表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
74/85

第74話 な、なによ……あれ

 二、三年の試合が終わると、続いて、ナタリア一年と横浜羽鳥一年の試合が始まった。

 先攻のナタリア女学院、アタッカーは手稲アサミだった。観客席から亜紀が食い入るように観ている。


「手稲さんが心配?」


 メグミに声をかけられると、前がかりだった姿勢を起こして、背もたれに寄りかかる。


「べ、別に……次の相手として、どんな試合をするのかな――って、気になっただけよ」


 髪型は変わっても、相変わらず素直じゃないよね――ちょっとカワイイなんて思ってしまう。


「――手稲さんのチーム、先月の練習からだと、フットワークを使って相手の連携を崩していくタイプのようだったけど……」


 ナタリアの練習はとにかく動いていた。「その割には、魔法の練習が少ない――」そうダグラスが感想を言っていたのを思い出す。あれは、自分たち、他校が見学していたからなのか? 魔法より、フィジカルを使ったプレイを目指しているのか? どちらともハッキリしない――というのが、ダグラスの見解だった。


(さて、最初のターンは?)


 ピーッ!


 試合開始の合図とともに、アサミがゆっくりと敵陣に入る。五メートルほど進んで立ち止まり、いきなりゴールボードに杖を向けた。


「えっ!? いきなり!?」

 メグミは思わず声を出す。亜紀も驚いた表情で試合を観ていた。


 慌てて、横浜羽鳥の両サイドがアサミに魔法を放つ。それをナタリアのガードが防ぐと――


「ファイアボール!」


 アサミの放った魔法は、ウィッチシュートでもっとも使用頻度の高い、ファイアボール。つまり火属性の射出魔法なのだが、その炎の大きさ、勢いが通常のそれとは明らかに違う!

 だが、見え見えの攻撃に、横浜羽鳥のセンターがマジックシールドをゴールボードとの射線上に展開する。通常なら、それで防げるのだが――


「きゃあ!」


 アサミのファイアボールがシールドを破壊し、勢いを保ったままゴールへ向かう!


 ボンッ!


 ピーッ!


「ナタリア女学院、ポイント!」


 ナタリア側の応援席は歓声をあげるが、他は異様な沈黙に包まれた。


「な、なによ……あれ」


 亜紀のつぶやきは、おそらく今の魔法を観ていた全員の感想を代弁していたはずだ。横浜羽鳥の防御魔法を破壊して、なお、ゴールボードまで届く威力が残っているとは……


「魔力強化の魔法薬(ポーション)を使っているな」

 ダグラスがそう声にする。


「ポーション?」


 ゲームでは当たり前のように登場する魔法薬(ポーション)は、回復だけでなく、一時的に魔力や防御力、筋力を向上するタイプがある。もちろん、それはダグラスが召喚前にいた世界にあったモノだ。この世界にはない――はずだった。


「そんなモノをナタリアは持っているっていうの? それじゃ……」


 ダグラスは黙ったままだったが、その理由はメグミにだって簡単に推測できる。つまり――

(この世界に、ダグラス以外の異世界人が存在する。もしくは、異世界の知識を持っている人がいる……)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