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狼獄の街に眠る灰花の夢  作者: kuro
あとがき
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あとがき

■改題案


「こどおじ青年を助けて逃避行したら何故か私が儀式のいけにえにされることに決まったんだけど」


配点:三点/百点満点中


理由:グレースがメインで動く主人公じゃないから




 いきなりわけの分からんボケをかましましたが気を取り直して。

 こちらはあとがきとなります。

 作品のネタバレを含む内容となりますので、まだ本編に最後まで目を通していない方はご承知おきください。


 まずは本作を読んでいただきありがとうございます。

 「狼獄の街に眠る灰花の夢」は無事に完結を迎えることが出来ました。

 この成果は本作に目を通していただいた方あってのことだと思います。

 つつしんで感謝申し上げます。

 さて、ここから先は本作の内容を振り返っていこうと思います。


■本作のテーマについて

 「怪物として生み出された主人公が、絶望の中から自分を拾い上げ再起する物語」というのが本作の掲げていたテーマでした。


 実際、ちゃんと貫き通せていたかというと……。

 形としてはやれてたと思います。


 前半の「怪物として生み出された」については、普通の人間との違いに対する葛藤(かっとう)や苦しみはあんまりない主人公だったわけですが、いきなりそこを前面に出す形でもないし、記憶喪失の設定と合わせて緩和(かんわ)は出来てたかなと。


 後半に関しては分かりやすく、一心に尽くしてくれるヒロインを実は自分の手で殺していました、それでも生きろ、っていう流れだったので、これはもう問題なし。


 ま、面白くやれてたかどうかは読者さんの評価が全てなので分かりません。HAHAHA。

 やろうとしたことはやれました。


■全体のモチーフに関して

 言うまでもなく北欧神話、特にフェンリル関連から引っ張ってきてます。


 とはいえストーリーの流れまで意識して真似したところはないので、あくまで神話関連の名称を盛り込んだ、ってだけです。


 なのでどっかで深読みされたとしても作者は「あ、そうなんだー」となります。


 でもどんどん深読みはしてください。楽しいよね。


■各キャラクターに関して


●エフリール/リフェール

 記憶喪失の主人公。モチーフは当然フェンリル。

 名前も、偽名、本名ともにそのままもじってます。


 すっとぼけた感じの性格にしたかったので、それっぽく動かしてたのですが、本編開始辺りではなんだかキャラクターがつかみづらい感じにもなってます。


 基本的に周りの言うことを聞く良い子ちゃん。

 父の命令にも理不尽だろうと従います。

 だけど最終的には反抗する。


 人の本質的な善性や悪性を察しており、そのおかげで父の行いが間違いだと気付いています。

 それでもグレースと会わなければ父の言うことを聞いてました。


 使ってる魔術は、なんとなくで作った物なので明確なモチーフはないです。

 とりあえず発音だけ(いん)を踏もうと思って基本三種類になりました。

 そのおかげでハティは出なかった。


 主人公ではあるけれど、同時に救われる対象でもあります。

 テーマがマイナスをゼロに近づけるタイプの物なので、実際リフェールはほとんど何も手にしてません。

 ちょっと精神的に成長しただけ。理不尽だなあ。


 余談ですが、これの構想作った辺りでちょうどグレイプニルっていうアニメが始まってました。

 何だろう。フェンリル的な因果が集まってた時期だったんだろうか。


●グレース

 ヒロインであり、実質もう一人の主人公。

 明確なモチーフは特になかったりします。


 名前もタイトルで語呂の良さそうな言葉を選んでる時に

 灰花→灰→グレイ→グレース

 って出ただけで、神話とは関連がないです。


 一心不乱にご主人様を救おうとしているだけの子。

 メイドになる前は両親に放任されてたので結構やさぐれてました。

 植物に関連した名前になったので能力もなんか花を生み出したりする。


 救えないヒロインという立場で、かつ主人公に逆に救済を与えるので、むしろやっていることはこっちが主人公。


 問題点として、いつ死んでいることを明かすか、というのがあったのですが、別に読者に知らせる分にはさっさと書いても問題ねえな?となったので割と早い段階から死人であることはバラしました。

