ターメリアへ
2.ターメリアへ
「それで……どうしてこんな羽目に?」
六頭立ての大きな客車の中で巧が眉を寄せ目を細めながらエミリアを睨み付ける。
「こんなって……何がですか?」
「何がって……エミリアの愛犬たちはともかくとして……どうして俺までが一緒にターメリアまで出向かなければならないのかと聞いているのだ。」
「あらっ……だって、巧さんもご一緒でなければ私はメンドー、スーバキ国との交渉の場には出席しないって宣言したではないですか……ですから巧さんもご一緒に……交渉を成功させるためにターメリアの支援を得に向かうわけですよ。
王様の親書は預かっていますから、これでも立派な外交大使ですわよ。」
エミリアは快活に満面の笑顔で答える。そう……エミリアの父と外務大臣の子爵からメンドー、スーバキとの交渉の席に立ち会って解決に導くことを切望され逃げ場を失ってしまった時、エミリアはこう切り出したのだ。
昨日……
「分かりました。会議には出席いたします。ですが……巧さんにも同席して頂きます!さらには……アルルとぺリルにも……みんなが同席しなければ嫌です!」
逃げ場を失ったエミリアは、巧たちを巻き添えにしようと企てた。
「はあ?おっ……俺……まで……?」「くわんっ?」「くん?」
「おっ……おお……そんなことならお安い御用じゃ……巧殿はエミリアと共にこれまでも……これからも行動を共にするはずだから問題ない……外務大臣の護衛として仕事を請け負って頂ければ良い訳だ。仕事としてならお願いできるじゃろ?」
エミリアの父のシュタインベック公爵は、エミリアと巧は既にセットであるとばかりに仕事をねじ込んできた。
「えっ……えええっ?……そっ……えーと……その……。」
いい答えしか期待してなさげに満面の笑顔で詰めよってくる公爵の圧にたじたじの巧……
そうして現在……
「そりゃあまあ……外務大臣までご一緒なのだからな……だが……ターメリアとの交渉の場にまで俺が必要なのか?俺は……ハルクが調べれば何かわかるかも知れないと言っていた、俺を救ってくれた村から王都へ出て行方不明になった娘の行方を捜したかった。もし無事でいるなら説得して村へ帰すし、騙されて働かされているなら救いだしたい。」
ハルクが行方不明になったという女の子の名前や最初の住所など聞きだしていたことを問いかけてみると、ボーキサイ国では戸籍のほかに住民台帳というものが存在し、正規に住んでいる住民は台帳に住所氏名の記載があるらしい。
仮に犯罪がらみで行方不明になったとしても、最初の住所から行先の目星が付くこともあるそうで、個人情報保護の観点から一般に公開されているわけではないが、ハルクは冒険者の袋の結界担当者だから戸籍台帳や住民台帳を閲覧する権限があるらしく、調べてみると言ってくれたのだ。
「まあでも……簡単ではないかもしれないと言っていたではないですか……なんたって王都は百万都市ですからね。
百万もの人が住んでいるわけですから……台帳は住所別で名前順ではないから時間がかかるって……だったらちょっとくらい寄り道していてもいいじゃあないですか……ゼーンの修行は……一人でやっていても辛いだけですし……それでもこの前巧さんに言われたことを念頭に……私なりに色々と考えてみたわけですよ……。
そうしたらパステルさんに……少しは成長したかもしれないって言われて……私も段階を上げる日は近いですよ。
一緒に修行して成長していきましょうよ……ハリキルへの道中……私は宿での宿泊を希望しましたのに……どうしても野宿という巧さんの主張に折れ、ボーキサイ国内のほとんどは野宿したのですからね……。たまには私の要望も受け入れてください。」
