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路傍の石  作者: マグガネ


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第三十九話

昨日はああ言ったが、今日は配信を休もうと思っている。


最近、ゲームに熱中しすぎていて、視野が狭くなっている気がしていた。


だから、一度ゲームから少し離れて考えることにした。


まずは、これまでのことを整理していく。


この一連の流れは、レベルの上限に達しても進化できないことから始まっている。


そこで、住民が冒険者、特に高レベルの冒険者を見ると表情を曇らせることに気づき、この調査が始まった。


そして、住民への検証の結果、高レベルのプレイヤーに対する反応と、進化について皆が同じように答えを濁すことを確認した。


視聴者の情報で、この地域の領主について知った俺たちは、その情報を持って面会に行き、住民側が受けている被害と、領主の冒険者に対する考えを聞くことができた。


一方的な情報を信じるわけにはいかなかったので、実情を確認することになった。


結果、一部の冒険者が住民に迷惑をかけていることは本当だった。


だが、その迷惑をかけている冒険者の多くには共通点があり、黒い装備を身につけ、烏の紋章を持つ冒険者だということに気づいた。


その黒装備の連中は、住民への嫌がらせをしたり、「NPCを信用するな」と新人に吹き込んだりして、両者の関係を悪化させるような行動をしていた。


そいつらを調べていくうちに、進化の条件を知っているらしいという事実を得た。


住民と冒険者への聞き込み結果を領主に報告すると、その中で、一定以上の身分を持つ貴族なら進化の条件を知っているという話も出てきた。


視聴者によれば、貴族には上位貴族と下位貴族という区分があり、上位貴族であれば進化の条件を知っているのではないか、という仮説が立てられた。


そして、サン社員の機転により、隣のリーン伯爵が話題に上がった。


視聴者によると、その伯爵は上位貴族だという。


そこで、一連の流れからクエストが発行された。


【クエスト:陰謀を暴け】


最近、この町と周辺地域で、冒険者と住民の間に不和が生じている。


その裏で何者かが暗躍している可能性がある。


原因を調査し、陰謀の全容を明らかにせよ。


そこで俺たちは、これまでの推測を確かめるため、隣にあるリーン伯爵領へ調査に向かった。


そこで見た黒装備の連中は、住民と良い関係を築いていた。


住民と領主の関係も良好らしかった。


さらに、新しい情報も得られた。


黒装備の冒険者は、この町が解放される前から武器を準備していたということだ。


そして、その注文を持ってきた人物が、リーン伯爵家の紋章入りの短剣を持っていた。


そのつながりを確かなものにするため図書館で調べてみたが、リーン伯爵は昔から冒険者を支援していたらしく、その一環で優遇していたと言えなくもなかった。


結局、黒装備の連中とリーン伯爵のつながりははっきりしないまま、それ以上分かることもなく、俺たちは始まりの町に戻ってきた。


始まりの町に戻って数日。


何の進展もなく、しびれを切らした俺たちは、黒装備のやつに直接聞いてみることにした。


すると、あっさりと詳細を教えてくれた。


黒装備のやつらは、クエストを進めるために、冒険者と住民の関係を悪化させていたらしい。


そして、その過程で進化の条件を知ったらしい。


だが、その条件を口にしようとした瞬間、黒装備のやつは消えていなくなった。


ここまでをまとめると、こんな感じか。


こうして見ると、俺って視聴者に頼ってばっかりだな。


特に、サン社員と炎児、それに日出夫には世話になっている。


何か返せるものがあればいいんだが……。


いや、この調査をやりきることが、彼らへの恩返しになる。


だから、しっかりやり遂げないとな。


そんなことを思いながら、俺は久しぶりにゲームから離れ、ゆっくりと時間を過ごした。


……そういえば。


ふと、あることが頭に浮かんだ。


【クエスト:陰謀を暴け】


原因を調査し、陰謀の全容を明らかにせよ。


俺たちは、このクエストを黒装備の連中を調べるためのものだと思っていた。


でも――。


このクエストには、一度も黒装備の連中を調べろなんて書かれていない。


「……あれ?」


そもそも、俺たちは何を調べているんだ?

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