第1章 エピローグ
今回は連載開始記念とイメージをつかみやすくするために、第1章を一挙投稿させていただきました! 第2章の準備には少しお時間をいただきますが、気長にお待ちいただけると嬉しいです。
任務のあった日の翌日の朝。今日は土曜日であり、高校もお休み。
朝食を食べるためみんな食堂に集まっていた。
ちなみに朝食の食事当番は陽菜の日であった。
テーブルの上には塩鮭と厚焼き玉子、ほうれんそうのお浸し、お味噌汁にご飯が並び、テーブルの真ん中にはお漬物と納豆のパックがおかれていた。
「陽菜の作ったご飯は相変わらず美味しいな」
漣が陽菜の作ってくれた厚焼き玉子を食べながらほめた。
「漣君のことを思いながら作ったんですよ」
ここでアイリスが口をはさむ。
「それを言うなら私達だっていつも漣のことを思いながら作ってるし!」
「みんないつもありがとな。俺も作るときにはいつもみんながおいしそうに食べてくれている姿を想像しながら作ってるから、同じだな」
そう言って漣は楽しそうに微笑むのであった。
その微笑みを見た4人は同じことを思ったのであった。
((((漣(君)のその笑顔はずるい))))
ーーー
朝食を食べ終わり、食後のコーヒーを飲む5人であった。ちなみに食事の後もしくは朝食時にコーヒーを飲むのは、朝食の内容にかかわらず毎日の決まりごとの様になっていた。
コーヒーを飲んでまったりとしている中、漣が口を開いた。
「みんな、昨日はお疲れさま。みんなが頑張ってくれたおかげで依頼も無事達成できた。そして月曜には報酬も振り込まれるだろう。そこで今回東京での初依頼達成を祝って夜は打ち上げを兼ねて食事に行かないか?あと報酬の8割にあたる40万は俺たち5人の活動資金として取っておくが、残りの2割はいつも通りみんなに均等に配るから、午後から駅前のショッピングモールへ行って、そのまま打ち上げを行うのはどうかな?」
アイリスがいの一番に答えた。
「賛成!」
「ゴホン。……そうですね。たまにはいいかもしれないですね」
アイリスに続き陽菜がわざとらしい咳払いを一つ挟み、澄ました表情で答える。これは嬉しいのを隠すときのいつもの陽菜の癖である。
そして、他の二人も同意したのであった。
「ちなみに何か食べたいものはあるかい?」
アイリスが勢いよく手を上げるとしゃべりだした。
「はいはいはい!私は断然お肉!そう焼肉こそ大和魂だよ!」
そんなアイリスを見て苦笑いする漣。
「ほかのみんなはどうだい?アイリスお勧めの焼肉でいいのかな?」
ここで陽菜が不満そうな顔をしながら答えた。
「私的には、イタリアンとかもう少しオシャレなものが良かったんですけど……。でもアイリスさんにイタリアンは似合わないかもしれないですし、今回は焼肉でいいですよ。その代わり……」
陽菜は途中で言葉を切ると、隣に座る漣の耳元でささやく。
「今度デートで私をイタリアンのお店に連れて行ってくださいね」
そう言うと耳元から顔を離し、はにかみながら微笑むのであった。
ーーー
朝食後、漣は自室で鍛錬と武器の手入れをして過ごす。
午後三時過ぎ、5人は部屋着から外出着に着替えて駅前のショッピングモールへとやって来ていた。
モール内に入ると、陽菜が漣に声をかけた。
「漣君には今日は私達のお買い物に付き合ってもらいますから、覚悟してくださいね」
「お手柔らかに頼むよ」
微笑みながら答える漣であった。
漣にとっては彼女たちと過ごすこうした時間は息抜きであるのと同時に、彼女たちの日頃の不満などを吐き出させるためのメンタルケアの時間でもあった。だから漣は長時間かかる彼女たちの買い物にも、嫌な顔一つせずに、優しくエスコートするように付き合うのであった。
5人が雑貨や可愛い小物を置いているお店に入った際、アイリスが可愛らしい猫のキーホルダーを見つけた。
カラーバリエーションは10色あり、その中には狙ったかのように「黒・水色・赤・紫・緑」の5色が含まれていた。
「ねえねえ、みんな。見て見て!この猫のキーホルダー、私たちの色が全部そろってるよ。これってもう運命じゃない!みんなでそれぞれのカラーを買って鞄とかにつけようよ!」
朧も賛成する。
「あらいいじゃない。特に猫って私達にぴったりな感じがするしね」
ここで漣が動く。
「それならみんなの分も含めて俺が買うよ。それでみんなで付けようじゃないか」
「ありがとう漣君。愛してるわ」
そう言って、漣のほほに「チュッ」と口づけをする朧であった。
ーーー
一通りモール内を回った5人は、漣が予約した駅前の焼肉店へとやって来ていた。
お店の名前は「ゴールデンカウ」という食べ放題をやっていない少しだけ高い焼き肉専門店であった。
「さすがは漣君。なかなか落ち着いたいい雰囲気のお店ですね」
陽菜がこの店を選んだ漣をほめる。
「実は霧雨先生においしいお店がないか聞いたら、このお店を教えてくれたんだよ」
素直に真実を話す漣であった。
席に着いた5人は乾杯のためにまず最初に飲み物を注文する。
漣はウーロン茶、陽菜と朧はジンジャーエール、アイリスはコーラ、螢はメロンソーダを注文した。
飲み物が届くと漣が乾杯の音頭を取る。
「昨日はみんなお疲れ様。これからも力を合わせて頑張ろう。乾杯!」
「「「「乾杯!」」」」
こうして楽しい宴が始まったのであった。
アイリスを筆頭に、カルビやハラミ、タンなどの王道からザブトンやランプなどの希少部位にいたるまで様々なお肉を注文していった。
そんな中、朧が螢のメロンソーダを見て話しかける。
「螢ちゃんは飲み物まで緑色を選ぶのね」
これに螢が表情を変えずに淡々と答える。
「私は日頃からよく端末などの画面を見て目を酷使している。だから目を癒す効果がある緑色の物を見て、さらに摂取することでさらなる目の疲労の回復を図っている」
「なんだかもっともらしいこと言ってるけど、本当はメロンソーダが好きなだけなんじゃないの?」
「………」
図星をつかれ無言になる螢であった。
こうして楽しい宴の時間は過ぎていくのであった。
今後どのような困難な依頼があるかわからないが、この5人であれば必ず成し遂げられると確信する5人であった。
第1章エピローグをお読みいただきありがとうございます。
『幼馴染の境界線』のアフターストーリーのために作り始めた作品ですが、すでに私にとっては大切な作品の一つとなっています。
第2章の開始には少しお時間を頂きますが、よかったら今後もお付き合いください。
お願い:この作品を気に入っていただけましたら、是非、ブックマーク&評価☆、感想をよろしくお願いします。特にブックマークの更新通知をONにしていただいて、第2章の投稿開始をお待ちいただけると嬉しいです。




