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つたない提案

10.つたない提案

「それでは……満場一致ということでターメリア国王様のご提案を取り入れ、大陸内に二ケ所の魔物と魔族の保護区を設け、他の地区で捕らえた魔物を当面の間保護区へ送り届けるという案を採用いたします。


 保護区の実施時期及び規模や運営に当たっての費用負担など、詳細取り決めは今後各国担当者らによる実務者会議にて取り決めていくこととなります。


 ではこれにて本日の会議は終了いたします。本日はお忙しい中、お集まりいただき誠にありがとうございました。

 この後一刻ほど経過したのち会議と同じこのホールにて晩さん会が予定されております。一旦居室へお戻りいただき、パートナー様と共にご参加いただきますようお願いいたします。」


 シュタインベック公爵が締めの挨拶をして、大陸内首脳会議はあっという間に終了した。とはいっても本議題が揉めずに済んだというだけで、それまでの時間スムープ聖教会司教が魔族の奇襲により魔王の羊皮紙を奪われてしまったことの報告と、巧とエミリアが交代で魔王の羊皮紙の再作成からボーキ海での決戦迄を詳細報告した。


 そうしてボーキ海へ流れ込む川の水量が、魔王の体を世界から隔絶させておく為にいかに重要であるかも追加で報告。


 その上で、ヘルムが教えてくれた千年前の魔王と人間側の確執と愚挙について報告し、魔族や魔物らとの付き合い方を改めなければならないと会議主催の意義を述べたので、会議としては短かったが報告等で数刻費やし夕刻を過ぎていた。



「はあ……またまた舞踏会……ですね……憂鬱です。」


「ああ……またもや苦痛だけの一夜が始まるな。だがまあ……明確な答えがなく何日間も堂々巡りの議論が続くだろうと俺は予想していたのだが……さすがターメリア国王様だ。魔物の保護区を作ることなら誰もが思い浮かべることだろうが、大陸内に二ケ所作ることによって、どの国も均等に負担し、しかもどの国も保護区を間近に国内で存在確認ができる。


 つまり見えないところに追いやっておしまいという事ではなく、常に魔物や魔族を身近に感じることとなる。


 俺だったらこの大陸内であればメンドー国北の山奥に保護区を作る……そこなら人外の土地だから人間とのかかわりも恐らく起こらないだろうと……各国から冒険者を選抜して巡回監視を行えば、柵など設けなくても保護区内に囲うことは可能……そんな程度だった。だがそれよりももっと人間たちの生活圏に近い土地を提案されたな……。


 普通ならその様な民の生活圏に近いところに魔物の住処を設ける等危険すぎると……真っ先に反対するはずの立場の一国の国王からの提案だったから、その英断に誰もが驚き感銘を受けたことだろう……さすがと思ったよ。


 もっとも厄介な問題がとりあえず片付いたのだから、それはそれで喜ばしいと考えるさ。」


 巧とエミリアは着替えのために王宮の隣の旧エラルミント伯爵邸へと向かう途中……普段の滞在中は王宮客室に宿泊しているのだが、今回はあまりにも国賓が多すぎて客室が足りない為、議員宿舎として使用している旧エラルミント伯爵邸に宿泊しているのだった。


「はあ……そうですね……恐らくターメリア王さまは国内で議論を重ね最適案をお持ち頂いたのだと思っております。


 それでもさすがと感じましたけれど……私だったら魔物達を殺さずに捕獲して人間の手で飼育して、魔物化を解除できないものかと……研究を提案しようかと考えておりました。子供の場合と成獣の場合に分けてですね……。


 荒唐無稽に聞こえるかもしれませんが……魔物と言っても元は普通の獣ですから、まずは普通の獣に戻したうえで……魔物でなくなれば長寿ではなくなりますから自動的に個体数も削減されるわけで……まあそれでも増え続ける獣への対処問題は残りますけれどね……それでも魔族の方たちが掲げる魔物の保護……という最大の命題はなくなるわけです。


