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恐竜王レクス 〜三万年後に目覚めた最強王族、人類の世界で冒険者になる〜  作者: Saaaya


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第四十一話 初報酬


 王都へ戻る頃には、夕日が街を赤く染めていた。


 ギルドの扉を開けると、中にいた冒険者たちが一斉に振り返る。


「あっ」


「帰ってきた」


「生きてたぞ」


「いや、あいつらが死ぬわけないだろ」


 そんな声が飛び交う。


 バルドは受付へ歩いていき、討伐依頼の報告書を机へ置いた。


「依頼完了だ」


 受付嬢は書類を確認する。


「魔獣の群れは解散」


「異常個体は無力化」


「人的被害なし……」


 読み進めるうちに、驚いたように顔を上げた。


「討伐していないんですか?」


「ああ」


 バルドは頷く。


「倒す必要がなかった」


 ギルド内がざわつく。


「魔獣を逃がした?」


「本当に大丈夫なのか?」


 バルドは振り返った。


「俺も最初はそう思った」


 静まり返るギルド。


「だが、あいつらは子どもを守っていただけだ」


「人を襲う理由はもうない」


 冒険者たちは顔を見合わせる。


 やがて一人が口を開いた。


「……ギルドマスターがそう言うなら」


 次々と頷く者が現れた。


 受付嬢も微笑む。


「依頼達成ですね」


 そう言って、革袋を差し出した。


「報酬です」


 ヴェルドが興味津々で中を覗く。


「おお」


 銀貨がぎっしり詰まっていた。


「これ全部か?」


「はい」


「パーティへの報酬になります」


 ヴェルドは袋を持ち上げる。


「結構重いな」


 ガイアも中を覗き込む。


「これで何日食べられる?」


 リリアは思わず笑ってしまう。


「また食べ物なんですね」


「重要だからな」


 ガイアは真面目な顔で答えた。


 レヴィアも頷く。


「美味しいものが食べたいわ」


 ティラは目を輝かせる。


「甘いものもある?」


「ありますよ」


 リリアが答えると、ティラは嬉しそうに笑った。


「楽しみ!」


 そんな様子を見ていた受付嬢も、思わず口元を緩める。


「なんだか……皆さん、本当に仲が良いですね」


 レクスたちは顔を見合わせた。


 ヴェルドが吹き出す。


「仲良しかぁ」


「昔なら考えられねぇな」


 レクスも苦笑する。


「そうだな」


 三万年前なら。


 こうして笑い合うことなど、ほとんどなかった。


 長い時を経て。


 ようやく肩を並べて歩けるようになった。


 その時だった。


 ギルドの扉が勢いよく開く。


 バンッ!!


 中へ飛び込んできたのは、一人の若い冒険者だった。


「ギルドマスター!」


 息を切らしながら叫ぶ。


「大変です!」


 バルドが表情を引き締める。


「どうした?」


「北街道で商隊が魔獣に囲まれています!」


「護衛していた冒険者も負傷して、このままじゃ街まで辿り着けません!」


 ギルド内の空気が一変した。


 バルドはすぐに立ち上がる。


「救援隊を編成する!」


 その声より早く。


 レクスが一歩前へ出た。


「その依頼」


 静かに言う。


「俺たちが受けよう」

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