表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
恐竜王レクス 〜三万年後に目覚めた最強王族、人類の世界で冒険者になる〜  作者: Saaaya


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
14/29

第十四話 手加減という難題


 冒険者ギルド訓練場。


 観客席には大勢の冒険者が集まっていた。


 登録試験だというのに。


 もはや完全に見世物になっている。


「始まるぞ!」


「ギルドマスター直々の試験だ!」


「新人ども終わったな!」


 歓声が飛び交う。


 その中心で。


 レクスたちは並んで立っていた。


 向かいにはギルドマスター。


 巨大な斧を肩に担いでいる。


「改めて言う」


 ギルドマスターが口を開く。


「俺はバルド」


 その名に周囲がざわつく。


 リリアも知っていた。


 結界都市アルマ最強クラスの冒険者。


 Sランク。


 討伐した魔獣は数知れない。


「新人の実力を見る」


 バルドは笑った。


「全力で来い」


 その瞬間。


 レクスたち四人が顔を見合わせた。


 沈黙。


 そして。


「無理だな」


 レクスが言った。


「無理ね」


 レヴィアも同意した。


「無理だ」


 ガイアも頷く。


「死ぬぞ」


 ヴェルドが真顔で言った。


 訓練場が静まり返る。


 バルドの額に青筋が浮いた。


「随分な自信だな」


「事実だ」


 レクスは平然としている。


 リリアは胃が痛くなってきた。


 だが。


 バルドは怒らなかった。


 むしろ笑った。


「いいだろう」


 斧を構える。


「なら手加減しろ」


 レクスは少し考えた。


「どのくらいだ」


「知らん」


 バルドが吠える。


「とにかく来い!」


 歓声が上がる。


 そして。


 試験開始の鐘が鳴った。


 カーン!


 バルドが飛び出した。


 速い。


 その巨体からは想像できない速度。


 観客席から歓声が上がる。


「速ぇ!」


「さすがギルドマスター!」


 だが。


 レクスは動かなかった。


 正確には。


 動く必要がなかった。


 バルドの動きが見えている。


 遅い。


 三万年前の基準で言えば。


 だが。


 人類としては十分に強い。


 その事実に少し驚いた。


 斧が迫る。


 そして。


 ガキィィィン!!


 轟音が響いた。


 レクスは片手で斧を受け止めていた。


 会場が静まり返る。


「……は?」


 誰かが呟く。


 バルド本人も固まっていた。


「なかなかだ」


 レクスは素直に評価した。


「人類としては強い」


 そのまま軽く押し返す。


 ドゴン!!


 バルドが十メートル以上吹き飛んだ。


 訓練場の壁へ激突する。


 土煙が舞い上がる。


 沈黙。


 完全な沈黙だった。


「軽くだぞ?」


 レクスが首を傾げる。


「嘘だろ……」


 リリアは頭を抱えた。


 観客席も凍り付いている。


 だが。


 土煙の中から笑い声が響いた。


「ははっ!」


 バルドだった。


 口元から血を流しながら立ち上がる。


「面白ぇ!」


 冒険者たちが歓声を上げる。


 まだ戦える。


 それだけで十分化け物だった。


 レクスも少し見直した。


「立つか」


「当たり前だ!」


 バルドは再び斧を構える。


「もう一度来い!」


 すると。


 ヴェルドが前へ出た。


「今度は俺な」


 嫌な予感がした。


 リリアだけではない。


 ギルド職員も。


 受付嬢も。


 全員が同じことを思った。


 絶対にろくなことにならない。


 だが。


 止める者はいなかった。


 いや。


 止められる者がいなかった。


 こうして。


 第二ラウンドが始まろうとしていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