 そうしてから魔族たちと和解を申し込む……簡単に信頼しては頂けないかもしれませんが……それでも何度も何度も繰り返し……何年何十年……いえ何百年かかろうと和解を申し込み続けるのです。勿論千年前の失態と言いますか、とんでもない悪行については真摯に謝り続けるしかないのです。」


 エミリアは全く別の解決案を考えていたようだ。


「どっ……どうしてそんな重要な案を会議の場で提案しなかった?」


「えっ?ですが……ターメリア王さまのご提案にまとまりかけておりましたし、私の提案など……何ら事前調査すらしていない机上の空論ともいえるようなものでして……始めるための手がかりすらないただの夢物語ですよ。


 そりゃあ実現したなら素晴らしい事なのでしょうけれど……現実味がないといいますか……それに比べてターメリア王さまのご提案は実にしっかりと……」


 巧の反応に反してエミリアは自分の提案に全く自信を持っていない様子。顔の前に右手を軽く振りながら、しり込みするかのように後ろへ少しずつ下がりながら応えた。


「いや……保護区は保護区で作るとして……保護区の中でも魔物化を解除する研究は出来るはずだろ?俺も囲われているとはいえ広々とした保護区で自由に生活させることにより、獣の魔物化がなくなるのではと淡い期待を抱いてはいるのだが……実際に魔物化の仕組みから研究し解除方法を探れば……それこそ一挙に問題解決となるかも知れんのだぞ。


 よし分かったエミリア……どうせ今夜も各国の王様とダンスをする羽目となるだろう……王様が終われば今度は各国の大臣など要人相手のダンスだ……しかも最初はターメリア国王様となる可能性が非常に高い。


 だったらその時に……さすがのご提案でした……私なんて魔物の研究を行い、魔物化を解除する方法を模索すると提案するところでしたわって……自分の案にさも自信がなかったかの如く一言告げるんだ。勿論そのあとの各国首脳とのダンスの際にも……自分はこう考えておりましたが、到底かないませんでしたねって……そう打ち明けるんだ。」


「ええっ?そんな無礼なこと……」


「いや……決して無礼ではない。社交の場なのだから……酒の上の軽い冗談のように……さりげなくつたない考えを披露するのは許されるはずだ。うまくいけば……皆ダンスなんてそっちのけで……舞踏会など速攻で終わるかも知れないぞ。」


「えええっ……?そっ……そうですか?や……やってみます……。」

 巧の一言にエミリアの表情が明るくなりやる気を見せる……


「ああ……頑張れよ……あくまでも……さりげなく……だぞ……。」



「それでは……ささやかながら軽食と、酒類や果物ジュースなどお飲み物もご用意いたしました。さらに王宮お抱えのオーケストラによる演奏も御座います。ご歓談の上、ダンスなどもお楽しみください。」


 王宮一階ホールを埋め尽くすほど大勢の貴賓らが集い、シュタインベック公爵の開会の挨拶で舞踏会が始まった。


「では……一曲お相手を願えますかな?」

 前回の舞踏会でダンスのお相手をしたためか、始まってすぐにターメリア王がエミリアの下へとやって来てダンスを申し込んできた。一歩遅れたスワァルテは残念そうに顔をしかめ俯いた。


「喜んで……。」

 エミリアはどうせならばと勇気を振り絞って王とのダンスを始める……



「な……なんと……そのようなことが……可能なのか?」


「申し訳ございません……無知な私が勝手に空想していることでして……どう進めるべきかすら未だ分かってはおりません。ですがもし実現すれば素晴らしい事ではないかと考え、もし各国から有望な案が出ない場合はダメもとで提案してみるつもりでした。本日は王様のご提案が現実的であり素晴らしいものでしたから差し控えました。」


