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昼は冒険者/真夜中は暗殺者  作者: きっと小春
火薬と銃の時代
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ノクターンの主を目指して

「エミリア様、もう少し後で指輪の効能をお知らせしたかったのですが、指輪に飲み込まれ始めています。本来、指輪は使いこなすものであって、飲み込まれるものではありません」


オール・グランは、困った様子で、私の手を取り、指輪を順番に説明した。


「現在、エミリア様がはめている指輪は、裏ギルドの個人ランクが上がるともらえる褒美とは別の、血盟主のみがもらえる指輪でございます」


・西の血族の指輪(ギルドの主な活動内容は人肉の採取と捕食):

 1)血と肉を糧として「体力と魔力の回復」または「能力の吸収」する。

 2)お互いの狂喜を共鳴させる。狂ったもの同士が友好的になる。


・ 魔導の母の指輪(ギルドの主な活動内容は暗黒・黒魔術の研究):

 1)魔力と触媒を糧として「指輪に6つの魔法をストック」可能。

   ストックした魔法は瞬時に使用可能。

 2)1Lv低い使用回数を利用して1Lv高い魔法を使える。

 3)真理を追求することを渇望するようになる


・ 死の教団の指輪(ギルドの主な活動内容は拷問と快楽):

 1)苦痛と渇望を糧として「精神魔法(痛覚強化、感覚破壊、感情混乱)

   の魔法が使用可能。

 2)罪悪という感情を破棄する。


・闇の制裁の指輪(ギルドの主な活動内容は暗殺):

 1)死と恐怖を糧として「即死の呪い」または「気配破棄」

   または「不老長寿」の効果をもたらす。

 2)恐怖という感情を破棄する。


「よろしいですか? 指輪に身を委ねてはなりません。エミリア様は、意思を強くお持ちください」


「わかりました。フィルン侯爵が私に興味を持ったのも指輪の効能ですか?」


「はい。左手にはめていた西の血族の指輪(個人ランク報酬)は、血盟主版の劣化版でございますが、狂喜の共鳴の効果も多少ありますから…。それに現在では他の指輪の影響も受け、このままでは自我が崩壊しかねる為、急ぎ説明させて頂きました」


改めて、指輪の恐ろしさを知った。確かに、子供を殺し、人肉を食し、恨みもない人を拷問する…。それは正気の沙汰ではない。狂喜そのものだ。しかし…前任者のクラリスは、相当に精神力の強い女性だったのだろう。


「それと七灑守護者との修行の際には、指輪に頼らず、己の力のみでお願いします。指輪の力は強力であり、利用していては、全く己の力にはなりませぬから…お気をつけください」


「そうですね。わかりました」


本日の修行の相手は、屈強な女剣士のデファーニアだ。弓士として距離を詰められたときの対応を中心に教えてもらっているのであるが、手加減を知らないのです。一撃一撃が死と隣り合わせなのです。修行なのに本気の死線をくぐり抜け、上達のスピードは桁違いです。


デファーニアの誘いのフェイントに引っかかり、左へステップ移動したとき…。


「おらぁぁぁっ!!」デファーニアの両手剣が回避不可能な早さで腹部を狙ってきた!!


騎士チェバリコがフォローに入り、両手剣を受け止める。


「はぁ、はぁ…。また…、フェイントが見抜けませんでした…」


「当たり前だろう? 素人に見極められるようじゃ、命が幾つあっても足りねぇよ」


「まぁ、デファーニア、そこまで言うことは無いでしょう? 2つは見極められていましたよ?」


デファーニアの両手剣を受け、痺れた手をマッサージしながら、騎士チェバリコが言った。

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