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ワケあり奴隷を助けていたら知らない間に一大勢力とハーレムを築いていた件  作者: 黒白鍵


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ワケあり11人目㉟

前回でレイジュの一人称がミスしてたので修正しました。(私→わたし)

内容に変化はないです。

あと、いつもリアクションや感想は目を通しています!

個別返信とかは公平のためにしてませんが、励みになってます!

誤字脱字報告をしてくれる方も、いつもありがとうございます!

いつも読者の皆さんに支えられております!

「やれやれ……ようやく落ち着けるな」


 大きくなったレイジュ様を拾ってから丸1日。

 俺たちは国境に1番近い、大きな街で休息を取っていた。

 休息ついでに、レイジュ様から色々と話を聞いておく意味もある。


「で、10年も精霊界にいたって?」


 街で1番大きな食事処の大きな個室に入り、俺と幹部組とレイジュ様で席に着く。

 注文は他のメンツに任せ、俺はレイジュ様から事情の聞き取りを開始。

 言葉遣いに関しては、丁寧にするとレイジュ様が拗ねて答えてくれなくなるので素の口調にした。


「そうなんですー。最初に襲われた時、精霊さんたちが周囲に影響を及ぼすほどの大きな力を使ってしまって、その影響を抑えるために精霊王さんが来たんですよー」


 マイペースそうに語尾が伸びるのは相変わらずだが、大人に近付いたからか、前よりもハッキリと喋るようになっている。

 この辺りも、時間の経過によるものなのだろうか。


「精霊王さんが私の事を気に入ってくれたので、ついでに助けてくれるという話になりましてー。わたしを精霊界に匿ってくれようとしたんですけど、皆さんを助けてほしいってお願いしたら、助けてくれる代わりに精霊王の関わった記憶は消すという条件でしたー」


 記憶が消されていた理由は、精霊王という存在が関わっているようだけど……人嫌いなのか、それとも規則的なものなのか、判断に困るな。

 まあ、最終的に記憶を戻してくれたのはレイジュ様がお願いしてくれたからか、それとも向こうなりの配慮なのか。

 まあ、どちらにせよ人間の尺度で測れないのは確かだ。


「それから、わたしは精霊界で色々と学んで強くなりましたー。服とか色々と問題はありましたが、その辺りは精霊さんたちが助けてくれたんですよー」


「しっかしまあ、すっかり大きくなっちまったなー。つい1ヵ月前なんてこんなにちっこかったのに」


 話を聞いていたジェーンが、まだ6歳児の頃のレイジュ様の大きさを懐かしむように話すが、本当にその通りだと思う。

 というか普通、急に大きくなって帰ってくるとか思わんって。

 そもそも記憶消されてたから、レイジュ様が消えた事にすら気付いていなかったけどさ。


「とりあえず、無事だったから良かったけれど、あのマジャンとかいう竜人族、相当やり手よ? 私たちの情報網をすり抜けて奇襲をかけて来たんだから、これからもっと警戒しないと」


 こちらに警告を促すように言うエスメラルダだが、彼女の事だから既に色々と部下に調べさせているだろう。

 というか、王都に戻ったら指示を出すつもりだったし。


「どうせもう調査追跡指示出してんだろ? 俺の方からも頼むつもりではあったけどさ」


「危機感を持ってくれてるならいいわ。これで危機感無かったらシャルロットにお仕置きしてもらうところよ?」


「それは勘弁してもらいたいな……っと、とりあえず食べながら話そう」


 適当に注文を任せていた料理が運び込まれてきて、テーブルに置かれていく。

 量がとんでもなく多いのは、カナエがいるから驚かないが、料理を運ぶ店員は顔が引き攣っている。

 そらそうなるわ。


「10年間精霊界にいて、何か独自に掴んだ情報とかはあるか?」


 とりあえずサラダをパクつきながら問い掛けると、レイジュ様は少し考える素振りを見せた。

 どういう順で話すかを考えている、という感じに見える。


「精霊王さんから聞いた話になるんですけど、わたしたちを襲ってきたマジャンという男は、精霊を殺す何かを持っているみたいですー。それが何なのかまではわかりませんけど、精霊王さんは何とかしてほしいって言ってましたー」