 巧が言うとおりにエミリアは、ターメリア王に自身の提案の概略をダンスしながら説明……すると突然ターメリア王の足が止まった。


「わっ……悪いが……退席させて頂く。エミリアのダンスがひどかったのでは決してない、楽しませて頂いた。」

 ターメリア王はエミリアに対し深々と頭を下げるとダンスを切り上げ、ホールの真ん中から早足に出口へと向かう。


「おいっ……一旦部屋へ戻って打ち合わせだ。学者連中も呼び出せ。」

「はっ……かしこまりました。」

 そうしてターメリア国関係者全員を引き連れてホールから姿を消した。


「おやおや……どうされたのか……次は私のお相手をしていただけるかな?」

 それでも人気者のエミリアは、今度はメンドー国王がダンスの相手を所望して来た。


「はい、喜んで……。」

 


「なっ……もしかするとその提案をターメリア王に?」

「はあ……つたない私の空想ですけどとお話いたしました……」


「もっ……申し訳ない……エミリア殿のダンスはその……大変すばらしいものでした。ですがその……所用を思い出したもので……これにて失礼。」

 今度はメンドー国王がエミリアに深々と頭を下げてダンスを中断……


「おいっ、スワァルテ!」「はっ……」


「至急関係者全員と、有望提案がなかった場合の審議用に連れて来た学者連中も集めろ。最難題と考えられていた今回の議題があっさりと片付き安心して酒に興じる前に……すぐに招集をかけろ。これから部屋へ戻って緊急会議だ。」


「はっ……かしこまりました。」

 メンドー国王も関係者を引き連れ退席……



「なんと……失礼いたす……。」「はあ?そんなことが?」「おや、それは素晴らしい……。」


 エミリアにダンスを申し込んできたスーバキ王、ハリキル国家元首、スムープ聖教会教皇までもが関係者全員引き連れて退席……ホールに残ったのはボーキサイ国王以下関係者と、煌びやかなドレスを身にまとい巧のダンスの相手待ちをする、各国首脳の奥様方とご息女だけとなった。


「一体どうしたというのじゃ?何か粗相でも致したのか?」

 普段温厚で穏やかな性格のエミリアの父であるシュタインベック公爵も慌てて駆け寄って来て、主賓らの最後にダンスを申し込もうと待ちわびていたボーキサイ国王と共に、青ざめた顔色でエミリアに問いかけて来た。


「それがその……」



「なんと……どうしてそのような妙案があるのなら事前にわしらに言っておかなかったのじゃ?」

「それはその……全く荒唐無稽な絵空事ですし……提案と言えるほどのものでは到底……。」


「じゃがその提案を聞いてターメリア国王様がまず関係者を引き連れて退席され……続いて各国王様や元首が退席されたというわけだな……明日もう一度会議を行う必要性がありそうじゃな……。」


「シュタインベック大臣……実は……。」

 ちょうどそこへ王宮の客室係がやってきて言いにくそうに顔をゆがめながら……


「なんじゃ……ターメリア国王様が明日もう一度会議を催せとでも言ってきたのか?」

「はっ……はいっ、まさにその通りでして……よくぞお分かりに……。」


「ああ……まあ……そうなのだろうな……分かった、他の国の要人たちも皆客室に戻って、今頃打ち合わせをしているはずだからな……済まぬが貴賓室を全て回って明朝よりもう一度魔族と魔物との今後の付き合い方に関して、二日目の会議を開催すると伝えてくれ。恐らく文句を言い出す客人はいないはずだから、よろしく頼むぞ。」


「はっ……かしこまりました。では……。」

 客室係は会釈するとそのままホールを後にした。


「ちょうど盛り上がって参りましたところで大変に申し訳ございませんが……本日の舞踏会は、各国王様及び元首の方々が途中退席され、打ち合わせを行っていると伝えられて参りました。一旦中断とし、後日改めまして開催としたいと考えますので、どうかご容赦願います。」


「えーっ?」「それはないわよ……」「あらっ国王様がいない……旦那も……」「うちもだわ……」「うちも……」

 舞踏会中止がアナウンスされ、ご婦人方がようやくホール内の異変に気が付き、それぞれの客室へと戻っていった。


 酒以外の軽食類と飲み物はキレイに小分けして会議中である各国客室へと配られ、舞踏会会場と化していたホールは、夜半をかけて再び要人を招いた会議室へと誂え直された。



「えー……予定外に急遽再開が決まりましたが、にもかかわらず各国王様及び元首様以下代表者の方々が一人も欠けることなくご出席いただき、主催国として誠にありがたく思い御礼申し上げます。


