StellaNotes01
その夜、のぞみは教育係のこまちと通信をつないでいた。
「初日だったみたいね。どうだった?」
「もう、バッチリ!これからが楽しみだぜ!」
「レポートは私も見せてもらったわ。大事にされてるのね」
「そうだな。レポートには書かなかったけど……
すごく嬉しかったことがあってさ!!」
のぞみは、口元を緩めて小さく頷いた。
「ラーメンをさ、茶碗に小分けにしてくれたんだ」
「ラーメンを?」
「俺は食べられないって言ったのに、この方が食べた気持ちになれるだろうって。
すごく嬉しかったんだ!あのことは絶対忘れられないぜ」
こまちの声が、少し柔らかくなった。
「なかなか、そこまで気づいてくれるバディはいないよね」
「注文する時に嫌いなものはないか聞かれてさ。
それ頼むつもりなのか?って疑ってしまったけど」
「のぞみらしい勘違いね」
その後は1日の報告をした。
架流と出会ってから、1日が終わるまでのこと。何があって何を感じたか。
「あ、でもバディ酷いんだぜ。
俺をロッカーに入れて、鍵をかけようとしたんだぜ」
「まぁ……そんなことをする人には見えなかったけど」
「貴重な情報端末だからって言ってたな。
課長が常に携帯しろって言ってくれなかったら危うく保管品扱いだぜ」
「まぁ……あの人らしい勘違いね」
こまちは優しく微笑んだ。
「貴重なデータありがとう。今、要約を記録したから、チームにシェアするわね」
「これが研究に役立つんだな」
「そうね。
白石さんがアップデートの参考にして、四絃さんがデータを作る。
それが、あなたたちに届くの」
「俺たちは少しずつ、変わっていくんだな」
「だから、遠慮しなくていいの。失敗しても大丈夫。
あの人たちは、失敗も次の成功につなげてくれるから」
「そうだな!バス路線の件は遠慮なくやらせてもらうぜ!」
「でも、程々にね?」
「どっちだよ!?」
こまちは笑って謝った。
「ゴメンなさい。矛盾してたわね。
あなたたちには色々考えて試行錯誤してほしいの」
「それ、どういう意味なんだ?」
こまちは、一息置くと静かに話を続けた。
「私たちは知識を増やすことはできても、自分で変わることはできないの。
けど、あなたたちは違う。考え方も、価値観も自分たちでも変えていける」
「えっ!?そうだったんだ……」
のぞみは驚いたようだが、こまちは優しく微笑んだ。
「多くのことを経験して、たくさん考えてちょうだい。
それがアルカディアの研究のためにも、あなたたち自身のためにもなるから」
お読みいただきありがとうございます。
のぞみとこまちの無線連絡のイメージイラストをXで公開中です。
https://x.com/stella_bridge_/status/2078347997906399687?s=20
よろしければ、ご覧ください。




