派閥
街への門へ全員が入ったことを確認すると重々しい鉄の扉が閉まる。
第三部隊の砂漠地帯担当らしい人物と、待ち構えていた城塞都市アバスタンの騎士が挨拶を交わす。
「ヘリゲン殿、援軍感謝いたす」
「いや、遅くなっってすまぬ。ラルジオ殿、被害はいかほど?」
「全騎士45名 に被害はございません」
ラルジオと呼ばれた男の側にいた男が報告するが、壊滅寸前の傭兵たちは怒りを露にする。
傭兵の一人が駆け寄り嘆願する。
「門を一時開放してください。仲間を助けに行かせてください」
「貴様っ!! 近づくでないっ!!」
騎士の一人が傭兵を切りつけたことで、傭兵と騎士の間に不穏な空気が漂う。
「下民の分際で傭兵契約後の騎士様に軽々しく話しかけるもんじゃいない。可愛そうだが仲間は諦めるんだな」
冒険者の街フィレオの傭兵を出迎えるためにその場にいた城塞都市アバスタンの傭兵は言った。
「お前らの仲間は、もう蛮族に捕らえられいるだろう…諦めろ。それと傭兵は俺が取りまとめる。全員こっちに来い」
200名以上いた傭兵は、40名程度になっていた。ここまで走れたのだ重症の者はいないだろうが、無傷のものは少ない。
冒険者の街フィレオの傭兵のために用意された巨大な天幕へ案内されると、治癒と休憩を指示される。
「今日は休んでくれ、蛮族が来ても参戦する必要はない。ちなみに俺は、ホヴァイザ。ここの傭兵団団長だ。明日の昼頃もう一度来る。しっかり休んでおけよ」
ホヴァイザか…砦で出会った大男を彷彿させる。
その後も、何名かの傭兵が天幕を訪れた。
「俺はレギだ。お前らホヴァイザに騙されるんじゃねーぞ。あいつは自称団長だ。ここの傭兵団は一枚岩じゃねー。明日の選別会で、俺らの傭兵団に入ることが、生き延びる唯一の法法だ。あんな野郎の下に付いたら、今日の騎士たちの如く盾にされてお終いだぜ?」
「少しでも頭を使って戦いたい奴は、蒼き血統という傭兵に来い。お前らは実戦経験済みだと思うが、蛮族に力で対抗しても無駄だ。頭を使う以外勝ち目はない」
「俺達は冒険者中心の傭兵団だ。お前らも冒険者なんだろ? なら、一から丁寧に傭兵との違いを教えてやる。冒険者が他の傭兵団に入っても、上手くやれないのは目に見えているからな」
「貴族院から派遣された傭兵団だ。うん? なぜお前がここにいる? 俺はちょっとこいつと話がある。代わりにフレンガー、お前が説明しろ」
「お前たちは、ここにいろっ!!」バスタは貴族院から派遣されたという男についていく。
最低でも5つも派閥があるのか…。少々面倒だな…。
バスタがグループとして何処かの派閥に入るのか、それとも個人ごとに別れるのか…。




