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路傍の石  作者: マグガネ


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第二十七話

『今の反応どう思う?』


俺はコメントに書き込んだ。


『明らかに何か知ってるだろ』


『まさかって言ってるから、なんか心当たりはあるんだろうな』


『「そんなはずはない」ってどういう意味だ?』


『そこだよな』


「先ほどの『そんなはずはない』というのは、どういう意味でしょうか?」


そんなことをコメント欄で考えていると、サン社員が直接、領主に問いかけた。


「……少々驚いただけだ」


「黒い装備の冒険者が進化について知っていることが、ですか?」


「そうだ」


「なぜでしょう?」


「それ以上は答えられん」


どうやら領主は、この話題から話をそらしたいようだった。


『ジカン カセグ カンガエテ』


サン社員からコメントがあった。


このゲームは目視でも文字の入力ができるので、それを使ったのだろう。


「では、もう一つだけ確認させてください」


「なんだ?」


「黒い装備の冒険者について、領主様はどこから情報を得ているのでしょうか?」


『サン社員が時間稼いでる間に考えよう』


『そうだな。さっきの情報から進化は一部しか知らないってことだよな』


『いや、一定の身分以上って言ってたな』


『じゃあ貴族か?』


『貴族も含まれているとは思う。でも貴族にも色々な種類がある。すべて知っているかとなると微妙だと思う。それと、身分っていうことだから、ギルド長や商会長みたいな立場の人間だったら知っている可能性もある』


『日出夫いないか?』


『いるよ~(´・ω・`)』


ちょうどよく日出夫がいた。日出夫は前に、この領主をはじめ貴族に関することを知っていた。今回も何か知っていることがないか、聞いてみたかった。


『前に貴族について知ってる感じだったよな。この国の貴族制度ってどうなってるか知ってるか?』


『まあ大体は(´・ω・`) 基本的にヨーロッパにあった序列と同じで、公爵、侯爵、伯爵、子爵、男爵に分かれてるよ~(´・ω・`) この中で上位と下位があって、上から伯爵までが上位貴族で、そこから下が下位貴族ってことになるみたい(´・ω・`) あ、あと王族はこの貴族の上の存在ってことになってて、市民から武功を立ててもらえる騎士爵ってのもあるみたい(´・ω・`) 市民は功績を立てても子爵が限界だって(´・ω・`)』


『この町の領主は確か侯爵だったよな?』


『じゃあ、上位貴族は知ってるってこと確定か?』


『とりあえず日出夫の話から、上位貴族は知ってるって仮定しとくか』


『いったん貴族はここまでにして、ギルド長ってどんなやつ?』


『筋骨隆々で見た目通りの脳筋だな』


『でも義理に篤いし、国を裏切るなんて真似はできそうな人間じゃないな』


『可能性は低そうだから、いったん置いておくか』


『商会長も同じ感じで候補から外せそう。この町にもでかい商会があるけど、国御用達の太鼓判をもらってるし、何より儲かってるから不義理はしなそう』


そうなると、やはり貴族の中に何か鍵があるのかもしれない。


「領主様、この周辺を治める貴族についてお聞きしてもよろしいでしょうか?」


サン社員が、良いタイミングで聞いてくれた。


「……なぜ、それを聞く?」


「私たち冒険者は強いモンスターとの戦いを求めています。そのため、遠出をすることもままあります。その際に他の領地にお邪魔するかもしれません。そこで、その地の領主様に何か失礼があってはいけません。ましてや、お名前を存じないなんて、もってのほかです。なので、ご教示願いたいのです」


「……隣の領主はリーン伯爵という」


一瞬だけ、領主の言葉が止まった。


『今、なんか間があったな』


『言うのをためらった?』


「リーン伯爵とおっしゃるのですね。伯爵ということは上位貴族ということでしょうか?」


「そこまで調べているのだな。確かに、上位貴族だ」


「ということは、リーン伯爵も進化について詳しいのでしょうか?」


いや、そんな情報はなかったはず……。


そうか! サン社員はカマをかけたんだ。


「そんなはずは……。貴様、私を試したな?」


「いえ、領主様と同じ上位貴族であるなら、お詳しいのかと思いまして質問してしまいました。気分を害されたのなら、謝罪いたします」


「……そうか」


『おい、今の反応』


『明らかに想定外だったって感じだな』


『今の反応、リーンってやつに何かあるんじゃないか?』


「……お前たちは、その黒い装備の冒険者たちを調べているのだな?」


領主が神妙な顔で聞いてくる。


「はい、領主様からの命で調べましたが、同じ冒険者として、見過ごすことはできません」


「ならば、一つ頼みたいことがある。黒い装備の冒険者について、もう少し詳しく調べてもらいたい」


そのとき、サン社員の目の前に画面がポップした。


そして、同じタイミングで俺の目の前にも画面がポップした。


画面にはクエストが表示されている。


【クエスト:陰謀を暴け】


最近、この町と周辺地域で、冒険者と住民の間に不和が生じている。


その裏で何者かが暗躍している可能性がある。


原因を調査し、陰謀の全容を明らかにせよ。


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