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昼は冒険者/真夜中は暗殺者  作者: きっと小春
火薬と銃の時代
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崩れ落ちる岩壁

私は、戦利品ではない、冒険者が持っていた魔法書を見つけ、新しい魔法を勉強中だったが、砦の床から黒い霧の手が出てきたので、観察することにした。


砦が死んだ砦突破組の死体や装備を吸収し始めたのだ。これは誰もが知っている砦の自然現象の一つで、砦が生きているという証拠でもあった。砦自身が生み出す魔物や宝の糧として、冒険者の死体や装備は勿論、移動中の生気や、戦いのときに放たれる魔力、そして糞や尿・残飯などからも、栄養を吸収しているらしい。なので砦内はかなり清潔なのだ。


「ちゃんと見たの初めてかも…。不思議だねぇ…」


私が楽しそうにキラキラして目で、冒険者たちの末路を眺めていたら、縛られた女が泣き始めた。


「お、お願いします…。殺さないで…」


「う〜ん、それは虫がよすぎない? そっちが裏切ったんでしょ?」


「で、でも…。わ、私は…何も知らなかったの…。嘘じゃない…」


「まぁ、私に言われてもね…。あなたは、アースファクト兄様の慰み物として、生かしているだけだから…。可愛そうだけど…絶対に殺されると思うけどね」


がっくりと頭を垂れ、自分の死を受け入れようと努力する…この女は、なかなかそそる…。


「あの…。この…ペンダントを息子に…届けてもらえないでしょうか…」


「息子がいるの?」


「はい…。11歳の息子が、北西の領地のオロガスという町にいます…。どうか…」


「そうねぇ…」


エミリアは、自身が人肉の採取と捕食のために活動する裏ギルドの西の血族だと告白し、息子を誘拐した後、どのようにして食するか、丁寧に説明した。それが嫌なら、アースファクト兄様が帰ってきた時、全身全霊で奉仕し、万が一にでも…満足するよであれば、息子の命は助けても良いだろうと告げた。


「げ、外道がぁぁぁっっ!!」


エミリアは、この女が自分の息子を食べる姿を想像する。なかなか良いアイディアではないのか? オール・グランと相談して、そのような趣向を取り入れたパーティーを開催できれば…な、などと考えていた。


そして、小部屋の入り口を塞ぐ”岩壁”が崩れ落ちる。エミリアは、サシエス召喚の依代用に生かしておいた男に近づき、いつでも”聖騎士の指輪”を発動させられるようにした。


果たして…。中に入ってくるのは? アースファクト兄様か? 魔物か?


最初に見えたのは、MTの騎士ダフマン(奴隷)の姿だった。そして…アースファクト兄様も、銃を構えながら小部屋に入ってきた。


「アースファクト兄様っ!!」


「エミリア、無事だったか!! しかし…これは…一体??」


砦突破組が跡形もなく消えていたため、アースファクト兄様は怪訝な顔をする。


「はい、アースファクト兄様を裏切りましたので、皆殺しにしておきました。それと…。この女が、 兄様に抱かれたいと懇願しております」


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