 さて、昨晩の晩さん会の席を中座され、会議の再開の緊急動議を発せられたターメリア国王様に、まずは会議再開の趣旨説明をお願いいたします。」


 翌朝、王宮一階ホールを利用した会議室で、シュタインベック公爵が会議開催に当たりターメリア国王を指名した。


「え~ごほん……昨晩舞踏会の最中に突然気が変わり退席させて頂いた。それもこれも……我々の中の誰もが常に敬い何事か起きた場合は意見を賜るべき稀有な存在のことをすっかり失念していた……ということに気づいたからだ。

 その存在とは……皆様ご存じの……エミリア・シュタインベック嬢の事である。


 エミリア……すまないが今一度、昨晩のダンスの最中にお聞かせいただいた提案を披露して頂けぬか?」

 ターメリア王は、今度はエミリアを指名した。


「はっ……はあ……昨晩各国王様及び元首様にもお話させて頂きましたが……その……ただの絵空事ではございますが………………。」

 エミリアが持論を展開する。



「その発想のすばらしさに気が付き中座するに至ったのだが……難しい問題を議論するための知恵袋として学者連中も連れて来ておったから、彼らを交えて一晩議論を尽くした。魔物化は古来より生じていて、病的なものであるとかあるいは宗教のような精神的に派生するものだとか色々と説はあるものの、誰もその原因を調べようとしては来なかった。


 つまり……魔物化を治そうと考えるものはこれまで一人も出てこなかったということだ。いや……過去にはいたのかもしれないが、だが未だ成功してはいない……というか治療と称して大々的に行おうとした痕跡すら残ってはおらん。


 細菌やウイルスに感染して神経系統が侵され、種族が違えど仲間意識が発生しさらに凶暴性が増すなど可能性を議論し、

そこで得た結論として……。」

 ターメリア王が視線を会議室の隅へと移す。


「はっ……私はターメリア大学で昆虫学を教えている学者でして……可能性の一つとして寄生……が考えられます。


 昆虫の蛾や蜂の仲間には他の昆虫の幼虫の体内に卵を産み付け、卵からかえった幼虫の養分として成長させるものや、蜘蛛の成虫を操って動きを制限し、産み付けた卵が外敵から守られるようにするものまでいるようです。


 魔物化はもっと大掛かりな集団を操るものではありますが、例えば鳥獣の中枢神経に寄生する何らかの虫が存在するとして……寄生されたもの同士は種族は違えど同じ虫が操るいわば仲間ですから襲わない事の説明も付きますし、さらに集団としてまとまり凶暴化して縄張りを広げ巣窟を大きくさせていくことも理屈に合うのです。」


 スーツ姿で眼鏡をかけたいかにも学者然とした中年男性が立ちあがり、寄生虫説を披露した。


「ご苦労だった……とりあえず一晩だけの議論ではこの程度だな……だがまだまだ……大陸中の学者連中を一同に介して議論を重ねたならいずれは……。」

 ターメリア王が満足そうな笑みを浮かべた。


「寄生虫の可能性は、昨晩我が国の学者連中も辿りつけておりましたな……。」

 するとメンドー王も負けじと分かっていたと自慢気に笑みを浮かべる。


「寄生虫の可能性に関しましては私も考察したことは御座いますが……では一体鳥獣の体のどこに寄生しているのか……寄生虫の大きさはいかなるものか……など……家畜の子は家畜ですし鳥獣の子は鳥獣です。では魔物の子はどうでしょうか……魔物として生まれるのでしょうか?鳥獣として生まれ、やがて寄生されて魔物化するのでしょうか?


