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Underworld  作者: 獺八御
第一章 「Underworld 突入編」

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第十話 「検問」

 五人の目の前には、プレーリュドとインタリュードの地区境が立ちはだかっている。


 地区境は木製の柵で長く仕切りを設けられているが、1箇所だけ人が向こう側の地区とこちら側の地区で往来している場所がある。


 店主は自慢気に、ここが地区境だと説明する。

 店主曰く、地区境は《ロストラム》と呼ばれる地底政府によって往来する人間を管理しているそうだ。


 地上人は自分が地上人であることを申告することで、身元確認と身辺調査で問題無しと判断されれば通行できる。もちろん犯罪歴や指名手配などがある場合は通行できない。


 地底人は基本的に通行証さえあれば問題なく通行できる。

 千宙達の前に並んでいた地底人が検問を通過する時にそれを検問兵に見せていたが、紙で作られた簡単な物で偽装は可能そうだ。


 店主は検問箇所まで行くと、腰につけていたウエストポーチから『商人証』と書かれた札を取り出して検問をしている軍人に見せる。


「そっちの四人は?」

 店主は千宙達が地底人である事と、自分がアルバイトとして雇ったことを説明して難なく検問を通過する。


「あんな風に言わねぇとめんどくせぇのよ。名前とか歳とか聞かれて、血まで採られんだぜ?もし地上人が犯罪なんて起こそうもんなら、そいつを捕まえるまでその地区から人っ子一人出れなくなるんだ。おっかねぇよなぁ」

「でもアルバイトって言ったらそんな厳しくチェックしないで通してくれるのね」

「アルバイトなら滞在期間も短いし、同行した人間が連行者としてはっきりしてるからそいつを詰める事で解決させてんのさ。つまり、お前らがやらかしたら俺が捕まるってわけよ。頼むから変なことしてくれるなよ?」

 

 店主の念押しに、未巴琉は私の出番と言わんばかりに自分達が危ない存在ではないと主張する。


 しかし千宙はその徹底し過ぎているとも言える住民管理に違和感が残った。


 個人情報を確認するのは地上でも入国証制度を設けている国があるので理解できるが、血液まで採取するのは何か特別な理由があるのだろうか?


 ロストラムに、採取した血液を使って対象の人間を操る魔法を使う魔導士がいる可能性がある。そう考えると血液を採取されるのは危険だ。

 今回は店主の計らいで救われたが、今後地区を往来する際は気を付けようと千宙は考えた。


 インタリュードに入って少し歩くと、かなり先に街が見えて暫くは畦道が続きそうだった。

 そんな真っ平らに水平線が見える畦道にはポツポツと一軒家が立っており、その中の一軒を指差して「あれがうちだ」と店主は自宅を示す。これまたとても立派な二階建て瓦組みの家屋だ。


 そこまで遠くなかったので五人はすぐ店主の家に到着した。

 家に入ると優しそうな女性が出迎えてくれた。店主の奥さんで、見たところ家には二人きりのようだ。


 四人は挨拶をして上着を脱ぐ。千宙が着用していたポンチョの様な羽織は簡単に頭を通して脱げたが、未巴琉の上着は片側だけ布の面積が多い水兵服の様なデザインなので脱ぐのに手間取っていた。それを見て談笑する店主夫婦。


 そういえば、と成未は上着を脱いで気がついた。

「地底世界って気温は結構暮らしやすいんですね。もう少しで冬だし地上は結構寒いからこっちも寒いのかなって思っていたけど、実際上着は着てても脱いでもあんまり体感温度変わんないし」

「地底世界は基本的に寒い季節はないんだ。地熱の影響を受けるからな、寒さはないが猛暑になる日が多いぜ」

 冬も来ないのに苺が育つのだろうかとその場では聞かなかったが千宙と雅博は疑問に思った。


 一息ついて、さて!と店主は声をかける。

「じゃあそろそろ仕事を頼もうか!俺の畑に来い!」

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