エミリアはきっぱりと言い放ち、馬車の最後尾の座席を倒し始める。どうやらハリキル内を移動する時に使った馬車と同一仕様の客車を手配したようだ。旅をするなら断固歩きと巧は主張したのだが、交渉相手がターメリア国防大臣と外務大臣であり、ボーキサイ外務大臣であるシュトラセン子爵が同行することになった。
大臣だけ馬車で行けばいいと巧は主張したのだが、ボーキサイの現状では大臣の移動時に国軍を警護に就かせるだけの金銭的余裕は到底なく、巧は護衛の冒険者として無理やりしかも往復で銀貨十枚という格安で仕事を引き受けさせられ同乗させられているのだ。おかげで大臣と共に野宿ではなく全て宿に宿泊しなければならなくなった。
急ぎの旅なので馬車は深夜まで走り、宿には仮眠程度で早朝には馬を代えて出発し、一路西へ西へと街道を進んで行く。
八日間で西方の大都市フーセンに到着……そこで大型客船に馬車ごと乗りこみ国境を流れる大河ボキタメまで運河を西へ航海していく。主要都市以外は着岸せず昼夜通して船は進んで行くので大幅に時短が可能だ。
「いやあ……楽ですね……食べて寝ているだけで国境まで運んでいただけるだなんて……これは……ゼーンの修行がはかどりますよ……。」
豪華な造りの客船のラウンジのソファでくつろぎ、果実ジュースの入ったグラスを片手にエミリアは上機嫌だ。着ているのは革ドレスではなく、エールの洋品店で悩みに悩んで買ったおしゃれなドレスだ。
「そんなひらひらの裾で丈の短いドレスで……胡坐をかいて修行などできんだろ?それに……他の乗客の目もあるのだから、少しはしゃんとしていないとダメだろ!」
いつも通り甲冑姿の巧がたしなめる。
「一日くらいはいいじゃないですか……ねっ、アル……ペル……?」「くわんっ?」「くーん。」
これまでずっと緊張の連続の旅を続けて来て……この後はまたまた緊張する外交交渉が待っている。エミリアも少しは羽を伸ばしたいと考えても無理はないのかもしれない。
四日間の運河航行後国境を越え、馬車に乗り替え連日連夜の強行軍で五日でターメリア王都ターメンに到着。その間連日のように巧が冒険者組合へ寄って、魔物関連の仕事がないか確認したいと主張したのだが、急ぎだからとすべて却下。馬車はひたすらターメリア王都へ急いだ。
「成程……貴国側の主張は理解いたしました。また……ボーキ海の現状を鑑みるに……その主張の根拠の正当性も確かなようですね。その上で……恩恵だけを受けている側のメンドー、スーバキ両国に対しても、少しはボーキサイ側の苦労を理解してほしいと……ですが貴国のその主張を認め、早々に戦争を終結させて講和条約を結んだのではなかったでしょうか?
戦況は圧倒的にメンドー、スーバキ両国に有利であったにも関わらず、戦争勃発の原因となった両国の漁船拿捕被害の賠償金など一切請求なく、貴国は何ら責任を負うことなく戦争終結に至った。元々……両国ともにボーキサイ国を征服しようとか、属国にしたいなどとは考えていなかったようですからね。
ボーキサイ国内に直接攻め込んで国土が荒れたり住民に被害が及ばぬよう……国境の山間部のみで軍隊同士の戦闘が行われていただけでしたから……ですが国境線はかなりボーキサイ側へ後退していた……これ以上戦況が拡大すると国境が山脈内ではなく、山脈の手前側の平地にまで変更になる恐れすらあったほどです。
それでも国境線は戦争勃発前と同じ、山脈の中間点と定められました。それだけでよろしいではないですか。
貴国はこれ以上、何を望まれているのです?」
ボーキサイ国王の親書をターメリア王と政府に届け、ターメリア外務大臣と直接交渉に入る……が、一読でボーキサイ国側の主張は退けられ、ターメリアがボーキサイの後ろ盾になることは断られた。
