共闘
「こ、こおぉっ!!」アースファクト兄様は錯乱し、目に付くレッサーゴブリンを手当り次第、銃で撃ち抜く。
「お兄様っ! 銃で狙うべきは、レッサーゴブリンではありません。レッサーゴブリンならば、剣で十分です。出口を塞いでいる冒険者を倒して下さい!」矢のある限り、次々とレッサーゴブリンを射抜く。
アースファクト兄様は冷静さを取り戻すと、MTの騎士ダフマン(奴隷)を、敵パーティに突撃させ、銃持ちによる一斉射撃を行う。下層への通路は狭く、盾で防ぐ選択肢しか持てない敵は、銃の良い的になった。
「よしっ! ソライア、ネルも突撃して、生き残りを片付けろ!!」私の背後からアースファクト兄様の指示が聞こえる。どうやら敵パーティの殲滅に成功したみたいだ。私とSTの騎士ニーズは、徐々に後退する。
「安全確保!」と騎士ダフマンが報告すると、「エミリア、下がれ!」とアースファクト兄様の声が聞こえた。すると騎士ニーズは「ここはおまかせ下さい」と私に下がるよに促す。
下層への通路を進みながら、アースファクト兄様に説明する。
「砦の強制制約の一つ、安全地帯は、”デス・パレード”中には、結界が解除され、効力を発揮しません」
「エミリアよ、我々は、第七層までの実績しかないぞ。何処まで下がれば良いのだ? それに銃弾にも限りがある」
「基本はなるべく下の階層へ逃げることです。そしてアンデッドの通り道から離れた、小さな部屋に立てこもるがセオリーです」
「わかった。第六層まで行き、メイン通路から外れた小部屋を探そう」
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第六層はゴブリンナイトの集団が出現する。鉄のプレートメイルと鉄の盾で防御を固めたMTとSTを一撃で倒せない場合があるため、銃弾のアドバンテージが下がるのだ。
”リ・ポップ・カーニヴァル”の中、第六層に辿り着く頃には、銃弾も残り少なくなっていた。運良く、ゴブリンナイトの集団には出会わなかったが、地上へ戻る砦突破組と遭遇する。
「うむ。丁度よい。お前らに、このデリマリート家の護衛を受け持つ栄誉を与えてやる」上から目線のアースファクト兄様に、砦突破組が憤る。
「何を巫山戯た…」と言いかけたメンバーを制し、現リーダのウェルスが提案してきた。
「今の疲労しきった私達では、この階層の”リ・ポップ・カーニヴァル”を乗り越えるのは至難です。さらに”デス・パレード”が重なり、生き残る可能性は限りなく低い。しかし、貴族が持つ銃と連携できれば、少しは可能性がある。守れれるだけでなく、攻撃に参加して頂けませんか? 我らが盾になります」
アースファクト兄様は少し考えて、「よかろう」と返事をする。そして「こちらには、奴隷のMTが三人いる。これらも好きに使って構わぬ」ウェルスに差し出した。
リーダのウェルスは、「ありがたい」と言いながら、ローテーションを考える。この小部屋の入り口にから少し引いた位置に二人、入り口内部の左右に二人、あとは銃とATの連携次第となるが…。
”デス・パレード”の恐怖は、第二層の”リ・ポップ・カーニヴァル”に湧き続けるレッサーゴブリンや冒険者たちをアンデッドに変え、現在第三層に差し掛かっていた。




