未知の世界
「貴族の命令だ。ライナスとレグナルを責めるな。だが今の貴族たちは狂っている。もしも貴族に命令されれば、ライナスはお前でも犯さねばならない。命令に従わなければ銃殺だからな」
「そんな…」
「今の砦内は無法地帯だ。ギルドも健全な運営が出来ていない。俺達三人でしばらく砦攻略をする。その間エミリアは、家で待っていて欲しい」
本当は…家からも出ていって欲しいんだよね…。でも出ていっても行く場所も働く場所もない。強がりは言えない…今は、甘えよう…。
「はい…。こんな情況なのに、私のことを考えてくれて…ありがとう…」
シリスは頭を撫でながら「優秀な弓士がいないんだぞ。こっちの苦労も考えろよ」と遠回しに励ましてくれたのです。
「あれ? でも、シリスはどうするの? 女の子だよ。危ないよ?」
「フフ。ドワーフには裏技がある。髭を生やせば、男か女かわからないし。もし女だとわかっても髭の女など抱きたくないだろう? うん? 男諸君」
ドワーフの女性って髭が生えるの!! 知らなかった!! 髭剃ってるシリスなんて見たくない!
「というわけだ、流石に、この情況をいつまでもギルドは放ってはおけないだろうから、それまでの辛抱だ」
「いや…例え規制が入っても、一度覚えた甘い汁は…そう簡単に忘れられないぜ?」
「まったく。ライナスがフォローしてるのに、レグナルは邪魔をするな。レグナルは、そのぐらいエミリアの事を心配しているのさ」とシリスが助け舟を出す。
「うん…わかってるよ」
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次の朝、誰よりも早く起きて朝食と持ち運びを考慮した昼食を用意する。
そして出発する三人を笑顔で見送った。
「はぁ…。砦に行きたいな」
諦めて、家の掃除をする。お風呂も、トイレも、寝室も、何もかも…。
徹底的に掃除した。でも五日もあれば、これ以上綺麗にできないレベルで終わっていた。
「む〜。今日は市場にお出かけだね」
矢の補充、食材の補充。終了…。お金も無ければ、買うものもない。
こうなれば家に帰って、弓矢の練習だね。うん。いつ冒険に復帰できるかもわからないから。
今できることをするのが私の仕事なのです。
うんうん。と自分を納得させ帰ろうとする私を、果物屋のお婆ちゃんが引き止めます。
「これ…そこの娘。お前さん、若いのに…大したものだ。こっちへ、おいで…。宴の最中じゃ」
お婆ちゃんに、連れられて…。店の地下、その扉を開けると…。




