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籠の鳥王女は愛されたいので好きにすることにした  作者: 狭山ひびき
籠の鳥王女と魔法使い

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まだ砕けていないので砕けに行きます 4

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 夜通し魔道馬車は走ったけれど、わたしはいつの間にか眠っちゃっていて、気が付いたときは朝になっていた。

 広い座面に横になっていたから、寝ちゃった後でレーヌが横にしてくれたのね。ブランケットまでかけてくれていたわ。ちなみに、わたしのお腹の上でマノンも爆睡していた。

 わたしが身じろぎすると、マノンも目をあけてくわっと大きく欠伸をする。

 レーヌとジェラルドは寝ていなかったみたいで、わたしがのそのそと起き上がると「おはようございます」と微笑んでくれた。


「もうすぐ町につきますから、そこで少し休憩にしましょう。食事もとらなくてはいけませんし」


 ジェラルドによると、魔道馬車は予定通りに進んでいるそうだ。

 普通の馬車と違って速いから、夜の間にだいぶ王都から離れたみたい。

 この先の町では、二時間ほど休憩するとジェラルドが言った。朝食をとって休憩するほかに、お昼ご飯を買っておくんですって。お昼は町や村には立ち寄らないから。


 町の馬車の停車所に魔道馬車を停めて、わたしはジェラルドにエスコートされて馬車を降りた。

 王都とはずいぶんと雰囲気が違うわ。

 人口は多い町みたいでにぎわってはいるんだけど、のどかな雰囲気もあるの。面白いわね。

 ジェラルドに案内されて、わたしたちは個室のあるレストランへ向かう。猫も大丈夫なんですって! よかったわねマノン!


 マノンは王都の外が珍しいのか、わたしの腕に収まってきょろきょろと顔を動かしているわ。ふふっ、耳がピーンってしてる。

 レストランで朝食のサンドイッチとスープをいただいたあと、デリクは魔道馬車で馬車番をするって言ったから、わたしとレーヌ、ジェラルドとマノンの三人と一匹で町を散策しつつ、お昼ご飯の買い出しに向かった。


 うーん! パンの焼けるいい匂いがするわ!

 町の大きな通りに面した店には、パン屋さんが何店舗も並んでいる。

 この近くで大きな町はここくらいしかないんですって。近くの村や集落からも買い物に来るから、お店がたくさんあるんだそうよ。


 お昼ご飯用のパンと、甘辛く味付けたお肉を焼いたもの、ドライフルーツに、サラダ、ジュースを買う。

 魔道馬車には魔道具の小型冷蔵庫が設置してあるから、あとでそこに入れておくのよ。

 買い物をしながら道を歩いていると、若い男女が腕を組んで歩いているのが見えた。


 ……デートかしら。いいなぁ。


 わたしはまだ、シャルルとデートをしたことがない。

 シャルルは浮気相手の女性とあんな風に腕を組んで町を歩いたのかしら。

 時折顔を見合わせて微笑みあいながら?

 わたしは経験したことがないのに、ずるいわ! 顔も知らないシャルルの浮気相手の人!


 シャルルと浮気相手のデートの様子を想像してちょっともやっとしたけれど、わたしは首を振ってマイナスな気持ちを振り払う。

 もしシャルルがわたしを好きな気持ちを思い出してくれたら、きっとデートチャンスはあるわ! わたしより浮気相手の方がいいって言われたらどうしようもないけれど、そんなのは当たって砕ける前に考えたらダメよ。落ち込むのなら、砕けた後にするわ。


 ……もし、わたしがシャルルとデートをするなら……。


 わたしは自分の気分を浮上させようと、シャルルと街デートをする様子を妄想して見た。


 シャルルは背が高いから、手を繋ぐよりも、さっきの男女みたいに腕を組んだ方がいいわよね。

 歩く速度はどうかしら?

 シャルルに合わせてわたしが早歩きをした方がいいかしら?

 それともシャルルがわたしに合わせてくれるのかしら?


 目につくお店に立ち寄って、例えば帽子とかをシャルルの頭に当てて見たりして、気に入ったものを買って帰るの。

 疲れたらカフェに立ち寄って、向かい合って座って、たまにケーキとかを食べさせあいっこしたり……してくれるかしら? 恥ずかしがって嫌がるかしら?

 公園とかを歩いて、本屋さんとかにも寄って、日が傾きはじめたら「もうデートが終わるのかしら」ってしょんぼりしたりするのよ。

 そして、シャルルがまた次の約束をくれるの。

 今度はオペラでも見よう、とか、お家でのんびりしよう、とかね。

 最後に別れ際にキスをしてくれて、またねって何度も振り返りながら帰るのよ。


 ……ああでも、わたしはもうシャルルのお邸に住んでいるから、デートのあとに別れなくていいのかもしれないわね。


 訂正するわ。

 デートが終わっても一緒にいられるから、今日は楽しかったねってお話ししながら邸に帰るのよ。

 帰った後もデートの思い出話に花を咲かせて、夜に部屋の前でお別れね。

 おやすみって、シャルルがほっぺにキスとかをしてくれるのよ。


 ……これだわ!


 これこそ、わたしとシャルルのデートよ! こんなデートがしてみたいわ!

 妄想で元気になったわたしは、この妄想を現実のものにするために、何が何でもシャルルの心を浮気相手からわたしへと取り戻そうと心に誓った。


「マノン、あと二日でシャルルに会えるわ。楽しみね?」

「けっ」




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