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- Double - 勇者と魔王の転生記  作者: 矢島 ユウ
アセリア王国戦争期
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【七罪】の来訪

 ちょっと三話ほど消して展開を変えました。


 目の前に音も無く降り立った男に気付いたカラはとりあえず飛びのく、クラウスが気になったが今は得体の知れない目の前の男への警戒を優先させた。

 白髪赤眼の男は長衣をはためかせ舞台役者のように大きく手を広げると天を仰いだ。

 

「俺が来たんだ!! 俺様が来たんだ!! アモン様のお越しだ!! 感激して! 感動して! 感謝してぇ!! むせび泣けやあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!! ハッハアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ」

「うわぁ」


 目の前で奇行に走る男にドン引きする。係わってはいけない人種だ。今すぐ全力で逃げ出したい。しかしアモンと名乗った男が放つ鬼気といえる威圧が背を向けることを許さない。


「油断するなよ」

「わかってる」


 カラとレオンは横並びになると剣を構える。正直初めて魔導を使った反動か疲労感が酷く立っているのもやっとなのだが、そんな泣き言で自体が好転する訳でもない。

 二人が死闘を決意した時、第二の乱入者達が登場した。


「こ・の・馬鹿があァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァッッッ―――」

「もう死んで下さい。本当に、ええ本当に」


 突如現れた金髪の髪を振り乱した少年の飛び蹴りがアモンの頭を蹴り抜く、ツヤのある黒髪を長く伸ばした男の肘うちがアモンの延髄に決まる。


「グァッ!?」


 アモンはそのまま地面へと顔から突っ込んだ。


「脳味噌入ってますか~? あっ入ってねえはこりゃ」

「カスなんだよ」


 地面に埋まったままのアモンの頭を癖のある黒髪を乱雑に伸ばした無精髭の男が何度か小突いて首を振る。男が手を引くと乞食のようにボロを目深に被った少女が、アモンの頭を石でも蹴るように足で軽く小突く。


「今回は様子見で私達は表に出ない予定でしたのに」

「貴方だって … 人のこと … いえないでしょう… アスタロッテ」

「なんですのレヴィア? 言いたいことがあるのなら面と向かって言ったらどうかしら?」

「… 無理 …」


 それを家屋根から見下ろすように褐色の肌をした女と、絶世の美女といえる容貌だが目が死んでいるため全てを台無しにしている女が登場する。


「ぬあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁッッッ。上等だ手前らぁ!!」


 口に入った土を吐き出しながら叫び、アモンは勢い良く身体を起こすと自分に危害を加えた四人に襲いかかる。


「馬鹿が! 馬鹿が!! 馬鹿があァァッ!!」

「何私に向かってきてるんです? 潰しますよ?」

「あ~、面倒くせ」

「お腹減った。食べて良い?」

「良いんじゃね?」


 四人も向かえ討つ構えを取り五人は激突した。大気が弾け、その衝撃だけで城壁が揺れる。規格外のその力にカラとレオンは瞠目するが、同時に置いてけぼり感が二人を襲った。まったく話についていけない二人の元に豊満な褐色の肌を惜しげも無く露出した格好の女が降り立つ。


「ハァ~イ、レオン。元気にしていました?」

「誰かなレオン?」

「アスタロッテか……… 説明してくれるか?」


 手をヒラヒラと振りながら笑いかけてくるアスタロッテを見て、カラがニッコリとレオンに笑いかけるが笑みの形に細まった目から覗く瞳は笑っていない、レオンは頭痛がする頭を押さえながらアスタロッテに説明を要求した。


(わたくし)が【色欲(ラスト)】と名乗ったのは覚えていまして?」

「ああ」

「私以外に【傲慢(プライド)】【嫉妬(エンヴィー)】【憤怒(ラース)】【怠惰(スロウス)】【強欲(グリード)】 【暴食(グラトニー)】と六の罪がありまして、それが彼等ですわ」

「つまりあれが全部お前と同格の化け物か?」

「まぁ化け物だなんて!? こんなにか弱い私を化け物なんて酷いですわ」


 プリプリと怒るアスタロッテを無視して、城壁都市内を縦横無尽に飛び跳ね回り周りを破壊して回る五人に目を向ける。

 いつのまにか四対一から自分以外敵への乱戦へと変化しており混沌具合が増していた。


「これ収拾つくのか……」

「……………」

「なんとか言えよ!?」


 レオンの問いかけに無言で返すアスタロッテ。それで全てを覚ったレオンは頭を抱える。カラは先ほどからレオンとアスタロッテのやりとりを横目で睨んでは、目が合いそうになると逸らしていた。


「どうしたカラ?」

「別に!!」


 いぶかしんだレオンがカラに声をかけるが、カラは目を逸らして突っ撥ねる。それをアスタロッテは生暖かい目でニマニマと見守る。しかしそれも一瞬で手をワキワキと動かすとおもむろにカラに抱きつく。


「可愛いですわね~」

「わひゃあ!?」


 抱きつかれたカラが今まで上げたことのないような可愛らしい悲鳴を上げた。


「ちょ!? どこ触って、や、止めろ!?」


 服の中へと滑り込んできたアスタロッテの手にカラは身悶えながら抵抗する。引き離そうとアスタロッテの手を掴もうとするが腹、背中、胸、太ももとカラの身体の上を縦横無尽に逃げ回り捕まえられない、ちなみに股間は左手で押さえて死守している。


「うふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふ」

「ヒッ!? くッ、この!?」

「さあ、私(私)の手によって女の悦びを教えて差し上げますわぁ!!」

「何を、アッ……」

「止めんか!!」

「ギャブッ!?」


 カラへの攻勢を強め股間の守備を突破しようとしていたアスタロッテの後頭部にレオンの鉄拳が炸裂した。


「今の状況分かってるのか!?」

「もちろんですわよ。ん~ちょっと将来が心配な胸ですわねぇ」

「も、揉むなあぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」 


 懲りずにカラの胸を揉みしだくアスタロットに更なる鉄拳を繰り出そうとするレオンの動きが止まる。何故なら先程の五人が大気を震わす攻防を繰り広げながら、こちらに突進してきたからである。


「ちょっ!?」


 慌ててカラの手を引いてレオンは身を投げる。アスタロッテは当然置き去りにした。


「何やってやがるアバズレ!?」

「邪魔ですアスタロッテ!!」

「あああぁぁぁぁぁぁぁ、もう。馬鹿ばっかり!!」

「面倒臭えなぁ、まったく」

「挽肉になる?」

「ああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁん」


 五人が巻き起こす暴虐の嵐にアスタロッテは呑み込まれ、その身体を激痛が襲う。しかしアスタロッテの顔は喜悦に濡れ幸せそうに笑っていた。


 鬼畜からギャグ集団へジョブチェンジです。

 

 今回も読んでくださりありがとうございました。


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