凱旋
”デス・パレード”は終わりを告げたが、”リ・ポップ・カーニヴァル”は継続中だ。
女が、アースファクト兄様とマーカス、そして主従貴族たちに、全身全霊で奉仕活動をしている横で、 STの騎士ニーズから、”岩壁”で塞がれた後の話を聞いていた。
どうやら運良く、通路の魔物を討伐した後、次の魔物たちが押し寄せてくるまでの間に、外側の通路も”岩壁”で塞ぐことが出来たらしい。それで体力も銃弾も消耗せずに済んだようだ。そして現在、また小部屋を”岩壁”で塞いでいる。"岩壁”を発動させたのは、元・砦突破組の魔法使いジャクソンさんだ。捨て駒にされたジャクソンさんは、現在、アースファクト兄様たちに混ざって、楽しんでいる最中だ。ちなみに男の方は、アースファクト兄様が、無言で撃ち殺していた。
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アーチ型の石橋を歩く、デリマリート家・アースファクトに、街中の人間が祝福を送っていた。例え素行の悪い貴族であろうと、”デス・パレード”から生還した…歴史上唯一のパーティーなのだから。それに今回は、”リ・ポップ・カーニヴァル”まで重なっていたのだ。このデリマリート家の強運と実力、そして銃の価値が証明され、国内の隅々までニュースとして広がっていく。
そのニュースには、オーゼスフェスタ大公も大喜びで、デリマリート家の地位は、オーゼスフェスタ派の中でも、確固たるものとなった。
商業都市オハロに帰還すると、両親のフィルン侯爵と第一夫人リフィーネが、都市の入り口から凱旋パレードを企画していたのだ。道中の至る所で、勢いのあるデリマリート家に名を売ろうと、アースファクト兄様に擦り寄る貴族たちにのせいで、すっかり調子に乗ってしまったアースファクト兄様は、当然の如く、凱旋パレードに参加するのであった。
凱旋パレードの拘束時間が、半日にも及び、ぐったりとした状態で、湯浴みと食事を終え、自室の寝室にて朝までぐっすりと寝ることにした。
そして翌日、朝食を済ませると、ノクターンの活動報告を聞くために、地下屋敷のラウンジでオール・グランを待つ。
「これは、これは…。よくぞ”デス・パレード”から無事生還できましたな」
こちらの簡単な説明の後、ノクターンの活動報告を受ける。神格化計画は順調とのこと、また西の血族、魔導の母、死の教団、闇の制裁の4ギルドからの評価は上々であり、このペースでの活動を維持しろとの指示だという。
「しかし今回の遠征で、七灑守護者候補は、見つかりませんでした。また思ったよりも弓や魔法の練習もできませんでしたね。そこで短期間ですが、この街で学園に通うことにしました。その後、南西と北西の領地へ、旅に出ることにしました」
「旅ですが…。しかし、まだお一人で行けるほどの実力はございません。デファーニアかライゼーナを護衛に付けます」
「いえ。二人にはノクターンとしての任務があります。それに私の旅は、修行の旅ですから」
「では、ご出発までの短期間に、このオール・グランを安心させる…実力を身につけてくださいませ…」
正直、オール・グランを満足させるような実力を身につけるまでに、一体何年の月日がかかるというのだろう? 私は返事を保留し、地上の自室に戻る。
すると自室には、リフィーネお母様が、優雅にお茶を楽しみながら待っていたのだ。私がノクターンの用でいないことを察しているため、特に何も言わなかったのだ。
「おはようございます。お母様、どのような御用でしょうか?」
リフィーネお母様から告げられたのは、簡単に言えば政略結婚。それも敵対するギュレン派のイブレオ男爵の三女エルダリスという同い年の女の子だ。えっ? 女の子??