会談はターメリア王宮の外務大臣執務室で行われ、これが正式な外交交渉でないことは誰の目にも明らかだった。ボーキサイ国は圧倒的不利な状況を打開できたにもかかわらず、講和条約が締結された背景の事由に関して対処せず、メンドー、スーバキ両国を困らせようと事態を悪化させたままにしていると受け取られているようだ。
その為、ターメリア国側は外務大臣と秘書のみが対応し、交渉内容を文書にまとめる書記官すら参加していない状況だ。
ボーキサイとメンドー、スーバキ間の板挟みとなった形のターメリアだが、未だにボーキサイ側の主張は完全には認められていないのかもしれない。それでも王の親書まで携えてはるばるやって来た使節団を簡単に追い返すわけにはいかず、話だけでも聞いておこうと内内に打ち合わせの機会を作ったのであろう。
「ですが……ボーキサイ国はメンドー、スーバキ両国との講和条約の前提条件である、ボーキ海へ流入する川の水を農業関連の耕作や生活用水として一切使用しないことを守っておりますよ。ボーキ海の水位が短期間で回復しないのは自然の摂理であり、決してボーキサイ側で調整しているわけではありません。
にもかかわらず両国はこれ以上水位が回復しなければ、今度は本気でボーキサイへ攻め込んで属国とすることも検討すると脅してきております。これは……侵略行為ではないのでしょうか?」
エミリアはいつも通りに正装と目される革ドレス着用で、巧も甲冑姿で帯刀せずに兜は脇に抱え、子爵は誂えたばかりのスーツ着用。アルルとぺリルの二匹は入室を断られたので、王宮外に繋がれている。
「成程……ボーキサイは長年にわたり国民に不自由な生活を強いてきた。それらは全てボーキ海の豊かな恵みを維持するために必要な事であったが、長く続く戦火で疲弊した国力で、飢えに苦しむ民の救済のためにその禁を破った……との事でしたね?おかげで毎年不作に苦しむ夏野菜の生育も順調で、酪農業も好調……国民らは飢えを凌げたと……。
ですがボーキ海の水位が下がってしまった……おかげでメンドー、スーバキ両国は大打撃をこうむってしまった。
決して意図的ではなく……これからは再び川の水は使用せずボーキ海の水位を下げることはしないと……その主張を受けて、メンドー、スーバキ両国ともに来年以降は夏場に野菜と家畜肉を無償で供給すると約束したわけです。
これで……間違いはないでしょうか?」
外務大臣も仕立ての良いスーツを着用し、恰幅のいい体型はいい意味で威厳すら感じられ、それでも人懐っこい笑顔を時折見せ敵意は感じられず、どちらかと言えば平和裏に解決するための妥協点を見い出すためのボーキサイ側の主張を聞きたいと言った処なのかもしれない。
「はい……仰る通りで御座います。我が国はあくまでも……国民らの飢餓状況を打開すべく……川の水を農業用水に使用すれば豊作が望めるであろうと……そう考え古来よりボーキサイ国民の義務として教えられてきたことを、やむを得ず破る決断に至った次第で御座います。決してメンドー、スーバキ両国に迷惑をかける趣旨で行った訳では御座いません。」
外務大臣である子爵がエミリアに代わって答えた。
「ふうむ……警告はされましたか?」
『はあ?』
外務大臣の言葉に、エミリアも子爵も驚いて目をむく。
「川の水を使い始める前に、こうなるべきことが予想されるから両国ともにこのまま戦争継続でよろしいでしょうかと……警告と申しましょうがお断り……ですかね……自国の民のためにやむを得ず川の水を使うから、ボーキ海は干上がるが仕方がないですよね?わが国はボーキ海の水位を保つためにこれまで苦労をしてきたのですよと……。
そう言った趣旨の問いかけがあって然るべきではないものかと……考えてしまうのですがいかがでしょうか?
