魔国の漆黒姫と大陸会議
大陸の中心であるバザールド帝国では
大陸会議が行われようとしていた。
大陸会議に出ている国々は八か国。
大陸の中心に位置する帝国バザールド
、北国ベラディナーや南国ジャカルタ、龍帝国の麗樹、妖精国のスナィファーと海国スカイラインに神聖国ルティア。そして魔国レイドナディルだ。今揃っているのは
魔国以外の王族だった。
「魔国からは誰がくるんだ?」
一番に口を開いたのはバザールド帝国
の皇帝ルドウィンだ。それに同乗して
海国王ウォールは思い出したといわんばかりに言う。
「魔国は魔王ではなくその姫君がくるらしいぞ?」
「それってあの漆黒姫のこと?」
「漆黒姫って誰だ?」
ウォールの発言に妖精女王セラフィは興味津々で返した。目を輝かせる妖精女王に龍国皇太子シドは不思議そうに聞く。セラフィは自慢気に話し始めた。
「漆黒姫は魔王の愛娘で、すごく綺麗な人だって噂だよ。それにあの聖女マリアナの娘でもあるからね!」
「かの漆黒姫は我が神聖国の大聖女候補でもあります」
「なんでもありだな、その姫さん」
「本当にな」
セラフィが言った言葉に重ねて神聖国の女王テルベラが静かにいい放つ。テルベラの言った言葉に南国王カゼルタと北国王ミーシャは驚きの声を上げる。
誰もがいまかいまかと漆黒姫を待っていた。そんな中、もうすぐ大陸会議が始まるのにも関わらず一向に現れない漆黒姫に皆が首を傾げたときだ。
突然、扉が音をたてながら開いた。
広間に入ってきたのは一人の少女だ。
噂通りの漆黒に染まるふわふわした長い髪。魔族特有の白い肌と真紅の双眸をもつ少女の顔立ちは美しい。
ここにいる誰よりも顔立ちが整っている少女は穏やかに言い放つ。
「遅ればせながら参りました。魔国属国を治めているルアティナ・レイドナディルですわ。」
絶世の美女とは彼女のことを示すと皆が思った。魔族は美しい者が多いがルアティナはそれ以上だ。呆然としていた中で真っ先に我に返ったのはルドウィンだった。
「魔国の姫君はここの席だ」
「ありがとう」
魔族とはおもえないほど穏やかに微笑むルアティナは静かに席に座った。魔国の漆黒姫の名は伊達じゃなかったようだ。現れた魔国の王女は初めて来たとは思えない堂々とした姿で周りを見渡している。
魔国が揃ったことによりルドウィンが
凛とした声を上げた。
「では、これより大陸会議を始める」
ルドウィンの言葉に各国の王族たちが
姿勢を正した。先程の様子とはうって変わって皆が真剣な表情だ。
ーめんどくさそうね。
魔国代表であるルアティナはただ一人隠れてため息を吐いた。




