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プロローグ
(いつか絶対にお金をたくさん稼ぐんだ。そうすれば、みんなの力になれる!)
男は目をつむり、手にしていた日記帳を閉じた。表紙は少しひび割れ、紙にも皺が寄っていた。背後の金庫を開け、黙って日記帳をしまい直した。
コン、コン、コン。
「入れ」
女性の助手がドアを開けた。色とりどりのジュースがいっぱいに入ったガラス瓶を手にしていた。
「あの、このところの天候で、これまでどおりの生産量を維持するとなると……」
男は革張りの背もたれに身を預け、軽く手を振った。机の上では、一本の葉巻から白い煙が細く立ちのぼっていた。
「彼らには……止めるなと」
「わ……わかりました」
助手はゆっくりと部屋を出た。ドアを閉めるとき、顔を上げ、机の向こうの男をちらりと見た。
部屋の外からの光が、男の顔の半分を照らしていた。その表情は、ひどく落ち着いて見えた。
パタン――
室内は、再び薄闇に包まれた。




