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昼は冒険者/真夜中は暗殺者  作者: きっと小春
火薬と銃の時代
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森の屋敷

イーガルヴィレド王が新たに区分けした7つの領地。その新体制は3日前に発表となったばかりだ。


・王都リゼンから北の領地。領主はいないかったのだが、傲慢な貴族たちのおかげで治安は最悪の状態となる。砦の存続に関わると、王から指示により、ギュレン伯爵が治める領地となった。本来は、冒険者ギルドが管理する領地であり、冒険者の街フィレオを含むのだが、二重管理という結果になり、現在も行政は混乱している。


・王都リゼンから北西の領地。ギュレン派のイブレオ男爵が治める領地である。主に鉱山を資源とする。


・王都リゼンから北東の領地。ギュレン派のギリハルド男爵が治める領地で、海に面しているが、海流が交わり流れが早く、険しい高い岸壁が続き港を作れないため、領地の半分以上を占める森林を利用して主に木工を産業としている。


・王都リゼンから南東の領地。オーゼスフェスタの爵位が男爵から大公になる。その原動力となったのは、間違いなく火薬と銃である。そしてこの領地の港町から輸入していたのであった。


・王都リゼンから南の領地。オーゼスフェスタ派のデリマリート家フィルン侯爵が治める領地であり、商業都市オハロは産業の要だ。そしてノクターンの拠点でもある。


・王都リゼンから南西の領地。オーゼスフェスタ派のブレンフォール家デバリア男爵が治める領地で、中央に湖を持ち、山脈から豊かな雪解け水の支流を束ねる大河がり、水の都と呼ばれる。また周囲には平野が広がり国の食物を生産する領地でもある。


・王都リゼンはイーガルヴィレド王が治める。国の中央に位置する。


・王都リゼンから東の領地は、国力が下がった際に、蛮族に占領されてしまった。


フィルン侯爵の屋敷は、商業都市オハロの東部にあった。敷地内に5つの屋敷を持ち、現在使われていない2つの屋敷の内、森側の目立たぬ屋敷をエミリアに与えたのである。


屋敷の2階には、応接間、居間、寝室、書斎の順番で構成されたエミリアの部屋と客間が2部屋あり、他にはトイレと納戸がある。1階には居間、応接間、食堂、調理場、浴場、トイレ、メイド準備部屋、メイド寝室、騎士控室、納戸の構成となる。


常駐する騎士は4名。メイドは3名。コックが2名となる。


フィルン侯爵が住む屋敷の地下に転移した二人は、すぐさま別れ、エミリアはメイドに案内されたのである。


「広いですね…」


「いえ、フィルン侯爵のお屋敷の中では、一番小さなお屋敷となります」


あなたには十分すぎるでしょ? という嫌味かな? と思ったけど、正確に回答してくれただけみたい。


エミリアは2階の自室を案内される。しばらくすると1階の居間でお茶の用意ができたと別のメイドが知らせに来た。


お茶を飲みながら、さて…私は何をすればよいのでしょうか? と疑問を持つ。


そうそうフィルン侯爵から別れ際に手紙を渡されたのだ。


”二階の書斎には誰も入れるな”


メイドを呼び二階の書斎の鍵を持って越させる。マスターキーは存在せず、合鍵もなく、これで機密は保たれるだろう。


まずは生活に慣れよう。それから時間を有意義に使う方法を考えればいいと、ゆらりと優しく燃える暖炉の火を見ながら思うのであった。


ノクターンの言う通り、養女になったわ。これでいいんだよね。


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