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異動。汚嫁、破滅への序章

 嫁、真由美が出ていった。武宮の意志は変わらなかったからだ。


「私がいないとなにも出来ないくせに。もういい。専業主婦になれないなら、出ていく。このまま離婚になったら、私にたくさんの慰謝料を払ってよね。お金もっているんだから」


 そんなことを吐き捨てて、荷物をまとめていなくなった。


(仕事も家のこともしないで、間男を家に呼んで〇ックスしているくせに、よく言うよ)


 感情的になりそうだったが、まだ我慢する。分があるのはこちらなのだ。ここで感情的になにか強い言葉を言ったりしたら、こちらに不利な材料が少しでも出来ることになる。それはかなりムカつくので、イジでも冷静さを保つようにした。

 こちらは弁護士と相談しつつ、離婚裁判へ向けての準備を進めた。汚嫁の決定的な浮気の証拠があるので、離婚は確実に成立するだろうとのことだ。

 また、探索者協会には真由美が、SNSの個人情報漏洩及び機密情報漏洩に当たる裏アカによる投稿による被害が及んでいた。例のライセンスが映った画像だ。

 協会へ「てめーらの認定したこの武宮 竜ってS級探索者、クソ旦那じゃねぇか」「最低。モラハラ軍団」「協会も男尊女卑の考えなんですか?」などといった、苦情や問い合わせだ。おそらく大半は面白半分でやっているものと思われた。

 ある日、武宮の所属するダンジョンの協会支部――その会議室で、協会の会長などのトップ組、および支部の所長に呼び出され、この件について話し合った。

 協会のトップ、50代後半の最高責任者という立場の会長が今後の対応を自ら武宮へ向けて発表した。


「今回、探索者協会は武宮 真由美さん及びSNSで誹謗中傷の書き込みをしたアカウント全てに開示請求をし、諸々の余罪を警察と連携して全力で追及・起訴をし、損害賠償の請求もしようと動いております。今回、S級探索者という功労者である武宮さんと我々協会へ向けられた、いわれのない誹謗中傷は断固として許されるものではない。協会は厳しい姿勢でもって、これに対応します」


 そしてあのオバちゃん事務員の件に関しては、支部長が――武宮より20以上も年上なのに、頭を下げて謝罪した。


「私の部下が、大変失礼なことをしました」


 あろうことか、全員が頭を下げてくる。武宮は慌てた。


「い、いえそんな、みなさんが謝ることでは」


 だが、支部長は続けて、今回の件での反省を述べる。上の人間としての筋なのだろう。


「探索者を侮辱するなど、やってはいけないことです。ましてやSNSの根拠もない情報を引き合いにした、軽率な行動。今後こういったことがないよう、従業員の教育を強化してまいります。また、彼女達は責任として当然、懲戒解雇しますので今後ともよろしくお願いします」


「は、はぁ……」


 ここまで謝られるとは思わなかったので、武宮は驚いた。

 探索者協会への風評被害もひどいのだろう。

 真由美の身勝手な行動によって起きたことは、かなりの大事となり始めていた。

 そして話は会長が引き継ぎ、今後の話へ移る。


「ところで……今後は、どうなさいますか。一つ、我々から提案があるのですが」


「提案?」


「はい。彼女達はいなくなるとはいえ……職場に、ずいぶんとペラペラ言いふらしてしまったようなので。また、まだ対応が途中であることと、ほとぼりが完全に落ち着いていないのが現状なので、苦情の電話やSNSの中傷は止まっていません。正直、今の支部はやりづらいのではないでしょうか」


 基本的には現場、ダンジョンへ出ているとはいえ仕事の内容上、常に支部とは通信で連絡や連携を取り合う状態だ。

 支部の人間と気まずいというのは、かなりのストレスとなる。


「もしも環境を変えたい、という意志がございましたら。案内したい支部があります。一か月前に誕生した、新たなダンジョン――螺旋(らせん)の塔です」


「ああ……ニュースで、見ました」


 ダンジョンは突然現れ、そして消えることもある。

 そんなサイクルの中で生まれたものの1つが、螺旋(らせん)の塔だ。

 名前の通り螺旋(らせん)状の形をした大きく太い塔で、出来たばかりということもあり、まだ未開の地であることから、人気のあるダンジョンだ。


「新しい現場で、支部の人員も若手を中心にしています。今、武宮さんが担当なさっている支部は、平均年齢が高いですからね。フレッシュな環境の方が、肌に合うのではないでしょうか。そこのリーダー、支部長は野崎と言うのですが、40になったばかりのまだ若い女性の管理者でしてね。気配りもしっかりと出来る人間なので、今よりも良い環境を提供してくれるはずです」


 正直、今の支部がなんとなく気まずいというのはたしかにあった。

 なので、環境を変えられるなら、たしかにそれがいいかもと考える。

 ちなみに。探索者はあくまでも個人事業主だ。協会と契約を交わしている状態だが、直接雇用というわけではない。協会がやっているのは、あくまでも探索者の認定や活動のサポートだ。

 そしてS級探索者のような管理者と共に、ダンジョンの管理をするという役割も担っている。

 なので、基本的にはS級探索者には決まった場所へ配属され、他の支部へ行くとき、つまり他のダンジョンへ行く時は協会から許可をとる必要がある。


「わかりました。行ってみます」


「ありがとうございます。なにかあれば、連絡をください。必ず力になります。また、今回の件に関してこちらからも報告・連絡をさせていただきますので、S級探索者武宮 竜様。今後とも、探索者協会をよろしくお願いします」

本作の閲覧ありがとうございます。


もし内容がよろしければ、★★★★★評価・ブックマークをいただけると、とても助かります。


今回こそ、今回こそは伸ばしたいのです……(泣)


なにとぞ、よろしくお願いします!

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― 新着の感想 ―
Xにて音有五角さまのことを知り、さっそく拝読いたしました。 フォローはありがとうございました。 まだ読みはじめではありますが、圧倒的な文章量に驚いております。 ほかにもいくつもお書きになられているよう…
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