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ワケあり奴隷を助けていたら知らない間に一大勢力とハーレムを築いていた件  作者: 黒白鍵


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ワケあり11.8人目

仕事などが色々と立て込んでいたので更新が遅れました。

来週いっぱいくらいまでは忙しい見込みなので、少しばかり更新が滞ります。


今回はオルフェ視点です。

「次はあそこです!」


 自ら馬を駆り、100騎の騎兵を指示して、戦場を転戦する。

 そんな機会があるなんて、思ってもいなかった。

 ほんの少し前に、当主様から指示を受けた時は、兵士さんたちの命を預かる事になるなんて、想像もしていなくて。

 その責任の重さに、吐きそうにもなったけれど。

 今は、どうにかやれている。

 信頼して任せてくれた当主様のためにも、失敗はできない。


「オルフェ様、敵兵の掃討を終えました!」


 考えれば考えるほど、精神的にいい事は無いので、夢中で馬上から斧槍(ハルバード)を振るっていたら、100人の騎兵部隊の隊長さんが敵を殲滅したと教えてくれて、私はハッと我に返る。

 昔から盗賊のような悪い人間を殺す事はあったし、敵となったからには相手を殺す事に躊躇はしないけれど、やはり戦争というのはいいものではない。

 そんな場違いな事を考えながら、私は馬を走らせた。

 近くの連合国軍は態勢を立て直し、反撃を始めているので、ここはもう大丈夫。

 戦場を動き回り、連合国軍の状況が悪い所に切り込んで、敵を攪乱しつつ態勢を立て直させる。

 そんな事を幾度も繰り返し、そろそろ馬を休めるべきと判断して、私たちは一時戦場を離れていく。


「負傷者はいませんか?」


 パッと見ても見つからない程度には戦場から離れ、水分補給等の小休止をしているうちに、私は兵士の皆さんが怪我をしていないか見回っていた。

 大きな負傷者が出れば、すぐに知らせるようには言い含めているので、命に関わるような怪我をした人はいないのだろうけれど。


「掠り傷を負った者は数名いますが、戦場ではいつもの事です」


「オルフェ様が先頭に立って戦っておられるのに、弱音など吐いていられません」


 誰に声をかけても、掠り傷くらいで治療はいらない、と返事を返されてしまう。

 怪我人がいないのはいい事だけれど、ちょっとした掠り傷から感染症に繋がる事だってある。

 だったら、と全体に治癒力増加の祈術をかけるため、左手の触媒に魔力を集めた所で、兵士長さんに左腕を掴まれた。


「まだ戦は終わっておりません。ご当主様ならば、そう長くは時間をかけないとは思いますが、今の段階では、先の事を考えれば消耗を控えるべきかと。もしかすると長丁場になるかもしれませんし、温存できるものは温存するべきでしょう。今、魔力を消費してしまったがために、後に重大な負傷を癒せないのはまずいですからね。掠り傷のみとはいえ、兵たちは各々で応急処置くらいはしております。セファリシア様からの教育で、戦場の傷から起こる感染症など、みっちりと叩き込まれておりますゆえ」


 兵士長さんから諭されて、そういえば今回同道している兵士さんたちは、選りすぐりの精兵100人だったと思い出す。

 ただでさえ過酷な訓練に身を置いているリベルヤ家の兵士さんたちだけれど、さらには厳しい規律と教養を叩き込まれている。

 私も一緒に学んだけれど、その甲斐あってか、リベルヤ家の兵士さんたちは雰囲気からして違う。

 連合国の兵士さんたちと比べると、うちの兵士さんたちが強いんだなってハッキリわかる。


「……失礼しました。休息を終えたら、また戦場に戻ります」


「はっ。定刻には出発できるよう支度を済ませておりますので、いつでもご指示下さい」


 それから、幾度かの休息を挟んで戦場を駆け回っていると、敵軍の勢いが目に見えて落ちた。

 多分、当主様たちが敵の主力を減らし始めたのかなと思う。

 勢いが落ちて、数的有利も失いつつある敵軍に対して、主力となる連合国の兵士さんたちはこの戦場を死に場所と定める覚悟を持った人たちばかり。

 どちらが有利になるかなんて、火を見るよりも明らかで。

 連合国軍が急速に敵軍を押し込み始めていく。


「ここまで来たら、私たちの役目は終わったも同然ですね。最後の休息を取ったら、当主様たちの元へ向かいます」


 最後の休息を取り始めた所で、私はふと思い出す。

 そういえば、レイジュ様はどこにいるのだろう。

 確か、王国側の戦争の時には前線の兵士たちを鼓舞する役割で、一緒に行動していたはずだけれど、連合国に援軍に向かう事になった時に、そのまま一緒に来ていたはず。

 当主様がわざわざ危険な行動に連れていくはずも無いし、かといって私たちの方に預けられているでもない。

 エスメラルダさんの方に預けていたでしょうか?

 記憶を辿ってみても、そんな会話をしたり聞いたりした記憶が無い。

 そもそも、エスメラルダさんは暗部の指示出しとかで忙しそうだったし、余裕がありそうな感じはしなかったような。


「……後で確認してみましょう」


 まるで、レイジュ様の記憶だけが、すっぽりと抜け落ちているような、そんな感覚。

 私だけの勘違いならそれでいいけれど。

 微かな違和感を拭えないまま、私たちは当主様たちと合流すべく、最後の休憩を切り上げたのでした。

レイジュ、どこへやった?

というのも、実はわざと途中から彼女の存在は消しています。

今後の展開に絡むので、詳細は今後の更新をお待ち下さい。

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