StellaNotes02
みずほ達の教育係だというこまち。
いつもは無線連絡をしているが、今日は直接会いにくるらしい。
みずほに優しい人だよ、と聞いてはいたものの何だか落ち着かない真澄。
2人は早く起きて、こまちの到着を待っていた。
予定通りの列車でこまちはやってきた。
「おはようございます。お邪魔します」
みずほに手に持っていた紙袋を手渡したこまちは、テーブルの上に座った。
「わぁ、ありがとう」
明るい笑顔を見せるみずほに、袋の中身が気になる真澄。
詳しく聞いて良いものかな……真澄が悩んでいると、みずほは嬉しそうに教えてくれた。
「これはね、わたし達のおやつなんだよ」
「おやつ!」
真澄もその言葉に反応する。
「わたし達の力の源になる電解液なんだ」
「そ、そうなんだ……」
ステラノイド専用とは思ったけど、可愛らしいスイーツが入っていると思っていた。
その見た目だけは楽しめると期待していただけに、電解液という言葉にガッカリした。
「折角なんで、飲みながら話をしましょうか?」
「いいの?やったぁ!」
大人しいみずほがここまで無邪気に喜ぶのは珍しかった。
電解液という名前ではあっても、きっと可愛いドリンクが入っているに違いない。
そう期待し直した真澄だったが、可愛らしい紙袋から出てきたそれは、栄養ドリンクを思わせる茶色の瓶だった。
しかし、みずほがティーセットを持ってきて、瓶の蓋を開けた瞬間にラベンダーの香りが漂ってきた。
それをカップに注ぐと、綺麗な紅茶の様な飲み物で、みずほが喜ぶ気持ちが分かった。
こまちがそのおやつについて補足してくれた。
「私たちは充電して動いていますが、エネルギーを含む機能性電解液を併用しているんです」
「色んな味や香りが付いていて、私は紅茶フレーバーが大好きなんだ。最高のおやつだよ」
みずほが普段、何も食べないし飲まないことを心配していた真澄。
みずほにもおやつという楽しみがあったことで安心した。
紅茶を嬉しそうに飲むみずほは、こまちにここまでの出来事を報告した。
初めは何故か真澄に歓迎されていない様に感じたが、翌日に名前を貰ったこと。
にぼしがきっかけでSNSアカウントも大きくなったこと。
本社では、自分の意見を伝えて一緒に育てたアカウントを守ってくれたこと。
包み隠さずに全てを伝えるみずほに、真澄は恥ずかしくて耳を塞ぎそうになる。
もういいから……真澄は顔を赤らめて、みずほの話が終わる事を祈ったが、話が終わる様子はない。
その頃から真澄が変わり前向きになったこと、だから力を合わせてトラブルを乗り越えることが出来たこと。
みずほが報告を終えると、その話を静かに聞いていたこまちが呟いた。
「貴重なデータをありがとう。チームに転送させて貰ったから。お仕事お疲れ様」
報告会が終わると、3人はおしゃべりを楽しんだ。
アルカディアのこと、研究チームのこと、真澄にとってすべてが新鮮だった。
無限の可能性を秘めた未来に胸が高鳴った。
「今回の騒動が、いつか小さな事件と思える日が来るのかもしれないな」
お読みいただきありがとうございます。
真澄が見たみずほとこまちのお茶会のイメージイラストをXで公開中です。
https://x.com/stella_bridge_/status/2088564890030297315?s=20
よろしければ、ご覧ください。




