表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
GUARDIANS・IN・IRON   作者: 寺野深一
第二章 波乱到来編
34/51

第33話 「異動」

 





「このたび、君たちの別部隊への配属が決定した」



 一瞬、何を言われたのか理解できなかった。



「えええええっ!?」


 えっ、だって異動って………ええええっ!?


 それを脳が情報として記憶すると同時に、俺は弾かれるように立ち上がる。

 喉をせり上がってくる驚きの声を抑えることはできなかった。


「な、なんで……?」

「君たちの能力が、あの第六小隊と釣り合わないからだよ」


 能力が、釣り合わない?

 それは、俺と四ノ宮の実力が染谷たちに及ばないということなのか?

 だが、俺ならまだしも四ノ宮まで……?


「ああ、すまない。

 釣り合っていないのは第六小隊のほうだよ」

「そう、なんですか」

「もちろん、彼らの能力も決して低いわけではないさ。

 しかし……やはり君たちを活かしきれていないのは確かだ。

 それにあの小隊の中で、ヴァイツに付いていけるのは、四ノ宮特務二尉くらいだろう?」


 ……ああ。

 そういうことか。


 言われてみればそうだ。

 確かにこれまでの戦闘でも、俺と行動するのは四ノ宮が多かった。

 小隊の構成としても、もともとの役割編成に、俺と四ノ宮が遊撃として自由に動き回る感じだったし。

 釣り合っていないというよりも、御しきれていないと言った方が正しいだろう。

 基本的に自己判断で戦闘を行ってもいいと言われていたし。

 今思えば、それは結局俺達が上手く馴染めなかったということなのだろう。


 しかしこういうと、まるで俺達が常識外れに強いように聞こえるが、そんなことはない。

 〔九十二式〕と〔ヴァイツ〕では、根本的に性能差が桁違いなのだ。

 なので、ぶっちゃけ俺は主にヴァイツの性能に助けられていたところが大きい。

 実際、なんどか俺はあの機体の力に救われている。

 良くも悪くも、単純な性能()のゴリ押しは、そこらの熟練者よりたちが悪いということだ。


 それにあの小隊だって、第四支部最強と言われていたんだ。

 はじめそう聞いたときは耳を疑ったが、彼らの戦場での動きを見て、すぐにそれは事実だと認めることになった。

 彼らの内、誰かが突出しているわけではなく、チームとして上手い戦いをする。

 それほど高い連携力を持つ部隊なのだ。

 その第六小隊ですらはまりきらなかった俺達の配属先なんて、一体どこなのだろう。


「それで、配属先はどこなんですか?」


 異動と聞いたとき、四ノ宮はさほど驚いた様子を見せなかった。

 俺と違って、彼女は何度か経験しているからな。

 中には思い入れの強い部隊や離れたくない隊員もいたかもしれない。

 でも、四ノ宮はそれを乗り越えてきているのだ。

 今更、いちいち大げさに驚くほどのことでも無いのだろう。


 ……そう思うと、さっきの自分が恥ずかしくなってくるが、まぁそれは置いといて。


 上からの命令である以上、異動は絶対だ。

 これはもう変えられない。

 つまり俺達が目を向けるべきなのは、新たな配属先、これから共に戦う人達のことだ。


 そんな、当然の疑問に阿多野は、


「本部所属、特務第一機甲小隊だ」


 さらっとそういった。


 ……。



「ええええええええええええ!!??」



 俺と四ノ宮の、今日一番の驚愕の叫びが、

 会議室に木霊した―――




 ーーー




 本部所属、特務第一機甲小隊。


 その名の通り、〈ASCF〉本部に所属するIG部隊の一つだ。

 構成人数は7人。

 同じくIG7機を有し、主に東京を中心として活動する。

 他の部隊と同じように出撃し、同じように最前線でエネミスと戦う、いわば人類の剣であり盾である。

 そこに他との違いは欠片ほども無い。


 だが、〈ASCF〉の隊員の中でその部隊の名を知らぬ者は、恐らくいないだろう。

 もちろん俺も知っている。

 なぜならこの部隊は、所属する隊員全てがレグルスナンバー(最強の称号)持ちなのだ。


 簡潔に言えば、〈ASCF〉最強の部隊ということになる。


 そりゃ驚きもするだろう。

 四ノ宮はともかく俺はまだ入って間もないんだぞ。

 ヴァイツに乗れることを考慮しても、技術はまだまだ未完成もいいとこだ。

 四ノ宮はもちろんのこと、本物の天才たちになど遠く及ぶべくもない。


 なのに、まさかここに配属になるとは……。

 思ってもみなかった。


「安心してくれたまえ。なにも急に引っ越せ、というわけじゃない。

 これは単なる事前連絡だよ」


 そういう問題じゃないんだが……。


「君たちが異動するのはヴァイツの修理が完了してからだ。

 それまでは第六小隊に所属してもらう。

 それと……休暇は今日でお終いだ」


 着々と外堀が埋められていってる。

 というかちょっとまて。

 休暇がお終いってどういうことだ?


「だって君たちはもう夏休みになるんだろう?」

「「あっ……!」」

「え、まさか忘れてのかい……?」


 そうだった……。

 もう来週には夏休みが始まることをすっかり忘れていた。

 そうか、もうそんな時期か。

 残す学校行事といったら体育祭くらいしか無いのか。


「まぁいいや。

 とにかく、ヴァイツが直り次第、正式な指令も兼ねて本部に呼ぶことになるから、詳しい説明はそのときしよう」


 疑問はまだ残るが、結局異動についてはそれで終わりだった。

 なんかあっさり終わっちまったな。


「さて、次の用事だけど……」

「……それは私が説明しよう」


 なんと、睦戸自ら説明に名乗り出た。

 そして、その中身はというと……


「これはヴァイツについてのことだ。

 優真君は是非聞いてくれ」





評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