 重要なのは主人公が殺したのを後から判明させ、そこに葛藤を生み出すことの方でしたし、ここもまあスムーズには出来たんじゃないかと。


 できればもう少し悪夢の前のリフェールとの交流描写があった方が深みが増したんだろうけど、テンポ悪くなるかなあと思ってカットしました。

 花を育ててる場面とか、空気を読まずにこの花嫌いとか言いに来るリフェールとか、予定はしてたんですが。


 色々ミスリード的なことも絡んでましたが、特に大どんでん返しなオチはないです。

 途中で、こいつがロキじゃねーの?みたいに作者も捻った話を考えそうになりましたがストーリーが壊れるのでやめました。


●カイル

 頼れる兄貴的、師匠的ポジション。

 モチーフはカーリ。風の言い換えとされる多分巨人の名前。


 グレースが主人公肯定係なので、その逆という感じ。

 以前の投稿作品で不遇にしてしまった風使いを強力にしてやるぜー、という思いがこもってたので、だいぶ無敵というか万能感がありました。

 でも死ぬ運命。容赦ない。


 正直、強くし過ぎた感もあって、どうやってリフェールを相方として認める流れにするかはけっこう悩んでました。


 結局、魔術は強力だけど体は普通の人間だから脆弱という弱点を付けて何とかしました。

 地形の奇襲要素も添えて、ぎりぎりそれっぽさは出たかなという感じ。


 弟の名前が出なかったのは手抜きではないです。

 自然に呼ばせたところであの辺のワンシーンでしか呼ばないし、主人公たちには伝わらないし、読む側も新しく名前出しても覚えるほどのポジションでもないし……ということであえて省きました。

 人物名を下手に増やすのは可読性が減る気はしてる。


 なんだかんだ、死んだ後も主人公とグレースを支えてたのでとても大きな役割のキャラでした。


●ロデュル/ステイン・クローカー

 主人公の父親で黒幕。

 モチーフはもちろんロキ。

 ロデュルはロキの別名。ステイン・クローカーはロキ、トリックスターのつづりからのもじり。


 選民思想がすごそうな人。

 日本人じゃないので、ノブレスオブリージュ的な思考を下地にしている側面もあります。


 本人は才能豊かな魔術師だったけど、ある時自分がどんなに魔道を極めても至高の存在、つまり頂点の神にはなれる器ではないと悟る。


 だったら代わりに頂点に立つ神を作って、それを自分が支配すれば完璧じゃね?


 みたいなことを考え、息子や娘を作り始める。

 さすがに全部この人が生ませたとかではなく、ホムンクルス的なものも含まれてますが。

 父さん枯れちゃう。


 本編では息子を一度見抜けなかったり、娘にあっさりやられちゃったりと醜態をさらしてるのであんまり優秀さが垣間見えませんが、世界を巻き込むような儀式を組んでるので優秀なのです。


 ちなみにリフェールの母親に関してはジプシーの一族という設定がありました。

 ロデュルが強引にさらってきてリフェールを生ませています。

 さらに出産の負担ですぐに死別したという話になってました。

 本編でもちらっと母の話は出したけど、結局そんなに詳しいことは必要なかったので省かれました。


 上手いこと描写挟めればなー、というエピソードはいくつかありますが、どうにも冗長になるのや、本筋のテーマから外れそうになるのが嫌だったので今回は見合わせていることが多かったですね。


