第二波
敗因は弓兵・弓士の少なさじゃないのか? 蛮族と戦っているなら、その経験を活かせよ…。
力と力じゃ…分が悪すぎるだろうに…。
「STっ! 前にっ!!」
バスタが命令するが…いや他のグループでも、命令違反覚悟で戦場から逃げる傭兵が多数いた。
「あんな化物と戦うなんて聞いてないぞっ!!」
逃げる傭兵たちを騎士団が斬りつける…。戦場は混乱状態だ。もう勝ち目はないだろう…。
だが、生き延びねばならない。そんな決意を胸に秘めた傭兵たちは、次の波へ戦いを挑む。
第一波を生き抜いたグループ内の最年長者であり騎士であるリックス、両手剣の剣士であるパニーラがMTとして前に出る。
「バスタ、MT、STが足りぬ。2列でいくぞっ!!」
騎士リックスは、そう叫ぶと防御態勢に入る。短剣には魔法でなく道具屋で買った毒を塗ってある。
俺はMTの更に前に座ると、投擲の構えに入り、宣言する「投げた後は任せたぞ」
とかげが微妙に左右に揺れる…。タイミングを合わせなければ…。
蛮族もこちらに気が付いているっ!! ”短剣ごときで俺が止められるかっ!”と顔に書いてある。あのスピードを維持するなら…。短剣を弾いて、再度突撃の構えに入れないタイミングを狙うっ!
蛮族が突撃の態勢に入らねばならぬ、そのタイミングで短剣を投擲するが、予想通り槍で簡単に弾かれてしまう。しかし、その短剣は視界を塞ぐ目的で投擲されたものだ。左手に持つ短剣が、蛮族の首に刺さった。
投擲と同時に蛮族の突撃を躱すため、右後方へジャンプする。空中で腰のベルトに固定した予備の短剣を取ると同時に、もう一列に突っ込む蛮族へ投擲する。
首に短剣が刺さった蛮族はパニーラの両手剣でとかげと共に両断され、もう一列の蛮族は突撃態勢を崩され騎士のリックスに止められていた。
突撃が終われば、第一波と同様に乱戦であるが、今度の相手は本物の蛮族であり、攻撃力、耐久力、持久力、戦闘センスなどに桁違いだ。
例えば、短剣で防御しても、足場も悪いのだが、そのまま空中へ浮かされてしまう。
空中で身動きができない俺を、別の蛮族が狙いすましたかのように、剣を振り上げてくるのだ。
バスタが剣を拳で叩き軌道を変えなければ、俺は真っ二つになっていた。
ギリギリだ…。触媒の値段を気にして、魔法を使わなかったのが失敗だ…。
「撤収っ!!」突然、蛮族たちが逃げ出し始めるが、理由もわからず戦況を確認すると、今更、城塞都市アバスタンから援軍が来たのだ…。
「全軍っ! 即時移動っ!! アバスタンと合流せよっ!! 負傷者の回収は不要だ」
こちらも撤退命令が出た。負傷者を見捨てるのか? 蛮族たち逃げる方向を見れば、主力部隊であろう数500以上の蛮族が集結していた。




