抗えぬ運命
「でも復活って…。私は、もう貴族でもないし。そもそもノクターンって、何なの?」
この世に裏ギルドと呼ばれるものが存在することを知る。その裏ギルドとは、西の血族、魔導の母、死の教団、闇の制裁の4ギルドであり、この前の宴は西の血族ギルドの宴であった。その4つのギルドからの依頼を受け執行するのが、血盟ノクターンであるとのこと。
「ノクターン復活までの、ロードマップは…」
デリマリート家のフィルン侯爵様が私を血眼になって探しているらしい。どうやら養女としてデリマリート家に迎え入れるらしい。
「だから、お前は、フィルンのジジイの前で、股をおっぴろげてりゃ、いいんだよ!」
先程の怒りが収まらないのか、屈強な女剣士のデファーニアが吠える。
「馬鹿なことを…。確かに体も目当てかも知れません。次にフィルン侯爵に会う時、”七灑守護者は私の手”にと言って頂ければ、ノクターンの復活も早まるでしょう」
「もしも断れば?」
「はい。まずはライナス、シリス、レグナルの三人の首を並べてみせましょう。次はあなたの離散した家族の首を、我らの願いを聞き入れてくださるまで、あなたが出会う全ての首を並べて見せましょう」オール・グランは笑顔で答える。それが逆に恐ろしい。
「あの…。クラリスの後を引き継ぐと言いましたけど、なぜ私が必要なのでしょうか? 今しがた…デファーニアの剣による攻撃もチェバリコの盾による防御も、まったく見せませんでした。戦闘に関しては、まったく役に立つとは思えません。また最初に言った通り貴族でもありませんし、養女になったからと言って、貴族の権力を思い通りに発揮できるとも思えません」
「血です。ウィリー家のクラリス様と同系統の血を受け継ぐあなた様がいれば、七灑守護者の我らの能力は計り知れないのです。クラリス様は武闘派でも貴族の権力を振りかざす様な方ではなかった。ただひたすら研究に明け暮れていたのです」
「なんとなくわかりました。ではもう一つ。あなた達の態度を見るに、とても私が主であると思えませんが?」
「はい。今の貴方では主として使えるに値しません。ですがノクターンの意思を掲げ、血を分けて頂ければ、それなりに振る舞うことができるようになるまでサポートをいたします。主として相応しい志と行動こそが、我らを跪かせるのです」
「あの…ライナス、シリス、レグナルの三人と、冒険はできますか?」
「無理でしょう。あなたは貴族になるのですから。そうですな…貴族の権力を使えるとするならば、奴隷として雇えるでしょうけど」
「いつですか? いつから何をすれば?」
「はい。今から湯浴みをして、このドレスに着替えてください。そのあと果物屋に行きフィルン侯爵が来るのをお待ちください」
「あの…手紙を書く時間を頂けますか?」
「なるべくお早めに…」
手紙を書いているときにウィルボーという名の魔法使いと、犬亜人のマータン&兎亜人のキバスのゾンビコンビが家に入ってきた。この亜人コンビは若さを保つためにクラリスにお願いしてゾンビになったのだという。
三人に、今までの感謝と別れの挨拶を文字に込めて…手紙と手持ちの金貨をテーブルの上に置いた。




