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昇級するには?

8.昇級するには?

「準備はいいか?」

「アルっ、後ろ、構えっ!ペルっ、横、防御っ!……いいですよ。」

「ほう……」


 エミリアが今度は最初よりもさらにアルルを下げて構えさせたので、巧はすぐさま踏み込むために一旦体重を後ろへ駆け、そこから一気に間を詰めようと……だが巧が体重移動した瞬間アルルが背後の小山の傾斜を使って三角飛びの様に向きを変えエミリアの頭上から巧の眼前に迫る。


「があああっ!」「うおっ?たりゃっ!」

 巧は踏み込んだ足の踵でブレーキをかけると同時に上体を反らせて右手で木刀を振るう……突っ込んできたアルルは空中で何とか体を翻して辛くも避け、巧の左手へ着地……


「だりゃあっ」「があっ」


 そのまま巧が今度は三間先のエミリア目がけて大上段に振りかぶって飛び込んで行くが、エミリアの横のぺリルが低い体勢から突き上げるように巧の喉元を狙ってジャンプ……巧は辛くも木刀の柄の部分でぺリルの牙を受け止めると、そのまま体ごと左へ大きく振ってぺリルを振りほどき、右手にいるはずのエミリアを狙うもそこには誰もいない。


「はっはっはっ」

 既に左方向へ展開していたエミリアは巧目がけて矢を連射……巧は上体を左右に大きく振り、さらに膝を曲げて足さばきも使って器用に寸前で躱しながらエミリアを追う……


「がああっ」「がうっ」

 巧の左後方からアルルが、右後方からぺリルがそれぞれ飛び掛かっていき、腰や肩口に食らいつこうとするがものともせずに巧は前進し……エミリアの喉元へ木刀を突き付けた。


「参りました……。アルっ、ペルっ、戻って!」


「ふうっ……なかなかやるな……アルルの動きは最高だった……。」

「ですが全然敵いませんでした……。」

 面帯を外し笑顔を見せる巧と対照的に、エミリアは頬を膨らませて不満顔だ。


「そんなことはないさ……最初は油断しすぎだから数えないこととして……一勝一敗だ。今日はこれまでとするか。


 柔軟運動をやって体の緊張をほぐしてから朝食としよう……あとはまあ……今日の反省を少しだけ……あまり後まで引きずらないことだ。所詮勝負は水ものだからな……


 だがそうだな……エミリアの狙いは正確だし連射時もぶれない……体の中心……胸の真ん中、心臓を的確に狙ってくる……だがそれが分かってしまえば案外避けられる……体を真横に回転させてちょっと前後にずれるだけで矢は通り過ぎていくからな。距離がある時はそれがいいのだろうが……避ける先を予想して二射以降を放てばいい。


 接近戦の連射ではひたすら体の中心を狙っているが……足元を狙うのはどうだ?足さばきを行う足元は難しいから股間の方がいいかな?案外避けにくいものだぞ……なんせ掠っただけでも致命傷だからな……。

 飛び上がって避けられるがそうなったらそれこそ的になるからな……」


「こっ……股間……ですか?」

 エミリアの頬がみるみる真っ赤に染まっていく……


「まあ……なんでも試してみることだ……せっかくの模擬戦なのだからな……。」

「はいっ、分かりました。」


 暫しの柔軟で筋肉をほぐした後でハルクたちと一緒に朝食をとり、その後はゼーンの修行を行い、午後からの空き時間は海辺で釣り糸を垂らした。



「だありゃあっ、だっだっ!」「があああっ」「がっ」


 巧が大上段に振りかぶりエミリア目がけて突進していくがエミリアは後ずさりしながらも巧目がけて矢を放つ……胸の真ん中から左右へ不規則に撃ち分けてくるエミリアの連射は体さばきで避ける術がなく、仕方なく巧は木刀で払いのけるが突進の勢いが弱まった瞬間、アルルとぺリルが巧の足首や太もも目がけて噛みついてきた……


