宴
薄暗く定期的に放たれる光、鼻を突く匂いだが本能的に吸いたくなる香り、心の底に響く音色。
ニヤニヤとした大人たちが中で雑談をしていた。私が入ると全員がこちらに注目する。
「おや? 見ない顔ですね…」
「ふむ…。その赤味がかった髪の毛、白い肌、大きな瞳…。あなた…、もしや? ウィリー家の?」
えっ。ウィリー家を知っている? この人たちは貴族!! 不味い! この雰囲気も、怪しすぎる…。この貴族たちの機嫌を損ねたは不味いと跪き深々と頭を下げる。
「はい…。確かに、昔は、そのような名を名乗っていたこともありました。私のような小娘の家柄を覚えて頂いて身に余る光栄です」
「いやいや、ここには、そのような貴族の上下関係も、平民も関係ない。顔を上げなさい」
「そうだとも、ウィリー家と言えば、あのノクターンのクラリス嬢がいたところではないか」
「あぁ…。ノクターンか、随分と懐かしい名だ。優秀な人材が多かったな」
「それで? 君も…。食しに来たのかね?」
何のことだわからないため、答えられないでいると…。
「ふむ、どうやら…迷い込んでしまっただけのようだが、これも何かの縁だ。しっかりと君の祖先から引き継いだ、素晴らしい伝統を味わって帰るが良い」
「その通りだ。おい、マーカス。この子に、たっぷりと素晴らしさを教えてあげるのだ」
頭の…視界が…揺らぐ…心臓の鼓動が早くなる…。喉が乾く…。
「やぁ、僕はマーカス。君の名前は?」少し年上の男の子だ。貴族なのに高圧的じゃない?
「わ、私は…。エミリアと申します。マーカス様、少し変なのです。何だかボーッとするのです」
「ははっ。初めてだからね。何回か来れば慣れると思うよ。でも今日は駄目だね」
「西の血族の皆様方、本日の肉は、6歳の平民の少年と、14歳の貴族の少女になります。少女のほうが、成長期に入ったばかりで特有な味が楽しめます。ご期待下さい!」
キャスター突きのターブルが2台入ってくる。台の上には全裸の少年と少女が固定されていた。
「おぉ…肌艶も良い。すばらしい素材ですね」
「さぁ、皆様方、お召し物が汚れてしまいますので…。おい、メイドたちお召し物を!」
メイドたちは、貴族たちの衣服を丁寧に脱がせる。
「マーカス、そのお嬢さんの衣服も脱がせさせてあげなさい」
マーカスが、メイドに命令して、私の服を脱がせようとする…。抵抗する意識はあるが、脱いで裸を全員に見せたいという欲求もある…。こんなのおかしいよ…。
「エミリア、さぁ、気持ちを解放するのです。その手の先の擦り傷は、貴族では決してしない仕事で付いたのではないのですか? 少し筋肉が付いていますね。それはもしや、冒険者として生計を立てていたのではないのですか? あなたは頑張っています。でも、今だけは、貴族としての気持ちを取り戻してください」