 精霊側からしても、マジャンはお尋ね者というわけか。

 そういう意味では協力戦線を取れたら楽そうではあるが、向こうのスタンスとしてはあまり人間に関わらないという感じがするから、難しそうだ。

 とはいえ、レイジュ様は精霊の力を借りられるみたいだし、戦力としては頼りにしてもいいのかもしれない。

 一応、年齢という意味では戦えるわけだし。


「あ……レイジュ様の事、陛下にどう説明したらいいんだ……?」


 レイジュ様の身を危険に晒した挙句、精霊界に行って10歳分成長してきました、なんて言った所で信じてもらえるはずは無いし、ある程度は本人を連れて行けば何とかなるとはいえ、それはそれで彼女を危険に晒したという事実は消えないし。

 何なら陛下よりも王妃様の方が怖いわ。

 あの人、俺よりも余裕で強いし。


「大丈夫だと思いますよー。わたしからも事情は説明しますしー」


「そうだといいな……」


 これ以上、今回の事情説明について考えると食欲が無くなりそうだったので、一旦棚上げとしよう。

 おおよその方針は決まったし、あとは王都へ帰るだけだ。

 一応、先触れは送ってるから、状況は伝わってるはずだし。


「あ、カナエ! それはあたしのだ!」


「早い者勝ち」


「ちょっと! 私の脚蹴ったのは誰かしら!?」


「あわわ、皆さん落ち着いて下さい!」


 料理がどんどん運び込まれ、ガヤガヤと食卓が五月蠅くなっていく。

 こういう状況で、後の事をあれこれ考えてるの、アホらしくなってくる。


「……全く、俺の気も知らないで」


 思わず、愚痴を零してしまったが、みんながいつもと変わらなくて救われている部分もあるんだよな。

 今もこうしていられるのは犠牲が出てないからだし。


「うふふ、皆さん賑やかですねー」


 ちゃっかり俺の隣にいるレイジュ様は、ニコニコ顔でご機嫌そうだ。

 王城だと、こんなにガヤガヤした食事なんてしないだろうしな。

 きっとそういう所が新鮮なんだろう。


「慣れたらうるさいと思うようになるぞ。まあ、これが日常、って感じもあるけどな」


「わたし、本当にハイト様に嫁げて良かったですー。将来的にはお姉様たちも一緒にいられると思うと、わたしたちは本当に王族なのかと思っちゃいますねー」


「まあ、普通は同じ所に王族の娘が全員嫁ぐなんてあり得ないからなー……ホント、陛下たちの考えは理解できないよ」


 気付けば、レイジュ様と会話を弾ませながら食事を進ませていた。

 最初の頃なんて、王族だからとめっちゃ気を遣っていたのに、砕けた口調で話すようになってからは、レイジュ様と話していて心地よい。

 ベースがのんびりおっとりなタイプだからか、基本的にこちらの話を良く聞いていて、かと言ってずっと聞いているわけでもなく、ちゃんと会話に参加している。

 ベースが聞き上手で、癒し系な声をしているだけに、こちらも無意識にどんどん話してしまう。

 ほんと、最初はシャルだけいればいいやって思ってたのに、自然とレイジュ様と結婚した後の未来を思い描いてしまい、自分の考え方の変化に自嘲したくなる。

 けど、それは転生前の感覚であって、今の考え方の方が、よりこの世界の考え方には即しているんだよな。

 いつまでも日本人の感覚を捨てられないな、なんて思っていたはずなのに、いつの間にかすっかりこの世界の考え方に適応していた。

 でも、これからずっとこの世界で生きていくのだから、この変化は喜ぶべきものだ。

 そんな事を考えながら、俺はみんなとの食事時間を楽しむのだった。

色々あってこの世界に染まってきたハイトくん。

なんやかんやと言いつつやっぱりハーレムに憧れはあったりする。

だって男の子だもの。

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