大好きなあなた 3
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……ドキドキするわ。
そして、とっても緊張するの。
シャルルはまず、お父様に帰還の報告をしてから、お邸に帰って来る。
わたしは朝から落ち着かなくて、そわそわしながらシャルルが帰って来るのを待っていた。
そんなわたしに、ジェラルドやレーヌ、デリクが気遣うような視線を向けてくる。
レーヌやジェラルドなんて、何度も何度も「いいですか。気をしっかり持っていてくださいね」なんて言うの。どういうことかしら? シャルルに会えた感動で、わたしが気絶すると思っているのかしら。
……気絶なんてしないわ。
ただ、とっても胸が苦しいだけよ。
シャルルのことが大好きなのに、わたしの心の中には、わたしを攫って閉じ込めたあの人もいるの。
あの人に、ファーストキスまで奪われちゃったわ。
そんなわたしは、どんな顔をしてシャルルに「おかえりなさい」を言えばいいの?
それに……。
もしも。
もしも、よ?
シャルルが浮気相手の女性を連れ帰ったらどうしましょう?
やっぱりこの女性と結婚したいから別れてほしいって言われたら、わたしはどうしたらいいの?
わたしを攫ったあの人が心に残っているわたしには、それを悲しむ資格なんてない。
だけど、やっぱり悲しいのよ。
「いいですか、エドウィージュ様。きっとすっごく驚くと思います。でも、マノンが術を解いてくれないから、わたくしたちにはどうすることもできません。頑張ってください」
レーヌがよくわからないことを言う。
シャルルに会って驚くの?
マノンの術って何かしら。
頑張るって言うのは、きっとシャルルに振られるから泣かないで耐えろってこと?
シャルルが城を出たという先触れをもらって、わたしはレーヌたちと玄関ホールでシャルルが到着するのを待つ。
マノンはわたしが抱っこしているわ。
普段は自由気ままに歩き回っているマノンだけど、どういうわけか、今日はシャルルのお出迎えをする気になったみたいで玄関まで出てきたの。
……もしかしたらマノンは、子猫の時にシャルルに助けられたことを覚えているのかもしれないわね。
だから、シャルルに会いたいのかもしれないわ。
馬車が、玄関前に停まった音がする。
緊張しながら待っていると、ガチャリと玄関の扉が開いた。
背の高い、フードをかぶった人がゆっくりと入って来る。
相変わらず、顔は見えない。
だけど、変な既視感を覚えるのはどうしてかしら。
シャルルは、わたしの前でぴたりと足を止めると、じっとわたしを見下ろしてきて――
「待っていてくれるとは、思わなかった」
そんな、妙なことをつぶやいたの。
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