それでいいじゃん」


どうしてこいつは、こんなにも優しいのだろう。


優しくて、温かくて、その言葉は、心は、いつも俺を引き上げてくれる。


それはこちらが手を伸ばすのを躊躇うほど尊いモノなのに、お前が何の躊躇いもなく差し出してくれるからつい受け取ってしまう。


ホント、お前は俺にとっての光だよ。


「恭哉、援護お願い」


「任せとけ」


いつもどおりに戻った恭哉に微笑みかけ、桜は走り出す。じっと二人を見ていた紅斗がゆったりとした動作で鎌を構え、切っ先に炎を纏わせると彼女を迎え撃つ。


それを、どうにか大地を振り切った真夜の青い炎が相殺(そうさい)し、恭哉が第二撃を繰り出そうとしている紅斗に太刀を振り下ろす。


一瞬出来たその隙に紅斗の右側に走り込みんだ桜が彼の頭に手を置く。


「この人の記憶を戻して・・・」


切望(せつぼう)の声音と共に異能を解放する。どっと疲労の波が押し寄せてくるが、唇を噛み締めてそれを堪えていると、紅斗の瞳が徐々に大きく見開かれていくのが見えた。比例するように桜の頭の中に彼の記憶が流れ込んできた。

螢斗さんは桜のことを思い出してくれるんでしょうか?


そして何故螢斗さんは桜のことだけを忘れてしまったのか。


次回は螢斗さんが桜のことだけを忘れてしまった原因について書きたいなと思っています。では次回。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。