「ちいっ!たっだっだっ……」「がああっ!」「があっ!」

 巧は慌てて後方へ飛びのき木刀を箒の如く足元のごみを払いのけるよう振り動かしなんとかアルル達を寄せつけないようにするが、アルルとぺリルは素早く木刀を避けて側面から尚も詰め寄ってくる……


「はいっ、時間切れです……アルっペルっ、戻れっ!今日も引き分けですね。このところ引き分けばかり……」

 巧が態勢を立て直して前へ出ようとしたところでエミリアが模擬戦終了を告げる。


「蝋燭代わりに乾かした流木を短冊切りにして燃え尽きるまでと決めたが……案外短く感じるものだな……何もせず燃え尽きるまで試した時間感覚では蝋燭と大差ないと感じていたのだが……今日もお互い一本もとれずに引き分けか……。


 まあ同じ相手とばかりやっているからな……お互い相手の手の内が丸分かりで……色々と作戦を練ってはいるのだがマンネリ気味かな……それでもお互い随分と動きが良くなっているとは思うぞ……自己満足かも知れんがな。


 ただ毎日漫然と素振りを繰り返して、頭の中で模擬戦をするよりははるかに効果的だと俺は思っている。」


「そうですね……接近戦にもだいぶ強くなったといいますか……慣れてきたと感じています。以前は魔物が目の前まで突っ込んできたなら怖くて体が縮こまって何もできませんでしたが、今では目の前でも冷静に矢をつがえて放てますからね。接近戦を戦うために魔道具の技術を取得しようと思い始めましたが、魔道具なしでも何とかなるもんですね。」


 巧だけではなくエミリアも自身の成長に満足している様子だ。


「前にも言ったが俺は中級昇級試験の際の剣士の代役で何度も弓使いや槍使い及び剣士相手に模擬戦を行ったが、当時の弓使いの受験者よりは今のエミリアの力は断然上だ。中級試験なら間違いなく受かると俺は思っている。


 アルルとぺリルがいることも大きいのだが……恐らくアルル達抜きで弓使い同士でやりあったとしても勝てると思っている。さらにこの上魔道具まで加わるのだからな……一気に上級を受けてもいいかもしれないくらいだ。まあ……中級試験を受けて合格すれば、すぐに上級試験を受け直すことも出来るからな。


 王都の冒険者組合の昇級試験は毎年四月と十月の一ケ月間やっているから……同じ日に二回受けてもいいし日を変えて受験しても構わない。だが中級を受けて落ちたら半年先まで受けられない。金に飽かして何度も受験する輩を防ぐ目的だが、中級を受けて万一落ちたら上級の昇級試験を受けるにも半年待たねばならないからな……その点も注意が必要だな。


 中級昇級試験落ちたら上級試験に受かるはずもないと言えばそうなのだが……実際のところ受験者同士で模擬戦を行うから、相手によると言ってしまえばそうなのだ。


 逆に上級試験受けて落ちたら中級を受け直すことも、便宜上禁止されている。ダメもとで上級を受けてからと考える輩を減らす目的と、受験者同士で模擬戦を行うので受験者間の実力差を少なくする目的だな。だから当然ながら昇級試験を受ける実力もないのに受験して模擬戦がお粗末だったら、昇級試験の受験資格を失う場合もあるそうだ。


 昇級試験を受けるにはそれまでの冒険者としての活動状況を組合事務局が審査して受験資格があるかどうか判断するのだが、貴族や豪商のボンボンが金を払って上級の冒険者を雇い、共に魔物の巣窟を掃討したということにして実績を稼ぐといった不正も横行しているようで……実力もないのに上級冒険者の肩書だけ背負ってどうしたいのか甚だ疑問を感じるが……そういった輩は少なからず存在するようだ。


