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サバイバル九州ゾンビワールド  作者: 夕凪 響
乾坤一擲、徳之島自給自足
54/57

Airbag

「メグミちゃんなにがあったか説明できるかい?」


 そう訪ねてみるがよほど怖かったのか、イチゴから離れる様子はなく彼女のグスグスという泣き声だけが部屋には響いている。


「イチゴ、外の様子を確認してくる。

 外の様子に気を付けながらメグミちゃんの様子を見ててくれ」


「わかった!マサシも気を付けてね!」


 イチゴにメグミちゃんを頼んで、部屋のドアから廊下を窺う。

 廊下にゾンビの姿は見えず、やはりエントランスの方に人が集まり慌ただしくしている。


 刀とナタを腰に下げ、ランタンハンガーを右手に持って警戒しながらエントランスに歩いていく。

 途中、背後から物音が聞こえ振り返ると廊下の端から人がこちらに向かい歩いてくる。

 年は40くらいの身長170前後デニムパンツに黒色のパーカーを羽織り短髪の男だ。


「う゛ぁがぁぁあぅぅうういい」


 突然、叫びだし白く濁った瞳を血走らせ口元からはあぶくを垂らし50メートルほどの距離をあっという間に詰めて、両手を振り乱して走り寄ってくる。


 廊下は狭く人が2人ギリギリ擦れ違える程の幅しかない。


 呆っと見ている暇はなくランタンハンガーを左手を前に両手で右肩に担ぐように逆手に持ち迎え撃つ。

 相手が残り3メートル程の距離にくる。

 こちらから見て左側ゾンビの右側に抜けるように身体を萎ませながらゾンビの鼻を目掛けてランタンハンガーを投げ放つ。

 後ろを振り返らず、そのまま5メートルほど走り、振り返りながら刀を抜く。


 ランタンハンガーはゾンビの頭に突き刺さり動きを止め壁に、もたれ掛かるように倒れるところだった。


 辺りを見渡し新手がいないことを確認してゾンビの鼻穴からランタンハンガーを引き抜く。

 骨に擦れギッと嫌な音が鳴る。

 赤黒い糸を引く穂先をゾンビの衣類で拭い刀を鞘に戻しエントランスホールに急ぐ。


 階段の周りは物々しい雰囲気で武器を持った人間が7階から断続的に攻めてくるゾンビの対処をしている。


 オリベさんが指示を出している。

 班を構成し7階に向け突入するようで班ごとに列を組み7階へと2列ずつ15人ほどが階段を上っていった。


「オリベさん!なにがあったんですか?」


「7階で集団感染がありました!7階でシブヤ先輩を先頭に制圧中です!」


「シブヤさんが!」


 話している間にも2体のゾンビが階段から駈け下りてくる。


「う゛ぁぁぁぅぅうおおぉ」

「ぁぁあああぅうえええぇえぇ」


 盾を持った人間が4人集まり2体のゾンビを足止めしその後ろから鉄パイプを持った人間が頭を狙う。

 ハウステンボスでよく見た動きだと思っていたら盾持ちがゾンビの勢いに負けて1人後ろに倒れる。


「うわっ!た、たすけっ!」


 倒れた盾持ちの横をすり抜けて鉄パイプ槍を構えていた人間にゾンビが襲いかかろうとする。


「うわぁぁぁ!」


 鉄パイプ槍を持った人間もパニックを起こしたのか狙いが外れゾンビの肩に槍を突き立て喚き散らしている。

 ゾンビは両手を前に突き出し槍を持った男に覆い被さろうと距離を詰めていた。


 ランタンハンガーを構えてゾンビの横に回り込み、耳穴に向けて突き入れる。


「燕三条万歳っ!」


 脳漿をぐるりとかき混ぜ赤黒い糸を引く穂先を引き抜く。


 もう1体のゾンビも仕留めたらしく床に倒れていた。


 階段の方も見てみるが後続は無く倒れていた盾持ちも起き上がり大きく息をついているところだった。

 彼の肩を叩いて「油断するなよ」と軽く話しオリベさんの隣に戻る。



「集団感染ってどういう事ですか?」


「あなたは一般人ですか?良い動きしてますね?」


「一般人ですけどハウステンボスで探索班してたので慣れはあるかも知れません」


「なるほど、なるほど。

 集団感染ですが7階の2部屋で感染者が出たみたいで、その数を歩哨に立っていた保安がさばき切れずに拡大したみたいです!

 シブヤ先輩が気付いて周りの人間を起こして対応にあたってます!

 私は感染者の侵入が拡がらないよう防衛を」


「もしかしたら他の階段からの侵入もあるかも知れません、部屋からここに来るまでに2体のゾンビがいました」


「先程、船尾側にカワカミさん、船首側にミヤザキさんに行って貰ったので入れ違いに侵入したゾンビの可能性が高いです!

 手空きなら5階の安全確認をお願いしても良いですか?」


「大丈夫です!少し待って貰えますか同室の人間に話してくるので」


「わかりました、こちらも同行する人間を揃えておきます」


 オリベさんと別れ部屋に戻るとイチゴはベッドに腰掛けて、メグミちゃんを横にして休ませているところだった。


 イチゴに状況と6階は安全そうだという事を伝え、5階の安全確認を頼まれたから行ってくると伝える。


「私も行きたいけど・・・」


 そう言いながらもベッドを見やると泣き疲れたメグミちゃんが「うぅぅ」と言って寝返りをする。


「いや、メグミちゃんの事を頼む。

 主戦場は7階だろうし見て回ったらすぐ戻ってくる」


「うん・・・わかったけど気を付けてね?」


「大丈夫すぐ戻る」


 そう話すと軽く唇が触れ合うようなキスをして部屋を後にした。

またまた誤字脱字報告ありがとうございます┏○))

非常に助かります┏○))

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