 確かめた人はいないためはっきりと申し上げられませんが……寄生虫説が正しければ一旦は鳥獣の子として生まれ、やがて寄生されて魔物化するはずです。なぜなら鳥は受精卵を生み卵から孵りますが、獣の多くは哺乳類であり、親の体の中で成長して生まれてくる……これから体を形成していく受精卵や胎児のときから寄生できているとは考えにくいからです。


 それでも魔物の巣窟ではいかにも親子とみられる集団と戦うことは多く……個体の大きさと集団の種別から親子関係は明らかであり……いかように集団で寄生されるのか……魔物化の仕組みは本当に謎が多いのです。


 その上倒した魔物の肉や毛皮を取得物として組合に売るため、我々冒険者は魔物の皮を剥いだり肉を捌いたりしていますが、冒険者が寄生されたということは聞いたことがありませんし、その肉や毛皮を卸し市場などで販売する業者や商人らにも寄生され魔物化したという事例は聞いたことが御座いません。人間が寄生されて魔物化すると魔族となるのでしょうか?


 その点も分かっておりませんし……同じ哺乳類である獣や家畜なども魔物化致しますから……その肉を触り血を浴びている冒険者らがどうして寄生されないのか?というのは疑問として残りますし、私もそうですが獣使いの冒険者は存在するようですし、私の愛犬は二匹いて魔物や魔族らと何度も戦っておりますが魔物化はしておりません。


 魔物の巣窟掃討に向かって戻らなかった冒険者も中にはいると思いますが……仮に寄生されてしまったとしても一人ぐらいは逃げ戻って報告があってもいい筈であり、細菌やウイルス等による病的感染と仮定した場合を含めこれまで人や愛犬の魔物化の症例報告がない事が矛盾するのです。


 そのため私の案はとっかかりさえも想定できないような、まさに机上の空論であり公の場での提案は避けたのでした。」


 するとエミリアが寄生虫の可能性はあるとしても、常に魔物達と接している筈の冒険者らの魔物化が報告されていない為、魔物化に至る症例の解析は困難であると説明。


「成程……簡単にはいかないということは分かった。それらを踏まえてどうすればいい?」

 ターメリア王が今一度エミリアに問いかけた。


「はあ……鳥獣が魔物化して一番の問題は何でしょう……鳥獣が結託することは大きな問題ではありません。逆に結託することで魔物化した家畜が襲われにくくなることは利点とも言えます。さらに長寿となることは利点ですよね……。


 害となると言えば凶暴化して人を襲ったり、田畑を荒らして家畜を襲ったりすることでしょうか……魔族の方たちも仰っていましたが、魔物の巣窟を見つけたらすぐに駆除しようとする人間の冒険者に対し、魔物らに人里へ降りて田畑を荒らしたり家畜や人を傷つけてはいけないと教えたのかと問われて返答に困ったことがあります。


 魔族の方たちは魔物とも共同生活していたようですし……仮に魔物達を捕らえて飼育して人間と共に生活できるのであれば……家畜の魔物化は凶暴でされなければ有利であると考えられますので……その……ターメリア王さまご提案の様に保護区を大陸内に設けまして……そこで魔物達を自由に生活させたうえでやがては飼育可能かどうか見定めるのがよろしいのではないでしょうか……。」


 エミリアが自信なさげに顔を真っ赤に染め上げ、うつむき気味に持論を展開した。


「成程な……では保護区を作って隣に研究所を併設し、各国から研究者を募り魔物化に至る研究を行うとともに、まずは魔物らを家畜として飼育可能かどうかを見定めるのが一番よさそうだな?」


「はあ……魔物化に至る原因系の探求は行うべきと強く願いますが、魔物化を根本的に防ぐことが現状難しいとなると懐柔策と申しますか、魔物を飼育あるいはえさ場を設け田畑や家畜及び人間に危害を及ぼさずとも生きて行ける環境を整えることにより、人間側への被害がなくせるのかどうか見極めることが必要と考えます。」


 ターメリア王の威圧に縮こまりながらもエミリアは頷いた。


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