 そう考えるとエミリアは上級を受けるべきかな……中級合格の実力は間違いなくあるし、それ以上の力があると俺は信じているから模擬戦でヘマすることはないだろう。そうでなければ中級への昇級試験を受ける受験者が気の毒すぎる……一般的受験者と実力差がありすぎるからな。」


 巧は兜の面帯を外しながらエミリアに上級試験受験を勧める。


「えええー……いきなり上級試験ですか?自信ありません……。」

 ところが巧の言葉にエミリアは、不満げにほほを膨らませた。


「だがな……相手のことも考えてやれ。エミリアがあっさりと二本とってしまったなら、相手は間違いなく昇級試験落ちるぞ。通常の初級相手なら勝てる奴だったとしてもだ。そんな受験生が少なくとも二人……発生するのだからな。


 中級受かってから上級試験……となったら……犠牲者はさらに二人増えて四人となる。さすがに初級からいきなり特級への昇級試験など受けさせてもらえないだろうから上級試験の犠牲者はやむを得ないだろうが、それだけにしてやれ。


 俺も途中から手を抜いてやってくれと組合から乞われてな……勿論俺だって若い冒険者の昇級の邪魔をしたくはないから当然加減しながら試験の手合いを行っていたが……有望なものほど打ち込みが厳しくってな……一瞬だけ本気を出して反撃してしまう時があり……大抵は相手がのびてしまって試験終了だ。


 そのうちに中級試験では呼ばれることが無くなって、たまに上級試験の相手として呼ばれるようになった。だから俺は上級試験を受ける受験者の腕前もおおよそ見当はつく。エミリアなら十分受かるし、中級受験はやめるべきだ。」


「ぎ……犠牲者って……そんな……死ぬわけではありませんから……。」

「だが……落ちたら半年待たねばならないのだぞ……かわいそうだろ?」

 巧が嫌がるエミリアを何とか説得しようと頑張る。



「船が近づいてきますよ……。」

 巧たちがエミリアの昇級試験でもめている最中、小山の中腹で今日も結界の施術を行っているハルクが大声で叫んだ。


「うんっ!どこだ?」

 すぐに巧が立ち上がって小山に足をかけて伸びをして辺りを窺う……船はなおも漂う朝もやの中を島に向かって真っすぐ向かってきていた……


「ああ……ケンリッヒ侯爵たちの船ですわね……後ろでボーグルさんが櫓を操っているのが見えます。」

 舟が近づき段々とその形状がはっきりしてくると、エミリアが小山の頂上付近までアルル達と駆けあがって沖合を確認しながら告げた。すでに左手には弓が握られ警戒態勢の様子だ。


「ああ……そうか……もう二ケ月経ったのか……なんだか早かったな……。」

 巧がポツリと一言……



「おお……久しぶり……元気だったか?」

 ケンリッヒ侯爵らを乗せた船が浜辺に乗り上げ、上陸してきた。


「はあ、こちらは何事もなく……日々を過ごしてまいりました。ハルクさんたちは毎日毎日結界を付与されておりましたけれど……私と巧さんは訓練とゼーンの修行以外は特にやることもなく……。」

 エミリアが真っ先に駆け寄り侯爵らを迎え入れる。


「いや……その訓練と修行が大切なのだよ……日に焼けたせいもあるが……すっかりたくましくなった様子だな。」

 エミリア達は気が付いていないようだが、色白のエミリアも、なかなか甲冑の面帯すら外そうとしなかった巧ですらも日に焼けて小麦色の肌は一段と健康的で、しかも逞しさを感じさせられた。


「北部山脈を巡回してくださる冒険者は見つかったのですか?」


「ああ……一つのチームだけじゃあ到底無理だと言われて……四つの冒険者チームにそれぞれ北部山脈を分割して回ってもらうことにしたよ。まあそのほうがよりち密に回れるだろうしね……かえっていいかもしれない。


 勿論ハリキルから緊急の依頼があったら対応してもらうようにも頼んでおいた。そっちの方は冒険者としての仕事でボーキサイよりも割増の報奨金も出るから、喜んで引き受けてくれたがね。


