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昼は冒険者/真夜中は暗殺者  作者: きっと小春
火薬と銃の時代
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兄様の狩り

アースファクト兄様は、冒険者ギルドなどに用はない。ただ平民たちが慌てふためくのを見て楽しんでいるだけだ。だからカウンターに行っても、クエストを眺めてギルドを出ようとする。


殺意の件をアースファクト兄様に報告しようかと悩む私を見て、「いつものことだ。殺意は感じておる。だが実際に仕掛けてくるのは半数もいない。それにギルド内ぐらいは、平民共の安全地帯にさせてやるぐらいの優しさはある」ギルド内で宣戦布告をすると、不気味な笑い声を上げる。


貴族専用の出入り口から、砦へのアーチ型の石橋に出る。石橋も仕切りで区切られており、貴族と平民が顔を合わせることはない。


砦の屋上とも言える第一層に足を踏み入れる。動きを見ただけでも初心者とわかる冒険者が、レッサーゴブリンと、互角の戦いを繰り広げていた。


バンッ! バンッ! 


兄のパーティの銃のロイダス(主従貴族)、銃のジリスト(主従貴族)の二人は、何の警告もなしにレッサーゴブリンを撃ち殺す。


「道を開けろ! 平民共!!! デリマリート家アースファクト様の邪魔をするなっ!!」


MTの騎士ダフマン(奴隷)が声を荒立て、初心者に道を開けるように命令する。


「巫山戯るなっ!! 何が、貴族だっ!!」と名も無き初心者の冒険者たちは怒りを顕にする。


詰め寄る名も無き初心者の冒険者たちに、MTの騎士ダフマン(奴隷)が剣と盾を構えるが、後方から数度の銃声が響くと、名も無き初心者の冒険者たちは地面に倒れた。


屋上にいた他の冒険者たちは、噂で聞いていた貴族の横暴さを目の当たりにし、関わってはいけないと距離を取る。


「おい、お前は仲間だろ? その汚い死体を退かせ。邪魔で通れないだろうがっ!!」アースファクト兄様は、生き残りのメンバーを煽り立て楽しんでいる。


その生き残りのメンバーは、完全に思考が停止してしまったのだろう。数秒後、銃のロイダス(主従貴族)、銃のジリスト(主従貴族)の二人は、待ちきれないとばかりに、撃ち殺してしまった。


MTの騎士ダフマン(奴隷)は、近くの冒険者に死体を退かすように命じる。アースファクト兄様は、一度通る道を決めたら、絶対に別のルート、半歩さえも譲らないのだ。命令された冒険者たちは、手に持つ武器を投げ捨て、走り近づくと、死体をアースファクト兄様の眼の前から退かすのだった。


声をかけることもなく、冒険者たちの前を通り過ぎ、次の階層への階段を目指す。


「しばらく、来ないうちに、貴族たちへの礼儀を知らぬものが増えましたね」ギュレン派のギリハルド男爵の三男のマーカスが嘆く。”感糸”によるとマーカスは、アースファクト兄様に対して、白の無関心と出ている。う〜ん、友達と言いながらも無関心なのか…。


「それはそれで、楽しみが増えると思えば、良いではないか」アースファクト兄様は笑って答える。


第二層の大広間。アースファクト兄様の大好きな場所である。第三層までの最短ルートの途中にあり、最短ルートを通らないとしても、第三層に行くためには必ず通る大広間なのだ。また魔物リポップの箇所も固定で大広間の4隅のため、万が一の場合でも、他のパーティに助けを求められるという意味で、冒険者たちにとっては格好の狩場なのだ。


その狩場を、アースファクト兄様は占領するべく、次々と魔物たちを横取りしていくのだった。


「うん? いい女がいるな。おい、女、お前は、ここに残れ」


そのパーティは、唯一の女性メンバーを守るため、アースファクト兄様に対峙するのであった。


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