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昼は冒険者/真夜中は暗殺者  作者: きっと小春
火薬と銃の時代
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ノクターンの主として

エミリアは、白銀の弓を手に立ち上がるが、アースファクトに部屋で待つようにと命令される。理由を尋ねると、弓では火力が足りないため邪魔になるそうだ。


「おい、ウェルス。妹のエミリアを置いていく。大事な妹だ。しっかりと保護を頼むぞ」


「お任せください」


小部屋の入り口にいた魔物をアースファクトは銃で撃ち殺した。そのままアースファクト達が、圧倒的な銃の火力により、アンデッド達を小部屋に続く通路の奥へと押し返す。


やがてアースファクトの姿が通路の闇に消え、銃声だけが小部屋に届く。すると魔法使いのリズベルトは、何かの魔法を完成させたらしく…発動させた。


その魔法は小部屋の入り口を塞ぐ…”空壁”の上位魔法…”岩壁”であった。


「なっ…。これではアースファクト兄様がっ!? リズベルトさんっ!?」


エミリアが声を上げると、魔法使いのリズベルトの代わりに、砦突破組リーダのウェルスが答えた。


「お貴族様達に犠牲になってもらわなければ、私達の命まで危ないのですよ」


つまり小部屋の入り口と、アースファクト兄様達が作る石壁と、兄様達の肉壁ですか…。


余りにも身勝手な返答にエミリアは、笑ってしまった。


「アースファクト兄様に…どのような申し開きをするつもりですか?」


「申開きか…。例え…生きて戻ってきたとしても…銃弾も底をついているだろう…。それに砦突破組を甘く見てもらっては困る。君の兄も、君も…。ここで死んでもらうよ。さぁ、その弓を渡し給え、反抗しなければ…楽に殺してやろう。リズベルト、弓を回収しておけ」


砦突破組…。確かに今の私の力では、一人も倒せないかも知れない…。ですが…私はノクターンの主。そう…ノクターンとして…こいつらを皆殺しにしてさしあげましょう…。


血盟主のみがもらえる指輪の力を解放する…。闇の制裁の指輪の効果にて、恐怖という感情を破棄された。さてと…。私の手から弓を取り上げたリズベルトに、死の教団の指輪に溜めておいた…苦痛と渇望を糧として、精神魔法(感情混乱)の魔法を発動させる。


いとも簡単にリズベルトの精神を破壊すると、左手でリズベルトの顔面を鷲掴みにして、”聖騎士の指輪”を発動させる。この指輪の使用方法をオール・グランと、魔法使いウィルボーに解析してもらっていたのだ。


発動するとリズベルトの体が金色に輝き出す。流石に異常を察知したウェルスだが、時すでに遅かった。魔法使いのリズベルトは、金色の鎧を纏った黒髪の少女…サシエス…に成り代わっていたのである。


砦突破組には、サシエスとの面識があるメンバーが多数いた。突然現れたサシエスに驚き戸惑う。その者たちは口々に…「お、俺は…裏切っていない…。し、知らなかったんだ…」と意味不明なことを口走っていた。


そして静かにサシエスは目を開くと、砦突破組リーダのウェルスをじっと見据えたまま、ゆっくりと剣を抜いた。


「エミリア様。ご命令を」


その美しい少女は清流のような声で、エミリアに問いかけてきた。


「そうですね…。誰もよいのですが、男女を一名づつ残して、後は殺してください」


無慈悲な命令がサシエスに下される。砦突破組の誰もが知っていた。例え…このメンバー全員が絶好調だとしても…勝てるわけがないと…。全員が死を受け入れるしか無かった。

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