 それから……出発時にエミリアから託されたヘルムが打ち明けた千年前の勇者と魔王の確執というか、人類と魔族との争いの顛末に関してだが、とりあえずヘルムが言っていたことは我々四人で整合し、可能な限り正確に伝えて置いた。あまりに我々が伝え聞いていたことと違い過ぎるので、国王陛下以下国家の重鎮や聖教会の枢機卿も愕然としていたよ。


 こっちも時間がなかったからエミリアが次回ヘルムが保管していた当時の新聞広告を持ち帰るとだけ教えておいたが、こちらへ戻ってくるときに王都へ寄ったら、このままにしておくことも出来ないからと来月にでもボーキサイ国にて各国首脳とスムープ聖教会から教皇も招いて、せめて大陸内だけでも対応を話し合おうと決めたようだ。


 恐らくエミリア達が王都到着する時期に合わせて開催されるのではないだろうかな……まあなんにしても、魔族含めた魔物らとの向き合い方が……少しでも改善するようになればいいのだが……。


 あっ……あと……メンドー、スーバキ両国での河川流域変更工事だが……すでに着工されていて、こちらから大勢の人足を送り込んだことが幸いしてか工事はかなり早く進んでいるらしい。


 恐らく年末にはボーキ海へ流入させるための河川工事は終了予定のようだ。来年早々にも水位は上がり始め……うまくいけば当初予定通りに来春の終わりごろには水位回復だ。」

 侯爵が戻っていた期間の状況をかいつまんで報告してくれた。


「そうですか……流域変更工事が順調に進んでいるようで安心いたしました。魔物との向き合い方ですが……魔物保護に目を向けていただけるとありがたいのでしょうが……そういうとまた人間がこの世界の支配者であると考えているのだろうと指摘されてしまいそうで……ちょっと怖いですよね。」


 エミリアが感想を漏らす。


「驕った考えも何も……魔物の巣窟を掃討するとか駆除するとか言っている時点で、確かに魔物や魔族を邪魔者扱い……我々の生活圏にいてはいけない存在だと、暗に揶揄していたということに気づかされた。


 だが……今更どうする?魔物達との共生なんて……まず無理と俺は思っているぞ。魔族側が歩み寄ってくれれば魔族との共生はあり得るとは思うが……だが千年前の事……未だにその時から生きてきた魔族がいる訳だし……さすがに許してもらえるとも思えない。今回話し合ったところで……結論が出るのかどうか……難しいのではないかな。」


 巧は人間サイドの話し合いでの解決は難しいと主張。


「そうだな……俺も巧殿の考え方に同意するが……まあそれでもむやみやたらと……魔物は恐ろしいから姿を見つけたら駆除しますよ……と言った考えだけは改めて欲しいと思っている。彼らだって生き物なのだから、人に迷惑をかけない限りは生きていてもいいじゃあないか。」


 侯爵はいつもの持論をしみじみと語った。


「そういえば巧さん……この間魔族が巧さんの過去について話していたではないですか……それで……侯爵が以前シャッハという宗教を崇める民族の方々を招いた時に護衛で同行していた人物の一人が巧さんであると、冒険者組合へ身元保証を行ったのよ。聞いた話から察するに、まあほぼ間違いがない事実だからね……。


 一応国籍も名前も明確になったということで……巧さんの冒険者としての肩書は仮ではなく正式なものとなったから、下半期から昇級試験が受けられることになったわよ。


 それで……特級試験を受けるには特級冒険者二名以上の推薦が必要なのだけど、侯爵とブルさんが巧さんの……私とボーグルがエミリアちゃんの推薦人として冒険者組合に届けておいたから、巧さんは全く考えていなかっただろうけど……昇級試験受けておいてね。」


