とある魔法使いの作戦
しばらくお休みだった、本作品ですが、また再開したいと思います。
理由は、アレなんですが、アレになったらやだなぁ…と。
アレって突然来るからなぁ…。
またよろしくお願いします。
「これで…何度目のローテーションだ?」
戦いの順番が来た砦突破組MTの戦士ロジアスが、項垂れるように腰を上げた。最下層でも問題なく戦える戦闘力があっても、とめどなく襲いかかるアンデッドにより、徐々に疲労が蓄積されていくのだ。砦突破組のMTがそんな状態ならば、デリマリート家のMTは、もっと疲弊していた。拾うと集中力が切れから、アンデッドの攻撃を受け始めていたのだ。
AT組もMT組と同様であり、銃持ちの間でも問題が発生し始めた。
「もう銃弾が100発もありません。最後の切り札として、取っておきましょう」
主従貴族のロイダスから提案を聞くと、アースファクト兄様は、砦突破組リーダのウェルスにATのみで戦うように命令する。
「わかりました…。ですが…」ウェルスは、終盤に来る強力なアンデッドには、銃を使ってくれと言いかけたが、言わずもがな…時が来れば…と、口を結んだ。
そして魔法を使える希少なメンバー達こそ、”デス・パレード”と”リ・ポップ・カーニヴァル”から命を守る重要な役割を担っている。
日付が変わるまで、あと3時間弱。日付が変わることに何の意味があるのか? 魔法が使えない者でも、それは重要なイベントである。日付が変われば、魔法の使用回数がリセットされる。リセットされれば、強力な魔法の支援や怪我の回復が可能となるのだ。
「あと3時間ね…」それを待ちわびているのは、エミリアも同様である。どちらかと言えば、魔法よりのエミリアには、死活問題なのだ。
そんな状居の中、永遠と終わらない”デス・パレード”と”リ・ポップ・カーニヴァル”との真っ向勝負を諦めた一人の魔法使いが、生き残るすべを模索していた。
「ウェルス。3時間は持たないぞ。これから…より強力はアンデッドが出現する。3時間待つよりも、リズベルトの作戦に賭けてみないか?」
MTの騎士たちが、入り口を守り続ける小さな部屋の奥で、ウェルスがアースファクトを呼び、その起死回生の作戦を聞かせていた。
「やるなら、まだ敵が弱い、今しかありません」
魔法使いのリズベルトは、必死に二人を説得する。
「失敗したら…そのときは、間違いなく全滅だ。そんな危険な懸けを許可できない」
砦突破組リーダのウェルスには、メンバーを守る義務があるのだ。成功率が低い作戦などに、メンバーの命を賭けるわけにはいかないのだ。
「うむ…。だが…或いは…。良かろう。ウェルス、このままではジリ貧だ。まだ、こやつの案の方が、生存率が高いのではないか?」
「デリマリート家・アースファクトの名において命ずる。MTたちは小部屋から出て、次のT字路まで、アンデッド達を後退させるのだ!! 銃が火力に物を言わせて、一気に勝負を賭けるぞ!! この作戦は、我がデリマリート家のみで行う。砦突破組は、魔法使いを除き、ここで待機だ」
MTたちは、永遠と続く戦いよりも、どんな作戦なのか知らないが、一気に勝負を賭けて勝てるなら、その作戦に全てを賭けたかったのだ。
だがアースファクトは知らない。”デス・パレード”からの生存者など、歴史上一人もいないことを。




