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路傍の石  作者: マグガネ


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第二十五話

今回、サン社員の活躍でかなり重要な情報を得ることができた。


だが、それ以上に気になる言葉がいくつもあった。


「それじゃあ、これから得られた情報の検討をしていきたいけど。その前にみんなサン社員に感謝しよう」


『せやな、サン社員ありがとう』


『サンキュー』


『マジでいい仕事してくれたわ』


『いえ、皆様のお役に立てたのなら本望です』


「危ない目に遭わせてしまって、ごめんな。もう少しちゃんと考えるべきだったのかもしれない。でもありがとうサン社員。それじゃあ、情報を整理していくけどいいか?」


『OK』


『頼む』


「話していた内容は、住民への嫌がらせと進化についての話だった」


『うん』


「その中でも俺が気になった発言としては、『俺達みたいなやつ専用』『進化の条件』『規律』っていうところが引っ掛かった。まずは『俺達みたいなやつ専用』って発言について考えていきたいけどいいか?」


『いいね』


『俺達って、俺たちプレイヤーのことか?』


『いや、黒い装備のやつらのことじゃない?』


『そうだよな。あの発言だけだと、どっちか判断できかねるよな』


俺達という言葉から、単に装備や職業ではないように思えるが、結局断定はできない。まだ推測にすぎない。


「まぁ、特定のプレイヤーだけが利用できる何かがあるって推測が一番の候補かな」


『そやね。じゃあ次は本命の進化についてかな?』


『あの軽そうなやつがこぼしたやつな』


「ああ。進化そのものは確実に存在するってのは、断言してよさそうだね」


実は、一部のプレイヤーの間では、あまりにも次の進化への道が見えないので、まだ実装されていなくてアップデート待ちであるといった情報がにわかに噂されていた。


『でも、進化の条件って結局何なんだ?』


『さぁ? 黒装備のやつらは何か知ってるだろうけどねぇ』


『教えてくれるわけないよな』


「そうなんだよね。その条件が一番重要なんだけどねぇ」


サン社員のアーカイブを見直してみる。そこで気づいた。


「あっ、そういえば。『進化の条件、もう結構満たしてきた』って言ってたよな? あと最初の方にも『条件のため』ってNPCの反応を見るとか何とか」


『うん、言ってたね』


『あれ? じゃあ住民が何か関係してんのか?』


「もしかしたら、そうかも。これが複数ある中の一つなのか、これが唯一の条件なのかまだ分からないけど、住民との関係と進化には何かあると思っていいかもしれない」


『そうなると、あいつらがNPCに嫌がらせしているってなんかおかしくね?』


『そうそう、進化したいなら関係良くして教えてもらうんじゃないの?』


「いや、あいつらは『NPCと仲良くしてたら俺達の邪魔になる』って言ってたぞ」


『じゃああいつらはわざと嫌われてたってこと?』


『それなら今までの行動も説明がつくな』


『店の商品壊したり、住民脅してたのもじゃあ……』


「嫌われるためって考えると、辻褄は合いそうだな」


『でも、なんで好き好んで嫌われようとしてるんだ? 明らかにデメリットの方が多いだろ』


「それが条件なんじゃないか?」


『進化の条件に住民との関係を悪くするって言うのがあるのかもしれないね』


「……」


そうなると、町で聞き込みをしていた時に聞いていたことも納得がいく。


「もしそうだとしたら、あいつらが新しく来た冒険者に『NPCを信用するな』って言ってたのも納得できる」


『冒険者とNPCが仲良くなったら、自分たちの進化条件が満たせなくなるからか!』


『だから邪魔になるって言ってたのか』


「たぶん……そういうことなんじゃないかな」


この考えは、かなり筋が通っているように思える。


しかし、この考えも少ない情報で出した推測だ。


正解だと言い切るには少し弱い気がした。


「でも、そうなるとまた最初に戻っちゃうけど『俺達みたいなやつ専用』って発言が気になってくるな」


『あー、あれね』


『住民に嫌われることが条件なのは黒装備の奴らだけってことか?』


「そこまでは分からない。でも、少なくともあいつらは普通の冒険者とは違う何かを知っている可能性が高い。最初と二つ目の件については区切りがいいのでここまでにして、それじゃあ最後の『規律』って発言について考えてみるか」


『規律って簡単に言えばルールがあるってことだよな』


『なんかこういう固い言葉を聞くと軍隊とかそんな関係のことを想像してしまう』


『むしろそれなんじゃね? あれって明らかになんかの組織でしょ』


『全員黒装備で烏の紋章も共通している。明らかに何かしらの集団だよね』


「少なくとも、個人が好き勝手にやっているというより、何かしらの集団として動いていることは明白だと思う」


これまでいろいろなことを話してきて、いくつかの推測ができたのでまとめていく。


「それじゃあ、ここまでの内容で分かっていることをまとめていくと……」


「あいつらは何らかの進化条件を知っていて、それを満たすために住民と冒険者の関係を悪化させようとしている。そして、そのために同じ目的を持った集団で行動している。って言うのが今のところの推測かな」


『簡単に言ってるけどヤバくね?』


『単なる迷惑プレイヤーじゃなかったってことか』


「……そうだな」

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