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【第十七話】護衛隊の朝

 朝。


 叩き起こされた。


「起きろぉぉぉ!!」


 ドンッ!!


 扉が蹴り飛ばされる。


「うおっ!?」


 ハルが飛び起きる。


 視界に入ったのは——


「訓練だ!!」


 シャマリだった。


「朝から元気すぎるだろ……」


「元気じゃなきゃ死ぬぞ」


「極論だな」


 ベッドから降りる。


 横を見る。


 リーフィアは、すでに起きていた。


「……早いな」


「……寝てない」


「なんでだよ」


「……うるさい」


 外の音のことらしい。


 確かに。


 外はすでに騒がしい。


 怒鳴り声、足音、衝撃音。


 完全に戦場だった。


「ほら行くぞ!」


 シャマリが腕を引っ張る。


「ちょっ待て——」


 強制的に連れていかれる。


 訓練場。


 広い。


 そして、やばい。


 全員が、ガチだ。


「……やめて帰りたい」


「帰れねぇよ」


 リッパーが後ろから言う。


 いつの間にかいた。


「見てろ」


「何を」


「地獄だ」


 嫌な予感しかしない。


「開始!!」


 シャマリの号令。


 瞬間。


 空気が変わる。


 剣が振られる。


 魔力が走る。


 地面が割れる。


「……え、なにこれ」


「日常だ」


「嘘だろ」


 そのとき。


「お前」


 バルザスが近づいてくる。


「来い」


「……え?」


「来い」


「拒否権は?」


「ある」


「あるのかよ」


「だが来い」


「ないじゃねぇか」


 次の瞬間。


 視界が揺れた。


「ぐっ!?」


 気づいた時には、地面に転がっていた。


「……は?」


「遅い」


 バルザスが言う。


 表情一つ変えずに。


「……今何した」


「殴った」


「分かるけど速すぎだろ」


「慣れろ」


 無茶だった。


 だが。


 少しだけ、笑った。


「……いいなこれ」


「そうか」


 バルザスは頷く。


「壊れないなら、伸びる」


「雑な評価だな」


「正確だ」


 そのとき。


「……ハル」


 リーフィアの声。


 見ると。


 なぜか囲まれていた。


「……なんでだよ」


「……興味持たれてる」


「嫌な理由だな」


 完全に囲まれる。


 そして——


「開始だ」


 リッパーの声。


「……え?」


 終わったと思った。

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