●リル

 分かりやすい敵役の一人。

 モチーフ自体はフェンリルの妹のヘルから。

 名前はリフェールの兄妹ということでフェンリルから。

 青黒い体とかの描写はヘルの特徴そのまんまです。


 さすがにリフェールしか器がいないってことはないだろう、ということで登場させました。

 情報を与えるにも戦う相手にも、そしてロデュルを始末する役目とラスボス役と、ぽっと出っぽいわりに八面六臂の活躍だったキャラ。


 ロデュルとリルは倒しても良心の呵責がないタイプとして設定はしてますが、何か彼女は裏ルートのヒロインとかできそうだなあ、と書いてて思いました。

 ノベルゲームじゃないんでそのルートはありませんが。


 問題点としては、能力描写が微妙にグレースと被ったことかな……。

 正直、ちょっと敵デザインというか、ボキャブラリーが足りてない、というのを自覚する場面でした。

 もっと生物のおぞましい面を勉強しましょう。


●男/おじさん

 無名のモブ。でも主人公を助けてくれる重要ポジション。

 最初からエンディングにまで出ることは決めていたキャラです。

 なので、書けた時は嬉しかったですね。

 でも名前は与えない。

 さすがに今になると与えといた方がよかった気がする。


 狼獄の街には人間も囚われてるよ、というのを説明する役どころ。

 いわばチュートリアルおじさん。

 お礼としてアイテムもくれるので、まさしくゲーム的な役どころではあります。

 ……あんまりアイテムは活躍させられなかったけど。


 一応、名前を付けるなら、オーディンの息子で、フェンリルを殺した神ヴィーザルからもじろうかなとは考えてました。

 実質、おじさんがリフェールをフェンリルにさせなかったと言っても過言ではないのでぴったり。


●執事/監視役の女性

 グレースの前にリフェールの面倒を見ていた人たち。

 後者の女性は魔術師だったんですが、一応そう描写しておいた方が呼び方に困らなかったかな。


 リフェールに知識と人間らしさを与えたせいで、ロデュルにころころされ。

 狼獄の街の中では各場所でのボスとして立ちはだかります。


 何かとリフェールの情緒が見えづらいので、こういう良い人間と出会った、というところで補完していけたかなあと。


●イアン

 なんとなくついでで追加したキャラ。

 ヒロインが亡くなってただでさえ華がないわけだし、増やしておくか、くらいの浅はかな考えで出しました。

 名前のモチーフはフェンリルの子供を産んだとされる女巨人の住む森、イアールンヴィズから。




■ストーリーについて

 悪夢の中で目覚め、そこから脱出する。

 話しとしてはそれだけです。

 で、じゃあ具体的にどうストーリーを肉付けするかと考えた時に。


「献身的に助けてくれるヒロインがいる。でも彼女が実は死んでた、自分で殺してて取り返しがつかない、って話はどうだろう」


 というのを思い付き、ほぼそれを中心に作っていきました。


 その他、アイデアやイベントに関してはおおむね、ゲーム的な発想で配置することが多かったです。

 最初らへんの街の説明と目的の提示とかですね。

 とにかく道筋をはっきりさせる、段々主人公が強くなっていく(記憶が戻る)形にするなどして、理由や動機が分からなくても話の流れが追えるように作っていきました。


 これがダークゴシックかどうかと言われるとあれですが。

 やりたいことはまんべんなく形に出来ました。

 せっかくなので全体プロット(構成メモ?)の方を後で置いておきます。

 多少流れが前後したり、細かい部分がなかったりしますが、ほぼストーリーそのままなので、物好きな方は読んでみてください。


■全体を通して

 上で二回言ってますが、やりたいことは形に出来たと思っています。

 ただあくまで形を整えただけで、ここから面白いと思われるようにしなきゃならん、というのが本来の命題なのでしょう。


 何かと地の文の方に情報を書いたりすることが多いですし、それが癖になってるので、今時の小説からすれば読みづらいかなあという気はしてます。

 でもいちいちキャラがしゃべらず、頭で考えていたり、胸に秘めてたり、というのを表すことを思うと変えづらくもある。難しい。


 とにもかくにも、自分の注力できる配分的に、今回はこのレベルが限界かなあと思いました。

 十万文字に満たないくらいの話ですが、半年近くかかってるので、書く速度的にも、なかなかこれ以上にはならないでしょう。


 きちんとテーマを定めて、全体の流れを作って、終わりまで寄り道せず、ペースを崩さず書き切った、という点で良しとします。


■終わりに

 さあ、終わったんだからさっさと次の作品を書きましょうね~。

 ということで考えてはいるのですが。

 今のところまだアイデア段階でしか定まってないのでとりあえずじっくり煮詰めようと思います。


 候補としては、中世ファンタジーっぽいもの書くか。(一本)

 現代ファンタジー書くか。(二本くらい)

 東方二次創作に手を出してみるか。(無知無謀)


 みたいな状態です。

 その内またふらりと更新しているかもしれませんので、見かけましたらよろしくお願いいたします。


 最後までご覧いただきありがとうございました。


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