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救急車を呼ぶのは3回目だけど心臓バクバクしちゃった話  作者: 夏目 碧央


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7/11

東京マラソンの後で

 翌朝早く、東京マラソンのボランティアをしに出かけた。考えてみたら参加できるかどうか怪しかったのだな。もし次男が病院に行ってなかったら、どうなっていたことか。入院してくれたから、むしろ安心して参加できた。

 例年より暑く、給水ボランティアはとても忙しかった。楽しかったし、たくさんの仲間と会えて嬉しかった。活動後に近くのお店で打ち上げがあった。前もって参加で出していたし、参加できない理由もないので参加した。こちらも楽しかった。

 夕方5時には抜けなければ、と思っていたらその前に終わって、ちょうどいい時間に病院の最寄り駅に着いた。いや、最寄り駅と言えるのかどうか怪しい。

 地図アプリのナビに従って、住宅街をうねうねと進んだ。辺りは暗くなり、近くの街灯までは見えるものの、その先が見通せなくて怖い。けっこう疲れているのに、ここで23分歩いた事は私にとってはオーバーワークだった。

 病院には無事に6時過ぎに着いた。次男は元気そうにしていた。私を見て、

「来たんだ?」

と、驚いていた。

「夕方来るって言ったよね?」

と言うと、言ったけれど連絡がないからと言っていた。確かに、何時頃に着くというメッセージをいつも送るのに、今日は送っていなかった。

 やはり椅子がなく、ベッドの端っこに座った。次男は薄いパジャマに着替えていた。私が昨日持って来たやつだ。今日の私の話をし、もらってきた物(試供品)がそのまま今あるので、それを見たりした。だが、食べ物を見せたらいけないと思って、あまり奥まで見なかったので、本当は顔や体を拭いてさっぱりするシートももらって来たのに、それを見せられなかったのは後から思えば残念だった。お風呂に入れずにいて、更に髭茫々になっている次男に、そのシートを使わせてあげれば良かった。

「明日お風呂に入れるって。」

と次男が言った。それで、私が昨日T字剃刀を持って来てあったが、出来れば電動髭剃りを持って来て欲しいという事だった。その他、あれこれ持って来て欲しい物を言われたので、スマホのメモ帳にメモした。

「あ、ミルクレープどうした?」

次男が思い出して言った。

「食べたよ。お父さんも手伝ってくれて、昨日食べ切った。」

と言うと、

「良かった。」

と次男が言った。それから、

「モニターを元に戻しておいてくれると……ありがたいんだけど。」

と遠慮がちに言った。

「あー、あれね。無理なのよね。」

あの時、倒れた直後に何とか起こしたのだが、起きた状態にとどめておけなかったのだ。

「出来たらで。」

と言うので、後で長男に頼んでおいたのだが、了解したにもかかわらず忘れてしまったようで、次男が退院するまでそのままだったのであった。

 それにしても、私が飲み会の匂いをさせていたら申し訳ないと思っていたのだが、そんな事よりも今、周りのベッドの人たちが夕食中で、その食べ物の匂いがきついと言っていた。それはつまり、食べたくなってしまうという事だ。喉が渇いた~とも言っていた。点滴しているから体には足りていても、口が乾くからね。気の毒だ。

 管が早く取れたのは、いつも遠慮がちで思った事を言えない性格の次男が、今回は頑張って主張したからだと言っていた。そうやって徐々に大人になっていくのだね。 やはり管が入っていた最初の夜は全然眠れなかったそうだ。だから、管が取れた翌日には、ぐっすり眠っていたという事だ。私が来ても気づかないくらいに。

 30~40分で病室を出て、バスで帰宅した。次男が脱いだモコモコパジャマとパンツを持って帰った。マジで疲れた。大した事ないようでも、この次男の入院は私の体に確実にダメージを与えるようで、首や肘が痛いのが加速したのだった。


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