26.人外達の会合です
ワイト討伐後、玉座の横に、下へと続く階段が出現した。
何だか呆気ないな。
トラップとしては絶望的ではあったけど、その後何事も起きなかったし。
何か見落としてるのかな?
猫技と隠蔽のゴリ押しだったし、正規ルートではないよね。
本来なら死霊の集団をどうにかしないといけなかったんだろうから、遭遇戦さえ回避すれば何も無い1階層よりも、実は攻略難度高め?
なんにせよ、ここじゃ魔法使えないから飲食ができない。
私にとって長居は危険なんだよね。
ステータスを確認したらさっさと3階層へ行こう。
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名前:未設定
年齢:0♀
種族:暗猫
Lv.27
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HP:1850
MP:2260
筋力:860 瞬発力:3157
防力:236 魔攻力:1550
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スキル
隠蔽Lv1 呪眼Lv1
魔法Lv.4(火、水、風、闇) 毒付与Lv.3
インベントリLv.Max
希少スキル
経験値増大 能力向上幅増大 限界突破 バーサーク
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称号
立ち向かう者 血染めの疾走者
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レベルに変動なしか。
ワイトしか相手にしてないからそんなものだよね。でも、改めて思い返すと、ボスなのに不憫なステータスだったなぁ。
全体的に2桁って…………。
蟻んこ並じゃないの?
この世界の平均を知らないからなんとも言えないけど、流石に2桁は不遇すぎるでしょ。
病死した人の果てだったのかな?
ちなみに、莉奈は知りえない事だが、2桁は人族内で非戦闘職の一般成人の平均値に該当する。
決してワイトが特別非力だったのでは無い。
ま、何はともあれ下ろうか。
解呪されたことによって体調は万全だ。
いつでも戦闘を行える。
元々物理攻撃は受けていない。
この階層のネックである呪いさえどうにかすれば今後に支障はないのだ。
強いて言うなら肉球が冷たいかな?
冗談めかしながらも下への階段に足をかけ、いざ!と、意気揚々と下ろうとしたその時。
私に語りかける者があらわれた。
「2階層突破おめでとう。まさかここまでやるとは思いもよらなかったよ」
タイミングと言い台詞と言い、私を監視していたみたいな口ぶりだ。
いや、実際監視していたのだろう。
何を隠そう、相手はあのダンジョンマスター本人なのだから。
脳内に直接語り掛ける系のニュータイプと書いて、ダンジョンマスターと読むのだ。
「唐突だが……あ〜その、なんだ、…………ごめんだったね」
やっぱりツッコミはないんですね。
そうですか……って。
は?
謝られる理由に心当たりは……いっぱいあったけど、今更感がハンパじゃない。
とりあえず話がありそうなので、お利口さんな私はワイトの玉座にちょこんと座って言葉を待つ。
「君の連れに、おどさ……怒られてしまってね。急遽、最下層まで来てもらうことになった」
聞けば、あの修道女が口添えしてくれたらしい。
そんなに暇なのか、はたまたダンジョンマスターとの会話が超絶つまらないのか。真相は定かではない。
「それと、もうひとつ。君には迷惑料として渡すものがある」
あらやだ律儀。
そんな事しなくても私には何がダメな点なのか分からないのに。
まぁ、貰えるもんは貰うし、何がダメなのか判別できないくらい理不尽な目にあったってだけなんだけど。
あるいは全部間違いだったとか?
そこまで考えた矢先、玉座の前にポンっと白い西瓜が出現した。
なぜ西瓜…………。
「知っていると思うが、その西瓜は2階層のプチ宝箱だ」
知らないし。これ宝箱だったんかい。
てっきり、ドラ〇もんのひみつ道具の一つかと思ったよ。
開けてみると、中には1枚の古びた紙が丸めて縛ってあった。
「それはスクロールと言って、スキルを1つ覚えることが出来るマジックアイテムだ。それ、君には必要なスキルだと思ってね」
スキル……だと。
即座に紐解き中を確認すると、光が瞬き視界を覆い尽くした。
目がぁ目がぁぁぁぁ。
「大丈夫?」
砂の上を転がる私を心配しているようだ。
最初から説明しとかんかい!
しかし、その甲斐あって、私はスキルを身につけることが出来た。
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状態異常無効:あらゆる状態異常にかからなくなる。
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「これで自分の毒に侵されることも無いだろう」
あ、ほんとだ!
やったね!これで毒にまみれて特攻とかできるよ!
「喜んでもらえたようでこちらとしても何よりだ」
2足で小躍りを始める私に、胡乱げな声が届く。
「そろそろ転移させるけど良いかな?」
思い残すことも無いし、やるならやって構わない。
私がひとつ頷くと、途端に、1階層のボス部屋に転移で拉致られた。
◆◇◆◇
トントン拍子に話が進みすぎて疑わしいったらないよ。
周囲を確認すると、話の内容通り私はどことも分からない部屋に居た。
「やぁ。久しぶり」
背後からの呼びにビクッと身体が跳ねる。
驚くことに、振り返るとそこには、夢に出てきた修道女の姿があった。
他には誰もいない。
あれ?なんかやつれた?
最初の疑問がそれでいいのかとも思うがなんとなく気になってしまったのだ。
すると、修道女は顔を真っ赤にして近づいてきて、私の頬っぺを両側から、摘まんだ。
そこにダンジョンマスターの声がかかる。
「その無機物、君の為なら手のひらをクルクルさせるんだよ」と笑いながら言ってきた。
そして付け加えるように「下に来れるってドヤ顔で言った時も、怪我をした君を見て┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
その瞬間、修道女は姿を消し、代わりに頭の中に悲鳴をあげるダンジョンマスターの声が響く。
「ちょ!我が悪かったからぁぁ!それだけは勘べ、あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあ」
仲良しだなぁ。
ちなみに、あとから聞いたのだが、私単体の声は聞こえないらしいが、修道女との会話は、マスター権限でハックして聞こえるらしい。
なんともご都合主義なことで。




