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昼は冒険者/真夜中は暗殺者  作者: きっと小春
火薬と銃の時代
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ノクターンの才能

犬亜人のマータン&兎亜人のキバスに湯浴みを手伝わせたオール・グランは、騎士チェバリコを残し、他の者を撤収させる。


「くっさ、人間、くっさ」と愚痴を垂れる犬亜人のマータンに、「お前も十分ゾンビ臭い」とは言えずに、ぐっと我慢する。


現在のこの国で流行っている貴族の普段着用ドレスに着替える。下着はなし? 


騎士チェバリコを護衛とし、横にオール・グランを従わせ、用意してあった馬車で果物屋に向かう。


***** ***** ***** ***** ***** 


果物屋のお婆ちゃんは、あっと驚くが「中でお待ちを」と言い、例の宴で使われた地下へ連れて行く。


チェバリコとオール・グランは入ることは許されず、この場で別れる。


宴の待合室にある円卓の椅子に座り、今後の予想も付かない事態に頭を抱える。


えっと…。フィルン侯爵に会ったら、”七灑守護者は私の手”だっけ?


七って言うぐらいだから…。屈強な女剣士のデファーニア、騎士チェバリコ、二刀流の短剣使ライゼーナって女性、魔法使いウィルボー。えっ!? 4人じゃん? 後は? あの爺さんと亜人二人?


「エミリア、逢いたかったぞ」とフィルン侯爵の声が室内に響く。


ドレス姿で軽く挨拶をすると、そのまま抱きしめられる。宴のときのように、”薄暗く定期的に放たれる光、鼻を突く匂いだが本能的に吸いたくなる香り、心の底に響く音色”で酔わされていないため、中年男性の対して嫌悪感を覚える。


「わたくしもです。ですが、私のような平民の小娘が…」


「何を言っておる? お前は、もう私の娘だ。私に逆らえるものなど、この国では二人しかおらぬぞ?」


「それを聞いて安心しました。お父様…」とぎゅっとフィルン侯爵を抱きしめる…。なぜ? なぜこのようなことが自然に出来てしまうのか? 自分でも驚きを隠せない。


「おぉ…エミリア。私はお前に…」言いかけた言葉を飲み込むフィルン侯爵。


「はい…。お言葉を頂かなくとも…わかっております。私は…あなたの物。私の初めては…すべて、あなたに…。ですから…今はまだ…」


「聡明で優しい我が娘よ。今はこれで許しておくれ…」ただ優しく抱きしめられた。これは親子の愛情なのか? 純粋な愛なのか? よくわからない…。


「さて、屋敷内で私がいなくなり騒動になる前に帰るとするか…」


「お待ちください。一つ…言い忘れていたことが…。七灑守護者は私の手に…」


その言葉を聞き、フィルン侯爵は目を見開く。


「そうか…。この火薬と銃の時代に…ノクターンが舞い戻るか…。エミリアよ、我が娘よ。お前はどこまで、私を喜ばせてくれるのだ…」


フィルン侯爵は自身の魔道具の指輪で、転移魔法陣を作り出すと、私と共に屋敷に転移した。


そこはフィルン侯爵が治める領地で、イーガルヴィレド王が新たに領地を7つに区分けした内の1つであり、王都リゼンの真南で商業都市オハロを含む領地であった。


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