そうすればかような現状に至らずとも……もっと早くに……戦争終結へ向かったはずではないのでしょうか?」
ターメリア外務大臣は何ら予告もなしに川の水を使ってしまったことの責任を追及している様子だ。
「勿論……貴国の主張は理解いたします……ボーキ海の水位を保つ為に多大なご苦労をされてきたというのに……その恩恵を一番に受けているのは沿岸部でサメの養殖を行って魚卵缶詰で外貨を得ているメンドー、スーバキ両国ではないかと。
もともとサメの魚卵缶詰はボーキサイ国独占の産業で……メンドー、スーバキ両国でもサメ漁は行っていたが大型船が着岸できる漁港が両国にはなく、遠浅の海に小型船だけで大量のサメを運ぶことはままならず結局ボーキサイの港に水揚げせざるを得なかったとお聞きしております。
ところが浅瀬でもエビの養殖などで培った技術を転用すれば、サメも稚魚のうちに収穫して養殖可能であろうと気が付いた。大型船で浅瀬近くまで持ち込めば、稚魚であれば小型船でも大量に運べるでしょうからね……そうして大きくなるまで浅瀬に作った養殖場で育ててから収穫して魚卵を採取する……いわば技術革新と言えるでしょうね。
おかげでメンドー、スーバキ国でも魚卵で外貨を稼げるようになり、ボーキサイ国独占ではなくなった。それを面白く思わないボーキサイ側が一方的にボーキ海半分の領海権限を主張し、暴挙ともいえる漁船拿捕を始めた。
それが戦争のきっかけとなったわけですが……確かにボーキサイ側の主張にも確たる理由があったと今回初めて分かったわけですよね……それだけ辛い思いを国民に強いていたわけですから。ですが……どうしてまた……まずは交渉で平和的に解決しようとせずに、暴力的なやり方で解決を図ったのでしょうか?
川の水を使用するのをやめたところで、すぐにボーキ海の水位が上がることはないという理由も理解いたしました。ですがそれも分かっていながらどうしてまた……かような愚かともいえる行為をなさったのか……簡単に元へは戻らない自然破壊ともいえる愚挙を行った……この責任はどう取られるおつもりなのでしょうか?」
話し合いで解決しようともせずに……川の水を使ってしまったのは暴力ともいえる行為だと……その責任追及をしているようだ。
「ボーキサイ国民が川の水を使わないで生活しているということは……大陸内では有名な事であり、その理由も他の国でもご理解いただいているものと考えておりましたが……間違っておりますか?」
おもむろにエミリアが口を開いた。
「はあ?あっと……そうですね……隣国ということで……私もボーキサイ国は戦争勃発前……子供の頃などはちょくちょく訪問したことは御座います。
秋口に訪問すると……市場は野菜も肉も……魚以外の食料品はどれも高騰し、水も貴重品で瓶に詰めて売られていたほどで……物価が安いと聞いていたボーキサイ国なのに、宿の食事は全然足りずに不自由な思いをしたことを覚えております。
その時に……ボーキサイ国では先祖からの教えを固く守り、川の水を農業や生活に一切使用しないのだと……水は井戸水かため池の水しか使用できないのだと聞かされ……どうして川の水を使わないのかと首を傾げた記憶が御座います。
ですがその理由までは分からず……私はうすぼんやりと……宗教的な事由があるのではないかと……そう理解しておりました。」
外務大臣は川の水を使用しないことは知っていたが、その理由は知らなかったと主張する。
「大臣はターメリアの方なのでご存じなかったのかもしれませんが……私はメンドー、スーバキ両国は理由も分かっていたとそう考えております。
なぜなら……戦争勃発の原因となった……ボーキサイ国がボーキ海半分の領有を主張したときの言い分が……先祖より伝わる教えを固く守り、川の水を使わずボーキ海へ貢献しているのだから……しかもボーキサイ国はボーキ海のほぼ半分の沿岸部を有しているのだから、半分の領有権を主張するとあります。
つまり……川の水を使わないことでボーキ海を維持していると主張しているのです。」
エミリアが大臣の主張に対し反論する。