 すると今度はパステルがとんでもないことを告げて来た。


「おっと……そうそう……大事な話を言い忘れておった。当たり前だが初級冒険者がいきなり特級冒険者への昇級試験を受けられることなど普通はあり得ない。上級昇格試験ですら相当年数実績を積んでいなければ受理されないだろう。


 それでも推薦した際、巧殿は本人の諸事情の為昇級試験が受けられないでいたことと、それまでの実績を誰もが知っているということであっさり受理された。


 エミリアの場合は実績から見て十分な実力はあるとの見方はされたのだが何分若すぎるということで……組合は渋ったが、当時女性初の特級冒険者になるだろうと誰もが信じていたが結婚のため現役引退したターメルの血筋を引いた娘であることを強調し、実力があれば歳など関係ないのだと強く主張して受理させた。


 そういうことだからよろしく……まあ推薦者の名を汚すようなことは決してないとは思うが……初級からいきなり特級試験だからな……緊張しないよう頑張ってくれ。」

 すっかり失念していた侯爵は、それでも満足げに笑顔を浮かべながら巧とエミリアの顔を順に眺めた。


「はあ?無理無理無理無理ですって……絶対に無理っ!中級への昇級試験を受けようと考えていたら巧さんが実力差がありすぎて相手がかわいそうだから、上級試験を受けろと言って来て……上級試験ですら自信がないというのにいきなり特級試験だなんて……とんでもありません!恐らく緊張でがくがくで……体が動かなくて模擬戦で死んじゃいますよ。」


 パステルの言葉に早々に反応したのは巧ではなくエミリアだった。大慌てでパステルに縋りつこうとする。


「大丈夫よ……エミリアちゃんの実力だったら……間違いなく特級に受かるから。魔族の眷属だって平気で倒していたじゃない……特級試験を受ける冒険者だって一対一なら熟練の眷属ほどの実力はないわよ……だから安心して。


 それに……私も巧さんの考えに賛成するわ……今のエミリアちゃんが中級や上級の昇級試験を受けるのは……模擬戦の相手がかわいそすぎるわよ。見た目はかわいらしい若い女の子だから……あっさり二本とられて負けたら二重にショックよね。もう冒険者を続けられなくなるくらいのショックを受けるかもしれないわよ。


 そもそも魔道具まで繰り出されたなら……未熟な冒険者だったら避け損ねて下手すりゃ大怪我よ。上級の昇級試験を受けるつもりなら魔道具は禁じてね。特級試験以外では使ってはダメよ。


 どうしても中級試験から受けたいというのであれば……ワンちゃんたちも禁止ね……弓だけで受けなさい。私の見立てでは弓だけでも十分上級に受かると思っているけれど……。」

 仕方なくパステルは、魔道具もアルル達も禁止という妥協案を示した。


「ああ……まあそうだな……当然魔道具はなしでアルル達もなしであれば……弓だけなら相手の自尊心も傷つけずに済ませられるかもしれない。いや……かえって逆効果かもな……やはり……上級試験から受けることはできんか?」

 巧までやって来て腕組みして考え始める。


「たっ……巧さんはどうするのですか?いきなり特級の昇級試験を受けるのですか?」


「ああ……俺は別に特級だろうが何だろうが気にしないから、受けられるものを受けるぞっ!


 なんせ落ちようがどうしようが……初級のままだろうが何だろうが別にどうでもいいからな。ただエミリアか俺かどちらかだけでも上級にはなっておきたいというだけだ。そうでなければ来年以降冒険者組合で仕事を貰いづらくなるかも知れない……まあ実績があるからすぐにどうこうは言われないとは思うのだが……。」


 巧は真顔で答えた。


「ああ……そうか……そうですよね……巧さんは問題なく受かるだろうし、私の場合は落ちたらまた半年後に受け直せばいいのですよね……だったら……分かりました。私も特級受けます。魔装具もアルル達も……全開で……。」

 エミリアは軽く微笑みながら吹っ切れたような清々しい表情を見せた。


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