期限
日中は魔法書を居間で熟読しているため、かなりの数を覚えることが出来た。
・発光 ・着火 ・解錠 ・疾風 ・放電 ・遠目 ・治癒
・幻影(自身の分身を身近に作る) ・弓矢(魔法の弓矢を召喚)
・野犬(複数の野犬を召喚) ・会話(動物と会話できる)
・縄術(縄を召喚して操る)
そして夜になれば、ノクターンの地下屋敷に足を向ける。
「血盟ノクターンとしての実績は、4つの裏ギルドからも、それなりの評価を得ていますが、エミリア様…。恐れながら、クラリス様は、各ギルドの代表にも就任されていたのです。各ギルドからのランク…つまり最高ランクの”七色”を維持するならば、エミリア様にも同等の実力を示せと通達がありました。えぇ…勿論、猶予は頂きました…三年でございます」
オール・グランは、自身に満ちた顔で報告する。
「オール・グラン? その顔はどういう意味なのですか?」素直に尋ねる。
「はい。エミリア様ならば、三年と言わず、二年ほどで達成できるのでは? という意味でございます」
「はぁ…。何を馬鹿なことを…。そもそもクラリスは、何年で達成したのですか? それに”七色”の条件は、通常、達成できないものではないのですか?」
どんだけ私を買い被っているのか? その根拠を示して欲しい。
「クラリス様はゼロからのスタートですが、エミリア様にはクラリス様が築き上げた土台がございます。例えば、我ら七灑守護者が得たノウハウ。魔導の母の指輪が持つ”真理の渇望”など。クラリス様のときとは、情況が異なります」
どうだとばかりのオール・グラン。ドヤ顔である。
「その条件達成までの筋書きは、オール・グランが把握しているのですか?」
「左様でございます」
「そうですか…。それで? 私は何をすれば?」
「それではお題を。フィルン侯爵の養女となったわけでございますが…。それは仮のものです。あまり説明するとお題の意味が無くなってしまいますが…。まぁ最初のお題なので…。フィルン侯爵が一切、この屋敷に姿を現していない理由を探り、それを解決して頂きたい」
「はぁ…。オール・グランは、理由も解決策もわかっているのですね? まぁ…いいでしょう。やってみましょう」
私のできることと言えば、七灑守護者を使い情報を集め、対策を考えて実施することだけだ。
ライゼーナを呼び、命令を告げる。
「デリマリート家の仕来り、養女に関することを調べてください。またフィルン侯爵の交友関係、そうですね…。フィルン侯爵に対して強い発言力を持つものをピックアップしてください。その発言力と影響も合わせて報告してください」
「はっ。仰せのままに…」ライゼーナは忠実で使いやすい20代の女性だ。安心して任せられる。
次にウィルボーを呼び出す。
「相手の心理または思考を読み取るような魔法はありますか? または使い手はいますか?」
「”感糸”という人間関係を視覚的にみる魔法を私が使えます」