「ああ……まあ……川の水を使わないことがボーキ海の水位に関係しているということまでは……理解していたとは到底思えない。例えば……ええと……そうですねえ……天の神様の怒りを買うなんて迷信じみた教えとか……川の水を使ってからまた戻すことで川が汚れひいてはボーキ海が汚染されてしまうと考えていたのではないでしょうかね?」
「そうでしょうか……迷信はともかく汚染されると考えていたのでしたら、川の水を使わないことでボーキ海に多大な貢献をしていたことは認めていたはずですよね?おかげで夏は作物が採れず家畜は育たず、大変な苦労を強いられていたわけです。」
「はあ……まあ……そう考えられないことはないでしょうね。ですがその程度であれば……戦争終結すればすぐに解決したはずではないですか?水位が下がってしまって……それが簡単には元通りにならないのですよ!その責任をどうされるのか……そこが問題ではないのでしょうか?」
大臣はあくまでも水位が下がってしまった責任追及をやめようとはしない。
「どうでしょう……川の水が汚れることによってボーキ海が汚染されてしまったなら……魚卵どころか魚や貝類も獲っても食べることも出来ない……もっと大きな問題がしかももっと長く続くことになるはずです。
なぜならボーキ海は内海でどこにも流出する先がないのですから……汚染が薄まることはありません……自然浄化に任せるしかないのです。今回は水位低下だけで済んでよかったと、逆に考えるべきと私は主張いたします。
メンドー、スーバキ両国ともにボーキサイ国の多大なる犠牲の上に成り立っていることを承知していた証拠として……ボーキ海の水位が下がった時点ですぐにボーキサイ国側へ問い合わせがあり、今後ボーキサイ国民が川の水を使用しないのであれば一切の賠償請求をしないことを約束して頂き終戦と相成りました。
ですが……普通は川が干上がったり湖の水が枯れたりしたなら……天候不順を疑いませんか?」
エミリアが自信満々で主張する。
「ははあ……成程……確かに……ターメリア国内でもまれに……それこそ何十年かに一度くらいは天候不順で川の水が枯れ、湖が干上がることはありますね。確かにその時に民に川の水を使ったかなどとは聞かない……。」
「二期作目の水田の水に川の水の利用を許し、ため池の水は夏野菜や家畜用に回せと通達したところ……ひと月目にはメンドー、スーバキ両国から川の水をどうしたのだとの問い合わせがあり、飢えに苦しむ民のために川の水を使用することを許可したと返信したらすぐに停戦の申し出と、来年より夏場の野菜と家畜肉の無償供与の通達が御座いました。
そうして講和条約締結まで……ひと月もかからずにすごい速さで進んだのです。ですがよく考えて見ましたら……ボーキ海のはるか遠い対岸へ注ぐ川の水量など……両国側からどうやっても知る術もない事。どうして川の水のことを真っ先に問いかけてきたのか……そうして以降は川の水を使用させないことを約束したらすぐに納得したのが不思議です。」
今度は子爵が当時不在だったエミリアの代わりに応えた。
「おやおやそれではメンドー、スーバキ両国では戦争勃発当時から、ボーキサイ国のボーキ海への貢献は重々承知したうえで……それでも自国の利益のみを追求し、ボーキサイ側の主張を無視し、さらに力づくで止めようとしたことを無謀で愚かな行為であると主張し、戦争に踏み切ったと仰るのでしょうかね?
さすがに戦線を拡大させてボーキサイ国を侵略しようとはしなかったとはいえ……確かにちょっと乱暴と言えますね。
うーん……ですが……そうはいってもやはり大きな自然破壊……簡単に復帰できない事態にまで発展させてしまった責任は……かなり重いと考えますよ。
確かにそれなりに納得できる理由があったのは事実でしょう……ですが後戻りできないことを始める前に……まずは外交努力をするべきではなかったかと……私は考えますね。
メンドー、スーバキ両国から同盟を申し込まれた戦争開始当時に伝えられた内容は、かなり事実を曲げられていたのだと今なら理解できますが……それでも対話による外交努力を怠った罪は重いでしょうね。その責任追及は……逃れられないと私は考えておりますが……如何でしょうか?」
エミリア達の言い分は大まかには認められたのだが、ターメリア外務大臣は簡単に修復できないことを知りながら行った愚挙に対する責任をどうとるのか、その点が重要と回答を求めてきた。




