第45話 そ、それで、彼女たちへのアドバイスは?
『続きまして、三年生と一年生の試合を行います』
そういうアナウンスが入る。
「みなさーん、頑張ってくださいね!」
テンションの高い舘林に、ダグラスも選手も戸惑っているが……
「それじゃ、次の試合は仁志原、鈴来、田無のチームから行こう!」
前の試合から連続になってしまうが、ダグラスには考えがあった。
(時間を与えると、風魔法の対策を考えられてしまうかもしれない。スタミナの心配もあるが、ここは連続がいい……)
早速試合が始まる。一年チームが先攻、アタッカーの美咲は、まず、相手を一人ヒットアウトにして、それからゴールを狙う作戦。二年生の時にはこれが成功したのだが――
三年生は見事なラインコントロールで隙を与えない。苦し紛れに美咲が魔法を放つと――
「――えっ?」
相手が展開したシールドに阻まれた!
「今よ!」
両サイドの守備が一斉に美咲を攻撃する。一つはシールドで防いだが、もう一つは間に合わず、美咲をヒットする。
「一年生、アタッカーアウト!」
「さすが三年生――もう、風属性に対応してきたか……」
頭を掻くダグラス。
「そ、それで、彼女たちへのアドバイスは?」
舘林がダグラスの顔を見る。風魔法への対処がなされてしまったからには、また新たな作戦を考えなければならない。今まで、ダグラスは適切なアドバイスをしてきた。今回もそれを期待するのだが――
「いや、ない」
「――えっ?」
きっぱりと言われて、舘林は言葉に詰まる。
「実のところ、このチームは鈴来の風属性頼みだ。それが攻略されたらどうにもならない」
「そ、それじゃ、この試合はどうなるのですか?」
「負けるな。それも、コテンパンに――だ」
負けるのも勉強のウチ――そう言うと、ダグラスはベンチの席を立った。
「先生、どちらに?」
「ちょっと、ションベンに行ってくるわ」
もはや、ここにいても何もすることはない――と、ダグラスは競技場を後にするのだった。




