↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Underworld  作者: 獺八御
第二章 「エリダヌス国編」

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
65/68

第六十四話 「その顔」

 アレクシア達の父が消息を絶った手掛かりとなる『物証』が大陸北部のグロビュール高原から現れたと聞いて、その地点が物語るあまりの的外れさに二人は唖然とした。


 当時エリダヌス先代国王が消えたきっかけとなったのは、黄道十二王国(ゾディアーク)の序列第一位であるハイドラ国の国王から臨時の呼び出しを受けて訪問した公務だった。


 大きく矛盾しているのはその位置関係。

 エリダヌス国からハイドラ国へ向かうにはプトレマイオス大通りを南に下ることで到着する。


 しかしグロビュール高原は大陸の最も北部にある高原で、最北国であるA-ウルサ国領だが居住地よりも北に位置しているのでその先にある北天海に行く時以外は誰も立ち入ることが無い場所だ。


「どうしてグロビュールで……北天海に行ったんでしょうか」

「そう思って北天海岸にも捜索隊を出したが他に証拠になるものは何も見つからなかった。しかし物証から検出された血痕をDNA鑑定に回した結果、間違いなくエリダヌス先代国王本人という結果が出ているから無事では無い可能性が高い」


 そして更に気掛かりなのは天空庭園(アンドロメダ)の隊服に血が着いていたということだ。素直に考えれば天空庭園(アンドロメダ)の兵士が先代国王に危害を加えたということだ。

 しかし何か裏がある可能性も否定できない。アレクシアはその推測を鵜呑みにすることはできなかったがドレシアは違った。


「なんで天空庭園(アンドロメダ)の人がお父様を!?」

 素直に考えれば当然の反応だ。


「私も分からない。流石に付着した血痕だけでは事が起きた推定時刻を確定させることは出来なかったから、失踪推定日の前後一週間で天空庭園(アンドロメダ)から入出国した兵士を確認したが誰もいなかったんだ」


「一週間じゃ足りないわ。前後一ヶ月でもう一度ーー」

「ドレシア、十二年も前の記録よ。精度も高くないし、カイン様もあまりーー」

「折角出てきた手掛かりを見逃せっていうの!?」


 初めて見るドレシアの表情にアレクシアは言葉を飲み込んだ。

 いや、思い返せば前にも一度だけこのドレシアの顔を見たことがあった。


 父を探して母を含めた四人で何度もエリダヌス国とハイドラ国を往復していたある日の帰り道、アレクシアは弱音を漏らした。

 「もうお父様は命を落としているかもしれない」そう言った時、グランシアと彼女らの母はなんと言ったか覚えていないがドレシアの表情だけは今と同じだったことをよく覚えている。


「いや、私は......」

 アレクシアも十二年の時を超えようやく明るみに出たこの話にとても平常心でいられるはずもなかったが、それでもドレシアが泣きつくようにいくら記録を調べたところで証拠が出てくることはないと分かっていた。

 もし出てきたとしても、天空庭園(アンドロメダ)は何としてもそれを隠すに違いない。天空庭園(アンドロメダ)とはそういう組織だということもアレクシアは分かっていた。


「......分かった、私の方でももう少し広範囲の記録を探してみよう。何か分かったら教えるよ」

 見兼ねたカインがそう提案したことでこの話に終止符が打たれる。


「ちなみに、その『物証』を見せて頂いても良いですか?」

 アレクシアがそう尋ねる。ここまで話したのであれば二人に見せる為にその『物証』とやらを用意してくれていると思っていた。


 しかしアレクシアのその言葉を聞いて、カインは少し答えづらそうな顔をした。

「それなんだが、今は手元にないんだ」


 一体どういうことかと二人は顔を見合わせる。

「......これは、もう少し確証を得てから二人には話したかったんだがやむを得ないか」


 そして二人、特にドレシアにとってはさらに現実離れした話を聞かされた。

「恐らくその兵服を破ったのは、ドラゴンの仕業によるものだ」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。